『あの本、読みました?』(バラエティー番組 3〜9話)
視聴環境:U-NEXT
【内容】
本に関するあれこれを、本の編集者や著者を招いて、俳優の鈴木保奈美が聞く番組。
【感想】
本は読んでも面白いけれど、本について語ることはそれはそれで面白いだということに改めて気付かされました。
芥川賞作家や直木賞作家などの作家をはじめ、その編集者など、出てくる人たちが豪華…
これって鈴木保奈美がプレゼンテーターしているから出てくれるというのもあるのかなあとも思ったりしました。
担当編集者が著者と一緒に出てくるのも、この番組の良いところだなあと…
編集者が著者と出演するというのを結構あり、著者だけが語った時とは違い、立体的に本の作られ方や作品の意図が見えてきて興味深かったです。
また、有名作家の編集者のみが出演という語るという他のメディアではあまり見ないタイプのインタビューも、作家と並走しながら作品を作っている感じが伝わって来ました。文筆業における編集者の重要さを感じたりするエピソードなどが何度も紹介されるのですが…
芥川賞を取ることになった作品のテーマを編集者から出してもらったりとかといった、作家にとって大きな転機となるアドバイスなどもしているとか…
その他、不勉強で知らなかったことで興味深かったのは…
直木賞候補作を高校生だけが話し合って決める高校生直木賞は、この番組で初めて知りました。そういえば本屋でちらっと見たことあった気がしますが、通常の直木賞と重なったのは1回だけであるとか、高校生同士で話し合っているうちに当初の有力候補とは違った作品が受賞することになったとか…
受賞作を決める議論自体が良いので、それを作者が聴いて、小説あとがきとして載せているとか…
審査に参加した高校生も出演していたのですが、話も物凄くロジカルで興味深いなあと…
実際に以前審査に出たことのある22歳の女性は、既に小説を出版していたり…
どうでも良いような文章書いてる下手なプロよりも面白いなあと…
まだ10代や20歳そこそこの若者が一生懸命に本について語っている話を横で聴いている賞を主催の編集者が、感動して軽く泣いているのも面白かったです。というか、自分も良いもの観たなあといった気持ちになりました。
また、校閲の仕事について、『成瀬は天下をとりに行くの』などの人気作の原稿を例に出し、どこをどう校閲したのかとかを解説していのも面白かったです。
こういうテレビのバラエティーならでは見せ方で見られるというのも、この番組ならではの良さだと感じました。
本を教養主義的な位置付けとして扱うのではなく、完全にエンタメの一つとして扱っているのが、この番組の良さなんだと思いました。
個人的には、実際にこの番組を観て紹介されていた本を読んだり、紹介された小説の映画化されたものを観たりしました、
まあ、こうした番組はある程度、話数を重ねるとネタがなくなってきて、手詰まり感が出てくるのでしょうが…
ただ、テレビ東京制作のテレビ番組ながら、配信サービスにも載っているので、ちゃんとした番組を作っていれば世間への広がり方や影響力も以前とは比べ物にならないくらい大きくなっているのだろうなあと思ったりもしました。
https://www.bs-tvtokyo.co.jp/anohon/