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#ウクライナ問題と外食 〜天ぷらヒーローズへの道〜

円安と外食について書きました。

今回は、長引くロシア・ウクライナ醸成の問題と外食産業の関係について考えてみたいと思います。

ロシア・ウクライナ情勢の食品への影響は?

ロシアによるウクライナ軍事侵略が続く中、小麦やカニ、サケといったロシアからの輸入品を取り扱う食品産業からは不安の声が上がっています。
特に水産物に関しては、日本にとってロシアは第5番目の輸入先です。
中でもカニの輸入先は半数以上がロシアであることから、価格の高騰が懸念されています。

ロシア・ウクライナ情勢の影響を最も受けそうな食品は?

日本国内の食卓に大幅に影響を受けるものがカニやサケといった水産物です。
日本の主な水産物の輸入先は以下の通りで、ロシアからの輸入は全体の約7%を占めています。

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今後、上記の品目が輸入できなくなり日本国内において水産物が高騰することも予測されます。
このほかにも、ロシアからは「イクラ」「たらこ」「うに」「甘エビ」などを輸入していることから、それらの供給量が大幅に減少する可能性もあると考えられます。

小麦や食品油の原料も値上げの可能性
日本は小麦の9割を外国から輸入しています。
農林水産省によると2016〜2020年の5年間を平均すると488万トンの小麦を輸入しており、そのうちアメリカが49.8%、カナダ33.4%、オーストラリア16.8%という割合です。
ロシアやウクライナから直接小麦を輸入しているわけではありませんが、米シカゴ商品取引所では小麦の先物価格が2008年3月以来の約14年ぶりに高値を記録。国際価格が高騰することは、日本国内の小麦の再値上げにつながるのではないかと不安視されています。

ロシアとウクライナは穀倉地帯であり、ヨーロッパ向けの最大の小麦の産地。その生産量はロシアとウクライナを合わせるとなんと世界の25%相当とのこと。
ただでさえ高騰していたところに、今回の混乱で生産や輸出が低迷し世界的に品薄になることが予測されます。
各国がこれまでのコストで小麦を仕入れることが困難になり価格高騰が懸念されています。
日本国内においても小麦製品の価格の見直しが余儀なくされている状況です。

小麦や食品油の原料の値上げは天ぷらにとっては死活問題じゃ〜

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そのほかにロシアでの生産量の多い作物
特にヒマワリ種子、テンサイ、馬鈴薯は世界の中でも有数の生産量を誇ります。食用油の原料となる大豆や菜種の生産量も多いことから、国内の油脂メーカーにも波紋を広げる可能性があると考えられます。

ヨーロッパ製品が高騰・品薄に。
EUがロシアの飛行機の領空内飛行禁止の措置をとった対抗策で、EU各国の飛行機がロシア上空を飛行することができなくなりました。
そのためヨーロッパから空輸していた食品にも大きな影響が出ています。

人気のノルウェーサーモンの入荷が滞る
ノルウェーのサーモンは通常はノルウェーやEUのハブ空港よりロシア上空を通って日本へ輸入されます。
ロシア上空が通れなくなったため、中東のドバイなどを経由する遠回りルートに変更となり、運送コストが上昇。
供給も不安定になっていて、値上がりしているのです。

この影響により、豊洲市場の輸入サケ・マスの3月の平均卸売価格は、去年と比べ、3割ほど値上がり。
信州サーモン等の“ご当地サーモン”への注文も殺到しているそうで、当面は国産サーモンが代替え品として注目されそうです。

また、株式会社銚子丸が展開する「すし銚子丸」では、
2022年3月8日にノルウェー産のサーモンを使った人気メニュー「オーロラサーモン」を、在庫がなくなり次第、販売を休止すると発表。
3月19日より販売を再開したようですが、当面は、空輸できる量に限りがあるとして、数量限定で、価格も値上げすることとなったようです。(代替え商品も値段は据え置き。)
「空輸にかかるコストの増加分全てを販売価格に転嫁することが無い様に、関係するお取引先様にも負担を分かち合う形で協力いただいておりますが、吸収しきれない部分をやむなく値上げいたしました。」と明かし、やむを得ない苦しい状況であることが伝わってきます。
また同社は、ウクライナへの緊急支援活動を行っているUNHCR(国連難民高等弁務官事務所)に対し、4月22日付けで1,000万円の寄付しており、このGWでは、「一皿ご支援(4円)」と題して、期間中にお客様が召し上がったお皿一皿につき4円を、同じくUNHCRに寄付する予定。期間中250万皿(寄付金額1000万円)を目標として、一皿でも多く召し上がっていただけますように、より良い商品・サービスを提供するとしています。

厳しい状況下でも、様々な対策やキャンペーンを打ち出しています。

また、ノルウェーサーモンだけでなく、多くの商品がルートを確保できずキャンセルとなっており、市場に商品が入ってこない状況となっています。この状況はヨーロッパから空輸されてくるほぼすべての商品に該当するため、ヨーロッパ産のトリュフ、モッツァレラチーズなどもすぐには入ってこないとの情報が出てきています。

エネルギー資源の価格も高騰
ロシアは原油と液化天然ガスの豊富な輸出国で特にEUへのエネルギー供給では大きな役割をしてきました。
しかし、今回のウクライナ侵攻によりドイツのノードストローム2などの凍結など新たなエネルギーをロシアから調達する動きは軒並み凍結され、油田やガス田開発からも欧米企業が撤退するなどで原油価格が暴騰するなどエネルギー関係の高騰が世界経済全体に悪影響を及ぼしてきています。
日本も火力発電に使われる天然ガスの7-8%をロシアから買っていましたし、エネルギー全体の高騰で電気代、ガス代、また石油を原料としたプラスチック製品(容器、包装資材)などの値上がり、物流費の値上が影響してきています。
(引用: https://kanto-syokuryo.info/bs/kiji/entame/syatyo-blog22/

外食産業では、電気代ガス代はもちろんですが、プラスチック製品の値上がりも大きな打撃です。
コロナ禍により、飲食店はテイクアウトやデリバリーに力を入れています。そんな矢先に、容器や包装材の値上げは追い打ちをかける事態となりそうです。

外食産業に与える主な影響として、

 ■水産物の高騰 
 ■小麦や食品油の高騰
 ■ヨーロッパ製品の高騰・品薄
 ■エネルギー支援価格の高騰による容器や包装資材の値上げ

と上げましたが、まだまだ他にも多大な影響がありそうです。

ということで、「天ぷらヒーローズ」にとってもいろいろな問題は重なりそうですが、夢の天ぷらを提供するにはこのような厳しい状況においても乗り越えられるイノベーションを創造していきたいと思います。

ではでは

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