東京都の教員採用試験
自分の教え子から「教員採用試験について教えて下さい」「私学の採用事情について教えて」と連絡がありました。
せっかくなので、採用に関して記事にしてみようと思います。
教員採用試験は1次試験が7月の第1~3週の日曜日に行われます(例年)。
エリアごとに実施日がだいたい固まっているので、地理的に近い都道府県を複数受けることが基本的にできないと考えておいたほうがよいです。
そのため、自分が勤務したい自治体を選んで受験することになります。
自治体によっては一般教養、専門教養、実技、小論文、面接などが組み合わさります。
今回は東京都について詳しく見ていきます。
東京都が1次試験で実施するのは
◆教職教養
◆専門教養
◆論文
です。
教職教養は法律とか心理学とかについてある程度勉強しておけば大丈夫。
専門教養はセンター試験が解ければ十分すぎる。
最大の問題は「東京式」とも呼ばれる論文です。
少し前は1500字だったのですが、近年は字数が確か減ったはず。
とはいえ、書き方の「型」を知っていないと落とされると思います。
どういうことかというと、最初の200字くらいで
①世の中の背景を踏まえつつ
②何が課題になっているかを述べ
③それについてどうアプローチするか簡潔に
述べる。
真ん中の本論で
①具体的な場面と指導例を書く
②近年の教育のトレンドを混ぜる
③2例書く
最後のまとめで
①序論とダブらないようにまとめ
②今後の方針に触れる
みたいな感じでしょうか。
具体的な例については自分の言葉でかければOK。
近年の教育のトレンドについては、
・言語活動の充実
・ICTの活用
・少人数指導
・個に応じた評価
とか、学校現場と接点がないと書きにくいかもしれません。
おまけに、この形式を知っていないとほとんど小論文に評価がDとかEとかになるような話を聞きました。
実際に、講師として勤務している同僚がいて、毎年採用試験を受けていたのですが、2~3回正式採用に至らなかった同僚を知っています。
話をきくと、「書き方のテンプレ」を全然知らないで、完全に自己流の小論文を書いていたそうです。
私は幸いにも、大学の中に「教職対策室」みたいなところがあったので、定期的に添削をしてもらっていました。
こういうのを知っているか知らないかで合否が決まるのは少し疑問が残りますが、見方を変えれば、これが最も説得力がある形(限られた字数の中での序論本論結論の割合とか具体例の織り交ぜ方とか)のような気もします。
あとは、この書き方を指導できる人に出会えるかどうか。
「実力があれば受かる」というわけではないのがとてもつらいところです。
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