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自転車は空を飛ばない 一般市民の民事裁判初体験記

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小さな事故が事件になって、そして訴訟になるまでとなってから。
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#損害賠償

開戦の決断(3) 一般市民の民事裁判初体験記【14】自転車は空を飛ばない

 法的紛争に立ち向かう。私たち夫婦は強力な助っ人に加わってもらうことを決めました。代理人(弁護士)には代理人(弁護士)です。この時点で、もうご近所トラブルとは言えないレベルになって来ました。 前回のつづき・・・ 2017年11月14日(火) 妻と娘に義母に加わってもらい、とある法津事務所に相談に行ってもらっていた。K弁護士の話を詳しく伝えてもらうためだ。幸いだったことに、以前に、私が知己を得ていた弁護士さんがいたのである。相談したいとの一報を入れると、すぐに会ってくれるこ

開戦の決断(2)  一般市民の民事裁判初体験記 【13】自転車は空を飛ばない

 期せずして、隣人ではなく、隣人の代理人である弁護士との対峙をしなければならなくなりました。こうなれば、もうご近所トラブルが、法的紛争と形を変えて来ます。私たちはこれに対応していかないといけなくなりました。気持ち的には、「対応」というより「応戦」でした。 厄介ごとが数万倍ややこしくなっていきます。 前回のつづき・・・  この時、私たち夫婦には2つの選択肢があった。 (1) 全部を当方で負担して収める (2) 敢然と損害賠償を求める  妻が既に発しているメールの内容に沿

開戦の決断(1) 一般市民の民事裁判初体験記【12】自転車は空を飛ばない

 相手方のY氏から費用の負担の連絡があっただろうと、本件はもう一件落着と思っていた私。 意気揚々とその週の出張を終えて帰って来ました。ところが、待っていたのは、想像の欠片すらもない意外なことでした。 前回のつづき・・・ 2017年11月11日(土)21時30分頃 席に着いた私たちに、料理が運ばれて来た。空腹MAXだった私は、早速、パクパクと食べていた。  妻「あのぅ、車の修理のことなんだけど」  私「あぁ、保険でやるって?」  妻「いや、それが・・・」  私「どうしたの

突然、弁護士がやって来た(2) 一般市民の民事裁判初体験記【10】自転車は空を飛ばない

 うっかりでやってしまった事故。誠意をもって賠償すればなんてことはなかったことでした。手前味噌ですが、相手方(つまり私ども)は、事を荒立てることはしないで、今後のご近所付き合いを大切にと思っていたタイプ。  どこをどう考えてこうしたのか分かりませんが、Y氏が採ったのは代理人を担う弁護士に依頼して、相手方に差し向けたこと。この弁護士が、稀代の火付けの名人だった(本人はそうは思っていないが)とは、この時のY氏は露ほどにも思っていなかったでしょう。  前回よりのつづきです・・・

突然、弁護士がやって来た(1) 一般市民の民事裁判初体験記【9】自転車は飛ばない

2017年11月9日(木)11時頃 妻の携帯に1本の電話が入る。妻は知らない番号であった。 相手は、Y氏代理人と名乗るKという弁護士であった。中高年いや、もっと年配の男性。驚くべきことに、K弁護士は、妻に事務所に来いとの要望を突きつけて来た。しかも妻だけではなく、夫の私も一緒にと。  妻はもちろん拒絶である。夫の同席についても「ホットラインがあるでしょ」と至急連絡を取ることを求めたらしい。妻にすれば、電話がいきなりあっただけでも驚愕だったのだが、相手が訪問したいということで