手をさしのべる

まだまだ暑いけれど、少しずつ秋の気配を感じはじめています。天気予報で「明日の最低気温は15℃」って言ってるのを聞いて思わず「嘘でしょ」って言ってしまったけど、内地の気温はもう、すっかり秋なのですね。

先日のセッションにお越しいただいた方に、21日間のワークに取り組んでいただくようお伝えしました。このワークは私自身も体験済みのものです。
セッションではじめて出てきた、ギリギリでせきとめていたものが最後の最後で溢れ出したその方に、なるべくシンプルに、なるべくわかりやすく、そのワークの方法を書いてお渡ししたのですが。

私はとても恵まれていて、そのワークに取り組むにあたり、メンターからオリジナルのワークのテキストと道具一式を送ってもらっていました。
ワーク中はひたすら、次々に思い出される痛い記憶や、自分の中から出てきたとは思いたくないようなおぞましい気持ちと向き合い、オエーと吐きそうになりながら泣きながらもやめずに続け、21日間を終えてから数日たってから、メンターにお礼を言いました。自分のなかで整理がつくまで、ちょっと待ってあげたかったからです。

21日間、たった三週間とわかっているのに、ゴールが、終わりがくることが想像できないような闇から始まったあの旅。
あの方は続けていらっしゃるだろうか。
私の体験などハナクソみたいに思えてしまうほどの壮絶な体験をされたあの方に、私は何かしてあげられることがあるだろうか。

ご紹介で来てくださった方なので、こちらからの連絡はさしあげていません。
表面的なつきあいはそつがなくニコニコと愛想よく、しかしほんとう薄皮一枚みたいな表面的なもので、実のところは誰にも心をひらかず、、、いや開けなくなってしまったという。
しんどくなったら、連絡をくださるだろうか。
彼女に何かをしたいというより、そのワークがいかにしんどいかがわかるだけに、
伴走のようなかたちで、あるいは沿道から声かけをするようなかたちで、サポートができたらと。

でもどこかでは、連絡が来ないことを願っている私がいます。次々にあらわれるモンスターに手を下すことなく、ただひたすらに向かい合い、満了されて晴れ晴れとしたお顔でお会いできることを願っている私がいます。

手をさしのべるのもいろいろで、いろんな寄り添い方があるけれど

『何かしようとするな』
『だまってみていなさい』


師匠に言われた、これの上をいく寄り添い方はないような気がして。

私はほんとうに、恵まれている。

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