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シンプルだけどこれが効く! 動画投稿ルール3か条|大島保育園

「家庭のように温かく、心と体を元気に育む」という理念を掲げる大島保育園は、群馬県にある定員100名程度の小さな保育園。2020年6月に、てのりのを使った動画配信をはじめて以来、これまで以上に保護者との細やかな接点づくりにつなげています。「保育参観のあり方も変わってきた」と語る萩谷園長に、シンプル且つ効果的なてのりのの活用ポイントを伺いました。

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投稿ルール①
施設コードをわける良さ、わけない良さ

 系列園ごとに施設コードをわけて動画を配信したり、クラスごとにグループコードをつくって動画を配信したり、てのりのの使い方は園によってさまざま。その違いは、系列園のある・なしやクラス数にもよりますが、それぞれ振り返りのしやすさ異年齢の成長の見える化という良さがあります。

 定員100名の大島保育園が選んだのは、園の施設コードのみでの運用です。

 「最初は、クラスごとに分類しようと思ったんです。でも、逆にわけない方が違うクラスの保護者が他のクラスの保育活動の様子を(動画で)見てくださったりして。自分のお子さんがいないクラスの様子も見てもらえたりするのもいいなって思ったんです」

 そう教えてくれたのは、園長の萩谷正恵先生。
 てのりのでは、クラスコードをつくらずにハッシュタグだけ付けて、どのクラスかを見てもらうようにしているそうです。

「こんな風に成長していくんですね」
「4歳になると、こういうことをやるんですね」

 「他のクラスを見ていただくことで、成長が見えて、保護者の方も見通しを立てられたり、楽しみを持てたりすることがあると思います。実際の保育参観だと、どうしても自分のクラスしか見ないと思うんですけど、動画で気軽に見られるのは新しい発見でした」

 動画の配信頻度は週に1〜2回。コロナ禍で保育参観ができない状況の中、動画をあげていくことで、「てのりのは保育参観の代わりにも十分になる」という手応えを感じたそうです。

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投稿ルール②
ハッシュタグは必ず付ける
1つ目のハッシュタグは、「#〇〇〇〇組」

 大島保育園の投稿ルールの1つは、ハッシュタグ。一目でどのクラスの動画があがっているかがわかるように、必ずクラス名を最初に付けるようにしています。ハッシュタグをクリックすれば簡単にクラスごとに動画を見ることもできるので便利です。

 「日頃、てのりのにアップする動画は普段の園の様子がほとんど。この間も4歳児さん、5歳児さんが動画をアップしたんですけど、縄跳びの練習の様子を投稿しました。あとは、お誕生会といった行事の様子も配信しています」

 毎月行なっていたお誕生会もコロナ禍の今は、一つの場所に全員が集まれない状況。そこで大島保育園では、その月にお誕生日を迎える子どもたちに王冠を手づくり!王冠をかぶったうれしそうな子どもたちが園のテラスをパレードします。

 「他の子どもたちはそれぞれのお教室の窓から『おめでとう〜!』って声をかけたり、ポンポンを持ってチアリーダーみたいにお祝いしたり。子どもたちに特別感を感じてもらえるようにして、その様子を保護者の方にも見てもらえるようにしています」

 お誕生会のように、クラス担任が撮影するのが難しい行事の動画は、主に萩谷園長が撮影。保護者の方が休憩時間に気軽に見られるように、3分くらいの短い動画を撮影するよう心がけているそうです。

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投稿ルール③
言葉づかいのチェックで、先生や保護者の安心を守る

 毎回、先生たちが撮影した動画はてのりのにアップする前に萩谷園長がチェックするのが大島保育園のルールです。

 萩谷園長がチェックする項目は、次の3つ。

1)動画の内容・子どもたちの様子
2)先生たちの言葉づかい
3)動画と共にアップするコメント

 この中で、注意深くチェックしているのは「先生たちの言葉づかい」。保護者の立場から見て、「先生からこういう言葉が出るのは嫌だな」と思われてしまうような言葉はないか、念入りにチェックするそうです。

 「特にこういう言葉を使ってはいけない」という直接的な指導をしているわけではないそうですが、ただ、子どもたちの興味を引きつけたりするための、ちょっとしたつぶやきは悪気のないものであっても、誤解を招いてしまうもの。「そうした言葉づかいが見られたときは、その部分をカットするようにしています」と配慮を教えてくれました。

親子リトミック1

動画配信が「保育参観の代わり」に?
ニューノーマルな育ちの共有方法

 大島保育園では、6月に1週間、教室には入らずに外から様子を覗くスタイルの保育参観(期間中、自由に来園可)や、2〜3月には参加型の保育参観として親子で制作をしたり、子どもたちがお母さんへの手紙を読んだりと、1年の締めくくりとなるプログラムを用意していました。

 そうした中、萩谷園長が「てのりのが保育参観の代わりになる」と思ったのには、動画に写る子どもたちのありのままの表情に理由があります。

 「やはり、親が来てくれると張り切ってしまうんでしょうね。動画配信をしていると、普段の、本当にありのままの子どもたちの様子を見てもらえる。保護者からも『普段、保育園ではこんなに気の抜けた表情をしているですね』『普段の本当の姿を見られて安心する』という声をいただきます」

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 大島保育園では、動画配信を始めたことで、これまで行なっていたポートフォリオの制作も廃止。先生たちが保育の傍ら、子どもたちの成長の一瞬を撮影する難しさ、伝わりやすさ、伝えたいがために膨れ上がっていく制作時間・・・。その決断の裏には、そうした数々の課題もありました。

 「実際に動画を見てもらうことで、朝や帰りの時間に、保護者の方と『こんなふうに頑張ったんですよ』『こんなことを発見したんですよ』とお話できる方が、子どもたちの成長の様子に共感してもらえるのかなって思っています」

大島保育園様-萩谷園長2

ーー萩谷先生、取材にご協力いただきありがとうございました!

◎社会福祉法人正元会 大島保育園(群馬県太田市)
「家庭のように温かく、心と体を元気に育みます」という理念を掲げる大島保育園は定員100名程度の小さな保育園。生産者の顔も見える手づくりの給食や突然の体調不良にも対応できる病児保育室、英語や体操といった外部講師による教室など、子どもたちが安心してのびのびと過ごせる環境づくりに力を入れています。