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サラリーマンから農業に転職・そして、独立有機野菜を多くの人へ

多くの料理人や、サロン関係者、整体師さん、物づくりの作家さんなど、
様々な人たちにインタビューをお願いしてきたが、出会えたらラッキーと思っていた職業の人と、つい最近繋がることができた。

その職業は農業。

有機野菜、有機栽培。
もちろん、どういうものかは知っているし、きっと今まで食べてきた料理にも、知らず知らずに有機野菜が使われていたと思う。
ただ、今回インタビューをさせていただくまでは、自分が口にしていたものにそこまでこだわりがなかった。それが、今では有機野菜を売ってるスーパーを検索して、わざわざ買いに行くことも多くなった。

今回インタビューを受けてくださったのは、
「燈」(あかり)のオーナー阿部友和さん。

今年4月にこの会社を立ち上げたばかりの若手社長だ。

■サラリーマンから農業へ

元々は阿部さんは都内で働くサラリーマンだった。
会社から転勤を伝えられ、向かった先は石川県。
東京とは違う、穏やかな土地、町の人たち。
そこで味わった文化や食べ物、人との繋がりは、都会で生きてきた阿部さんには大きな影響を与えただろう。

奥様との出会いも石川県。
結婚生活が始まったと思いきや、東京への移動が決まり奥様と共に再度東京に。

移動を機に、今後家族との生活を考えはじめ、自然溢れる場所で以前からやりたいと思っていた農業の道に行くことを決意したそうだ。
そして、神奈川県にある農業大学校に通うことになる。

結婚してすぐに、会社を退職し、学校に通うという決断。
これから農業を目指すという強い気持ちとプレッシャーは計り知れないものだが、その背中を押し、1年間を支えてこられた奥様の存在があってこそだったのかもしれない。

■阿部さんと有機栽培

もともと、阿部さん兄弟が小さい頃からアレルギー性鼻炎だったこともあり、口にするものについては、家族共々気にしていたという。
その中でも、鮮やかできれいな形をした野菜達には、少しずつ改良はされているものの、多くの農薬が使われており、大人になるにつれ、徐々に農業というものに興味を持つようになったと話してくれた。

「大学で農業の資格も取ることができて、卒業後は市が設立した農業支援センターに研修込みで1年間働かせてもらいました。
でも、学校で教えてくれるのは、ほとんどの農家がやってる慣行栽培。僕は自分の体のこともあってやっぱり有機栽培をやりたかったんですよね。
だから、独立することにしたんです。」

正直、有機野菜のイメージは、農薬を使ってない、美味しいブランド野菜のイメージだったが、阿部さんはこう教えてくれた。
「有機栽培をやっていくって、いろいろ大変で。農薬を使わないから雑草が生えやすいでしょ。雑草が生えるってことは虫も寄ってくる。
だから慣行栽培をやってる人からは嫌われやすいんです。
それに、有機栽培だからって美味しいわけじゃないんです。栄養だって慣行栽培と変わらないし、農薬を使わない分育つのにも時間がかかる。
だけど、有機栽培を広めていきたいんですよね。
体に良いというのはもちろんだけど、有機栽培の野菜は自分の力で大きくなるんですよ。太陽の栄養と土の栄養で。
それって、ちょっと宗教っぽく聞こえるかもしれないけど、農薬を使って育った野菜より、自然のエネルギーが全然違うと考えてるんです。」

自然の力で育っていく有機野菜。
なんとなく、阿部さん自身も有機栽培の考え方に似た生き方をしてるなと感じてしまった。
目の前に用意されたレールに従って生きていくのではなく、
「こう生きていきたい」という気持ちを大事にし、行動に移していく姿。

■着実に一歩一歩を

今後の展望について聞いてみた。
「小さなことだけど、子どもたちや妊婦さんに必要な栄養とか、人間が生きていく過程で必要な栄養素ってその時々で違うんです。普段はあまり意識しないそういった知識を、野菜を通じて広めていけたらと思っています。
でも、まずは今育ててる野菜を街の人たちに買ってもらって、食べたい、ずっと料理に使いたいと思ってもらえること。
そこからですね。家庭でもレストランでも、自分の野菜が並ぶようになることが、まずは目標。」

普通のサラリーマンを辞めて2年。
その間で、やりたかった農業を学び、農業で生活し、農業で会社を立ち上げた阿部さん。
穏やかでニコニコした人柄でありながら、人がなかなか踏み出せないことにチャレンジし、行動し続けている姿は、これから独立を目指す人にとって大きな影響を与えるのではないだろうか。


■阿部さんの野菜について

現在、出荷に向けて栽培中になるため、6月頃から販売予定。
神奈川県海老名市近辺にて宅配と、指定販売所にて店頭販売を予定されています。
ご家庭はもちろん、飲食店で、ぜひ阿部さんん野菜を使ってみてください。
WEBサイトやSNS等ができ次第、このサイトでも更新しますので、チェックを。

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