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きゅん君の冷却法

いぬうた市の最近といえば、梅雨入りしたにもかかわらず、
雨もまだそれほど降らない日が続いて、
その代わりといっては何ですが、
真夏のような暑さが早くも訪れております。
なので、きゅん君と、ぐーちゃんも、
ドッグランにママに連れて来てもらったはいいですが、
まだ早朝のくせして、気温は、
だいぶ上昇しているのでありました。
なので、走ってもすぐに、バテてしまいます。
「ママー!水ーちょうだいー!」
と、ふたり共、走っては、水を飲み、それでちょっと休んで、
でまた走って、すぐ止めて、水を飲み、休むを、
繰り返します。
しかしそのうち、ただ休むだけでは、
呼吸の荒さが抑えられなくなってきました。
そこで、きゅん君、あることをひらめいたのです。
「そうだ!アレをやろう!」
それを言うなり、きゅん君、日陰のある場所で、
突然、穴を掘り始めたのです。
疲れて休んでいた、ぐーちゃんは、
そんな、きゅん君の行動を見て、あきれます。
「全く、何をやっているのかしら、きゅんは。今、大切なお休みをするお時間よ。それなのに、バカみたいにモーレツに穴さんなんか掘り始めて。あれじゃ余計に疲れるだけじゃない」
その、ぐーちゃんのつぶやきが、
きゅん君にどうやら聞こえていたようで、
ニヤリとひとつ笑ってから、ぐーちゃんに反論しました。
「バカはどっちか、すぐに分かるさ。ぐー。今は僕のこの行為が滑稽に見えるだろうが、あとで、ああ!なるほど!そういうことだったのかあ!さっきはバカにしてごめんなさい。きゅんって、やっぱりグレイトなのね!っとなること間違いなしなのさ」
それはどうゆう意味なんでしょうね。
はたから見れば、ただ穴を掘っているだけにしか、
見えないのですけどね。
ぐーちゃんもそれはおんなじなようで、
「何を訳の分からないこと、ほざいているのかしら。本当おバカみたい」
と、更にあきれてしまう次第です。
しかし、そんなことは気にせず、
マイペースに穴を掘っていた、きゅん君、
息もますます荒くなりながらも、ある程度、
穴は掘れたようで、その穴を満足げに見たかと思えば、
「よし!これくらいで良かろう。良かろう。では失礼して」
と言ってから、
その穴の上に、ペタンっと伏せて、
「おお、いい感じー!いい感じー!ナイス!このひんやり感ー!ディスイズベリーグッドです!グッドです!」
と、気持ち良さそうに、そう言いました。
近くでずっとこの様子を見ていた、ぐーちゃんが、
本当に訳が分からない。といったあまりに、
きゅん君に聞きます。
「何が、どういいのかしら?ぐーにご説明してちょうだい」
それに、きゅん君、待ってました!とばかりに答えます。
「ようがす!お教えしようではないか。この僕の掘った穴は僕の胸板だけがちょうどすっぽり入るだけの穴なのだ。この穴で今、熱く鼓動した心臓を冷やしているのだよ」
と、いうことらしいです。
きゅん君の体型は胸板が大変厚くでっぱっているので、
さっき、きゅん君が掘った胸板にジャストサイズな穴で、
土のひんやりした感じをもって、自身の心臓だけを、
スポットで冷やしたということだったのです。
でも冷やした割にはまだ、きゅん君、
舌を出して、はーはー呼吸が荒いですけどね。
この現象は、走ったプラス穴を掘った疲れと、
穴のひんやり感とをプラマイしたら、
疲れの方が結果、勝ってしまったということみたいです。
「やっぱり、きゅんは本当どうしようもなくおバカね。穴さんなんか掘らなかったら、そんなに疲れなかったのに」
と、今日はこの、ぐーちゃんの、
芯を食った言葉で締めくくりたいと思います。
ではではチァーオ。

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