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初めてのバイト代で3万の革靴を買ってみて分かったこと

 大学2年生の7月、私は現金3万を持ってREGALに向かった。20歳の時である。顔がそこまで若くないため、店員さんは仕事用と解釈していたみたいだが、私は正直にバイト用であることを告白した。市内のREGAL数店舗を往復し、ストレートチップのシンプルな革靴を買った。人生で初めての高額お買い物である。そしてそれを大切にしている。

靴を見ればその人がわかる

 「お洒落は足元から」という言葉がある。抜け落ちている述語部分に「始める」を当てはめる方が多いが実際はそうではない。適当な述語は「分かる」である。その人の生活態度や振る舞い、マナー、自信などが洒落ているかどうか、広義の意味でその人がお洒落かどうかは、あくまで「結果的に」足元に顕れるということである。

 お洒落を足元から始めようとしても、内面がそうでなければ長続きはしない。どれだけ高い靴であろうと革が傷み、割れてしまう。内面が磨かれ、洒落ているからこそ、結果的に靴にこだわろうとするのだろう。3万円の靴を買おうとした自分の内面は少し洒落ていたのかもしれないし、時たま手入れやブラシングをサボるあたり、まだまだなのだろう。お洒落になるのは簡単ではないこと、綺麗な靴は想像よりも大きな意味をもっていることを知った最近である。

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