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足音クイズ

「さーて、今日もまた足音クイズの時間がやってまいりましたー!このクイズの正解者には豪華でご機嫌なプレゼントがございますー!では早速、第一問はこちらー」
はあ、何ですか?唐突に、いぬうた市の、きゅん君たら。
足音クイズですって?それってもしかして。
「そうだよ。足音クイズは、どっちが、僕の足音で、どっちが、ぐーの足音か当てるクイズだよ。だってこの間は僕らがママの足音当てたから、今度は僕らの足音を当ててもらう番だろう」
そういえば、きゅん君。この間、そんなことがありましたね。
あの時は確かに見事に、たくさん歩く人々の中から、
ママが歩道橋を歩く足音を、おふたり当てていましたけどね。
でも今回は、きゅん君と、ぐーちゃんの二択でしょ。
これは別におふたりみたいに耳がよくなくても、
さすがに分かるのではないでしょうか。
「そう簡単に当てられるかしら?ぐーの足音さんを。試しに早速やってみましょうか」
いいでしょう。ぐーちゃん。
受けて立とうではありませんか。
「じゃあ、やるよー。では第一問!」
と言って、きゅん君、今いる自宅の2階の、
寝室のベッドの上で足踏みをしました。
ふほ。ふほ。ふほ。ふほ。
うーむ。きゅん君、何だかずいぶん情けない音ですが、
これは足音を当てる以前の問題のような気がするんですけど。
「えっ、それってどうゆうこと?」
だって、もうちょっと足音を当てるんだったら、
その足音が、とん、とん、とか、つか、つか、
とか、
どん、どん、とかですね、
もうちょっと叩くような音というか、
強い音がなって欲しいんですけど。
それをよりにもよって、ふとんの上で足踏みしても、
いい音がならないと思うんですよね。
すると、きゅん君も、ぐーちゃんも、途中まで、
ぽかーんと、よく分からないような感じで聞いていましたが、
最後まで聞くと、
「あっ、そうか。これは場所がよくなかったか。じゃあ、ここは、やる場所を変えるとしよう」
と、まず、きゅん君が言って、
「そうね。そうしましょう。ぐー、お1階のダイニングルームさんがいいと思うわ。あそこならフローリングさんだから、きっといい音さんがすると思うー」
と続いて、ぐーちゃんが新たな提案をして、
「そりゃ、いいぞ。ぐー、では早速移動しようではないかー」
と、きゅん君、ぐーちゃんの提案を受け入れて、
ふたりは寝室から駆け出しました。
先頭が、きゅん君で、あとに、ぐーちゃんが続きます。
どた!どた!どた!どた!ど!ど!ど!
と、少々乱暴な足音を響かせて、階段を駆け降りる、
足音が、きゅん君で、
たん!た!たたん!たん!た!たたん!た!た!た!た!
と、軽やかでリズミカルな足音で、
階段を猛スピードで降りて行くのが、ぐーちゃんですね。
クイズをする前に、ふたりの特徴はすっかりと分かっちゃいました。
なのでこれはこのあと、ふたりが出すクイズも、
全問正解間違いないですね。

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