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コロナ禍における飲食店の来店・予約件数推移を調べてみた

飲食店向け予約・顧客管理システム「 TableCheck 」を展開する株式会社TableCheckでは、コロナ禍における飲食店の最新状況を毎週火曜日に公開しています。

ここ最近は客足も戻ってきたように見受けられますが、さてその実態はどうでしょう?

現在の飲食店への来店状況を見てみましょう。

「コロナ禍における飲食店の来店・予約件数推移」2022年5月29日(日)集計
引用:https://www.tablecheck.com/ja/blog/covid-19-impact-to-japan-restaurants-blog5/

【2週連続客足増加も、2019年比4割減】

先週の客足は、前週比104.6%となり、2週連続で増加。
コロナ禍の2020年、2021年同期比では最も高い水準で推移しており、感染者数の増減や自粛要請が外食動向に与える影響が低下していることがうかがえます。
2019年同期比では38.0%減となっており、コロナ前の水準にまで回復するには平日、ディナーの客足や、団体客の需要が戻ってこない限り難しい状況といえるでしょう。客足の増加も鈍化していることから、特別な需要喚起要素がない限り、これ以上の回復は期待できないと考えられます。

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【ディナーの客足回復で、ランチとほぼ同水準に】

2021年に入ってから長らく続いていたランチとディナーの客数の逆転現象が、ようやく解消されようとしています。
先週のランチ、ディナー別の来店人数は、ディナー17.4人/店・週、ランチ17.8人/店・週となり、ほぼ同水準。
今年に入り、ディナーの客足が順調に回復を続けており、このまま増加傾向が続けば来週にはランチの水準を上回ると予想されます。
コロナ禍で最もダメージの大きかったディナーが回復してきたということから、人々がコロナ前の通常の外食行動を戻しつつあるということが読み取れます。
ほかにもダメージの大きかった「平日」「団体」の来店も同様に回復していけば、コロナ前の水準にさらに近づくことができるでしょう。

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コロナ前とコロナ禍でお客様の再来店に影響している項目の変化
環境の変化で「お客様が再来店したいと思う飲食店の条件」にも変化がみられます。
コロナ禍においては、お客様はどのようなお店に「必ずまた来たい」と感じるのか?
10,562件の顧客満足度調査(ミステリーショッピングリサーチ(株)MS&Consulting提供)から分かったこと。
引用:https://www.msandc.co.jp/info/case/case239

【コロナ前とコロナ禍でお客様の再来店に影響している項目が変化、ポイントは「気配り」「清潔度」】

【図】は、「お客様の再来店意思(利用したお店にまた来たいと思ったかどうか)」に影響度の高かった順に各項目を並べたもの。
コロナ前とコロナ禍で比較すると、「スタッフの気配り」「お店の清潔度」の影響度が高まっていることが分かります。
‟料理を食べながら楽しむ飲食店”において、コロナ前は「料理のおいしさ」が最も再来店意思に対して影響度が大きかったが、
コロナ禍では、僅差ではありますが「スタッフ気配り」の影響度が「料理のおいしさ」を上回るという結果となりました。

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【「気配り」の平均満足度が低下、再来店率を高めるために強化が必要】
先程の項目をコロナ前とコロナ禍 の平均満足度(4点満点)で比較したところ、「スタッフの気配り」を除く全ての項目で平均点が上昇しています。コロナ禍にめげず、頑張る現場の様子が窺える結果となりました。

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ただし、お客様の再来店意思への影響度が最も高かった「スタッフの気配り」に関しては、コロナ前より平均満足度が下降。
この背景には、慣れないコロナ対策オペレーションが増えたことによる現場の混乱やコロナ禍でどの程度の接客をして良いか分からないスタッフの迷い等があると推測されます。

では、お客様はどんなときに「スタッフの気配り」を感じるのでしょうか?
10,562件の顧客満足度調査に寄せられたお客様のコメントから考察します。

「お客様のコメント」から得られたヒント

・元気になる接客、心が温まる接客
・コロナ禍でも可能な範囲でのコミュニケーション
・感染症対策の徹底度が高く安心して過ごせる
・料理のおいしさが増す接客、家では食べられない料理 

顧客満足度調査に寄せられたお客様のコメントを読むと、‟コロナ疲れ”しているお客様が、今お店に求めていることは、「おいしい料理」「清潔で安心して過ごせる環境」に加えて、「笑顔で歓迎してくれるスタッフ達」だということを改めて感じます。


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