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イベントに参加して運営側の視点を磨く

私は福島に移住した人たちの移住後のサポート活動をする一般社団法人tentenを運営しています。https://tentent.info/

活動の主軸は、福島で知り合いを作る+情報交換をするためのおしゃべり会を企画運営したり、福島の楽しさを知るワークショップを企画運営することで、イベント事が中心です。
こういったイベントを現在は年間30回ほど開催。
2018年から活動を開始してこれまで150回ぐらい開催してきました。
毎回、参加してくれる方がいかに楽しんでくれるか、「参加して良かった」と思ってもらえるか、そのことを念頭に置いて企画したり当日の運営やファシリをしています。

先日、「親子ふれあい農業体験」なるイベントに娘と参加してきました。
気軽な気持ちで参加したのですが、いつもは主催する側に立っているので、純粋に参加者になった時にたいしたことではないのですが色々気になることや、これいいな~と思うことあり、、色んな意味で参加して良かったと思ったのでその気づきをシェアしたいと思います。


申し込んだ理由からの気付き

参加したのは市の農業委員会主催の「親子ふれあい農業体験」。
市内の小学校5-6年の子どもとその親10組限定で、小6の娘が小学校からお知らせを持って帰ってきて知りました。
毎年テーマが違うようですが今年は「りんご」の栽培体験を年間3回、春秋冬に通して体験するとのこと。
✓農業に興味があるわけではないが料理やお菓子作りには興味があるので「りんご」という素材になら興味を持ってくれるのではないか
✓なにより土日暇してるより何か経験や学びがあった方がいいのではないか
というのが、私がこのイベントに興味を持ったキッカケ。

娘はあまりこういう見ず知らずの人が集まるイベントやお勉強系のイベントには行きたがらないタイプなのですが、10組限定で応募者多数の時は抽選とあったので、とりあえず申し込んでみようと娘の確認を取らず申し込みました。

申し込んだことも若干忘れかけていた頃、参加通知のメールが!
「わー10組に当選したんだな💦」と恐る恐る娘に「次のお休みの日農業体験に行くことになったから・・・」というと「え、行きたくないんだけど」という返事が・・・(ですよね~~)
「でも申し込んじゃって、行かないと主催者の人困るから、お願いだから一緒に行こう~」と乗り気じゃない娘を無理やり連れていくことになったのです。

【気付き1】
親子向け・家族向けのイベントで、特に何か学んでもらおう系はどちらかというと子どもの意志というより親の意志で申し込む人が多い。
主催者は、参加者全員がイベントに前向きに参加しているとは思わず、イベント当日は、どうやったら連れてこられた人も楽しませるのか、その視点が必要。

参加してみての気付き

当日、朝早く起こされ行きたくないイベントに行く準備をさせられてかなり不機嫌な娘を連れて集合場所へ。
到着すると、7組の親子が参加者で受付をしていました。
「10組限定だったけど7組しか申し込みなかったんだ」とその時知りました。
隣の机で他の参加者が何か名札を書いているので、お子様はそれを書いてくださいと誘導されました。見本があり、書き方は教えてもらいましたが、何に使う名札なのか分からなくて、私から聞いたところ1年間お世話するリンゴの木に印としてつけるものだそう。
確かにチラシにそんなこと書いてあったなと思いながら、でも娘は興味がないので一体何を書かされているのか分からず困惑。

【気づき2】
参加者になにか作業をさせる時には、何のための作業で何に使うものが分かりやすく説明しないと困惑する。主催者はtodoが多く、自分の事や運営業務でいっぱいいっぱいになってしまうので特に注意。

なんとか名札を書き終えて、待機していました。
他にも待機している親子がいて、気になりますが話しかけるキッカケもなく・・・私は、こういうイベントでは他の方はどんな方々なのか私はめっちゃ気になるタイプ。
今日だけでなく、あと2回は会う機会があるのでせっかくならどんな人たちなのか知りたいな~と思って待っていました。

