私たちいとこ同士

ハロー！ディスイズいぬうたシティ！
スティル、イッツきゅん君アンドぐーちゃんズハウス！
えっ、何で英語ですかって？
それは只今絶賛、きゅん君と、ぐーちゃんの家には、
いつもは海外に住んでいる飼い主の姪っ子さんが、
久しぶりに訪れているからです。
なので、来るちょっと前からここのところ、
きゅん君と、ぐーちゃんの間では、
これまで会ったことのなかった、
この姪っ子さんの話で持ちきりなのでありました。
「その姪っ子さんって、あのダイニングルームに飾ってある写真の中の、おひとりよね。ぐー、前々からお会いしたかったのよね」
ぐーちゃんが目をきらきらさせながら、きゅん君に言います。
「僕も、ぐーもまだ会ったことないよね。どうやら飼い主の姪っ子らしいけど、ということはママの姪っ子でもあるから、で、僕らはママの子供だから、僕らにとって、その姪っ子は、いとこ、ということになるよ」
きゅん君、よく、いとこという言葉を知っていましたね。
確かにまあ、そうなんでしょうかね。
ここは概ね正しいと言っておきましょう。
その、きゅん君の発した、いとこ、
という新鮮なフレーズを聞いた、ぐーちゃんは大興奮です。
「いとこ！いとこさん！ぐーのいとこさん！まあ、何てステキな響きであらせられるのでしょう！早く、いとこさん、いらっしゃらないかしらー！ぐー、ますます楽しみー！」
お待たせしました。ぐーちゃん。
ぐーちゃんのリクエスト通り、
もう、いらっしゃいましたよ。
ではご紹介致しましょう。
レディースアンドジェントルメン！
ディスイズユアカズン！イトコサン！プリーズカモン！
そして颯爽と、きゅん君と、ぐーちゃんの前に、
いとこさんは現れました。
「はあい！あいむきゅん！はろう！はろう！おちかづきのしるしぃにー、おなかなでてよかですーよーお」
きゅん君と、ぐーちゃん家の玄関ホールで、
中途半端な言語で、すり寄ってお腹を出し、
早くも馴れ馴れしさを存分に発揮する、きゅん君です。
対する、ぐーちゃんはちょっと緊張気味です。
「は、初めまして、ぐ、ぐーです。いとこさんに初めて会えて、ぐーは嬉しいです」
すると、いとこさんは、
ぐーちゃんの言葉ははっきり通じてないものの、
優しくにっこりと笑って、片手で、きゅん」のお腹を、
もう片手で、ぐーちゃんの頭を、
ゆっくりと丁寧に撫でてくれました。
その手の何とも言えない温かさに、
たちまち、ぐーちゃんはそのいとこさんが、
大好きになりました。
その気持ちよさに、うっとりとする、ぐーちゃんと、
うっかりと寝てしまった、きゅん君。
これから、いとこさんの滞在する、数日間が、
更に更に楽しみな、ふたりなのでした。