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「吉見百穴」で覗く、古墳時代の死生観?

以前から気になっていた、「吉見百穴(よしみひゃくあな)※」(埼玉県比企郡吉見町)にたまたま立ち寄ることができました。

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※ 吉見百穴とは、6~7世紀(古墳時代後期)の横穴墓群。大正12年(1923年)に国史跡に指定されているほか、確認されている219基の穴数は、国内最大規模だという。

周辺をざっと歩く中で、次のような看板が目に留まりましたので、ご紹介します。

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現世と死後の世界

古墳時代の人々は人が死ぬことは決してなくなってしまうことだとは考えていませんでした
現世を旅立って遠いところへゆくのだ、そしてそこで今までのような生活を続けるのだと考えています。この考え方が横穴の構造に表れて、玄室つまり現世から羨道(せんどう)を通って「あの世」へ行った。死者が現世と同じような生活をしているところとしての意味をもっているのです。
したがって玄室の天井は屋根の形を模してつくられています。

また「なきがら」を葬るとき、その人が生前に使っていたものなど死体にそえて埋葬した副葬品が多く発見されています。
副葬品としては、金環(きんかん)・匂玉(まがだま)・埴輪(はにわ)(飾馬〈かざりうま〉)土器などが多く飾馬はあの世で遠い旅をしたり乗りまわすのに土器はあの世での日常生活の必要な食器として考えられたからでしょう。

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人が死ぬことは(人が)決してな(亡)くなってしまうことではなく

「(人は)現世を旅立って遠いところ(あの世)へゆくのだ」、
そこ(あの世)で今までのような生活を続けるのだ」、
「(あの世では)死者が現世と同じような生活をしている」といった、

古墳時代の死生観に対して、現代人の私たちは、どのように感じるでしょうか?

ただ穴を覗き込むだけでなく、千数百年の時を越えた、‟の神秘に思いを馳せてみてはいかがでしょうか?

「吉見百穴」の詳細はこちら。


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