その後開校式が始まり、農業委員会の会長の挨拶や、市役所の担当者の挨拶などが。そのあと参加者の簡単な自己紹介があるのかな~と思っていましたが、ないまま次の工程、果樹試験場に向かうバスに乗り込みました。残念~~。まぁ、これは農業を体験することが目的のイベントで参加者同士の交流イベントではないからいいんですけどね。
もちろん、その後もイベントの間、他の参加者と会話をすることはありませんでした。

【気づき3】
参加者同士の交流が目的のイベントではなくても、簡単な自己紹介がいあると会話のキッカケになり、イベントをもっと楽しめるようになるのではないか。

その後、福島県の果樹試験場に向かい、試験場の職員さんから、福島の果樹栽培の歴史や試験場でやってる研究の説明を20分講義が。
資料も話の内容もちょっと難しく、「これはこどもたち理解できてる!?」と私がソワソワ・・・娘からは「難しくて何言ってるかわかんない」と言われるし、他のお子さんも寝てしまってる子も💦

小難しい資料

【気づき4】
ターゲットに合わせた資料の準備と講義の中身と話し方が大切。講師にはここをきちんと伝えておく必要がある。

その後、試験場内の圃場へ。実際に果樹を見ながら、改めて説明を受けると、子どもたちもすごく興味を持って聞いていました。
講師の方も、資料があるわけではないので子どもたちと同じ目線で分かりやすく説明してくれたのがとってもよかった!
座学よりやっぱり現場で実物を見て聞くと分かりやすい!
圃場内を移動するときも農業委員会の方々が話しかけたりしてくれて娘にもようやく笑顔が!!
というか、主催者側と会話することができてようやく人柄が分かって参加者として肩の力が抜けてきました。

【気づき5】
やはり話は実物があると何倍も分かりやすい。
主催者側と会話をすることにより、自分たち以外全員知らない他人という構図が崩れて、肩の力が抜けてイベントを楽しめるようになる。

その後、果樹試験場からさらに農家さんのリンゴ畑へ。
実際にリンゴの木を見ながら摘果の仕方を教えてもらいました。
一家族1本ずつ木が割り当てられ娘と2人で自分たちの木の摘果作業開始。
娘の手際が思ったより良いい!農家さんも娘に直々に色々教えてくれて、娘もちゃんと聞いてさらに手際がよくなって楽しそう!

途中で農業委員会の女性陣からの果物クイズとかお楽しみ事も。
正解するとなんとさくらんぼがもらえるというサプライズ!!さくらんぼ欲しさに、普段はこういう場では手をあげて答えない娘が答えてくれた!

クイズに正解してもらったさくらんぼ🍒今年の初物だったので嬉しさ倍増!

【気づき6】
作業だけでは単調になるので、ちょっとしたお楽しみイベントがあると盛り上がる。

最後には農家さんのリンゴで作ったジュースをお土産にいただき、これまた娘大喜び。

レトロなパッケージがかわいい

私としてはなによりも農業委員会の人たちの人の良さ、果物への愛というか、そういうのが伝わってきたことで、こういう方々が作る果物だから福島の果物は美味しいんだな~と思うように。
イベントの内容もそうですが、やっぱり「人」の温かさを感じることができたイベントで満足度がすごく高かったです。

【気づき7】
主催者側のイベントへの向き合い方を参加者は感じ取る。義務的にやっているようなイベントでは参加者の満足度は下がる。

立場が変わると気付くことがたくさん

私もイベントを主催するときは、今回のような視点では当日の運営はできていないことがあるなぁと感じました。
人によって気づきはそれぞれだと思いますが、自分が参加者になったと想定して、当日のイベント運営を改めて見直すと、こうしたらもっとよくなるかも!という点が見つかるはずです。
イベントを主催する方には妄想参加者になってみて、視点を変えてイベント企画運営を見直すことをおススメします。
tentenでも実践していきます。




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