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コロナ時代を生きぬくための聖書のことば(7)~グレタさんの闘い

わたしのこれらの言葉を聞くだけで行わない者は皆、砂の上に家を建てた愚かな人に似ている。雨が降り、川があふれ、風が吹いてその家に襲いかかると、倒れて、その倒れ方がひどかった。
                  マタイによる福音書7章26節~27節

温暖化という言葉が叫ばれはじめてから、すでに数十年。とうとう十代の環境活動家が世に現れるに至りました。
そう、それはグレタ・トゥーンベリさんです。
今やそのお名前は世界中に知れわたっていますが、彼女の働きを見ていますと、もはや時代の預言者ではないかと思えるほど多くの人たちにインパクトを与えています。
 
彼女は2019年4月6日ストラスブルグでの欧州議会において、こう訴えました。

「みなさんの家が燃えているかのように行動してほしいのです。(中略)私たちの文明はとても弱いものです。まるで砂上の楼閣のように、表面はとても美しい。けれども、土台は決して堅固ではない」
 
こうした彼女の発言は、冒頭のイエスさまの言葉と響き合って聞こえてこないでしょうか? 
彼女は緊迫感をもって「みなさんの家が燃えているかのように行動してほしい」と叫んでいます。
「温暖化」という言葉に代わって、ヨーロッパでは今や新たに「気候の危機」という言葉が用いられているほどに、この問題はもはやイの一番に解決すべき課題であり、人類の存亡にかかわる脅威となっているからです。
もちろん現在、世界中に席巻している新型コロナ感染の問題も、それに劣らず一刻も早い終息が求められている重大事であることは言うまでもありません。

そもそもコロナ感染の問題は、私たち人類の手による長年にわたる自然破壊が引き起こしたものという見方もできます。
これはもはや人類の罪がもたらした結果と言わなければなりません。

霊長類学者のジェーン・グドールさんは次のように語っています。

われわれが森を破壊すると、森にいるさまざまの種の動物が
近接して生きていかざるを得なくなり、その結果、病気が動物から動物へと伝染する。そして、人間に伝染する可能性が高まる。(レイチェル・カーソン日本協会関東フォーラムからのメッセージより。2020年7月18日付)

ところで、グレタさんは2003年にスウェーデンで生まれました。11歳のときに授業で環境問題の映画を観てショックを受け、以降、摂食障害に罹かってしまったのです。
その後、うつ、アスペルガー症候群、選択制緘黙症などの障がいに悩まされてきました。
しかし、その後も気候問題には関心をもちつづけ、2018年8月、ついに国会議事堂前でたった一人の座り込みストライキを決行し、それがSNS世界に拡散されて一躍、時の人となったのです。

このように熱心に取り組んでおられるグレタさんの発言や行動にごく一部の人が冷ややかな目で見たり揶揄したりしていますが、グレタさんは一向にめげません。

「私たちはおかしな世界に住んでいます。でも、それが私たちの世代が受け継いだ世界です。私たちにはこの世界しかありません。私たちはいま岐路に立たされています。すべては、私たち次第なのです」(『グレタ たったひとりのストライキ』海と月社刊より)

と声を大にして語りつづけています。 

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