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手のひら先生の高麗手指鍼療法 36 免疫の暴走と関節リウマチ治療

関節リウマチを意識するようになったのは、鍼灸学校に通ってからでした。

そのような病気があるらしいという事は知っていましたが、日常生活で見聞きすることはなかったからです。

開業してからはさらに身近に治療の対象となりました。

最初の3から5年ほどは思考錯誤の期間がありましたが、当時でも免疫の調整方法を独自に開発していたので、治療に迷いはありませんでした。

今現在振り返っても正しい方法でした。

ただ鍼の本数による刺激度が足りないとか、自律神経の調整方法などはまだ考えは及びませんでした。

免疫システムは完成まで何億年もかかっている

関節リウマチ発症の原因は免疫異常である、と分かってきたのはこの20年ほどでした。

それまで新薬が出たと言っても根本から治すものではなく鎮痛剤にすぎませんでした。

免疫異常に対応するものとしては、ステロイド剤や抗リウマチ薬でした。

人類が魚であった何億年も前から進化とともに、免疫システムも進化してきました。

進化の途中は数知れないウイルス感染により免疫も進化してきたと言われています。

それだけの時間を費やされて完成してきたメカニズムを、現代医学が発達したとしても解決できる方法は簡単には見つからないのです。

関節リウマチが免疫異常から起こると分かったのはつい最近である

関節リウマチは紀元前4500年のアメリカインディアンの化石にも痕跡が残されているそうです。

生物的製剤ができるまでは様々な薬が出ていました。

ほとんどが痛みを抑える鎮痛剤でした。

金製剤と呼ばれるものもありました。

やがて炎症を抑えるステロイド剤が出ましたが治すものではありませんでした。

アメリカではリウマチよりも関節炎の言葉を使用されてきました。

関節が腫れたり熱を持ったりスワンネックと呼ばれるように変形したりすることから、関節炎と呼ばれていたのでした。

免疫を正常にする薬はない

NHK番組「人体シリーズ」で免疫システムを解説しています。

何億年もの間数え切れないほどのウイルス感染・細菌感染にさらされ、免疫システムがその中で進化してきたと思われます。

その免疫システムが狂い始めたとしても、複雑に積み上げられてきたシステムを簡単に修正できるような、特効薬的なものが簡単にできるとは考えられません。

そこで現れた薬が生物的製剤です。

免疫異常によって関節内の軟骨滑膜が破壊されますが、それをたちどころに修復することが出来るのです。

免疫システムを正常にすることが難しいなら、まったく働かなくしてしまうという考え方で出来た薬のようです。

最初の頃は牛の脊髄を使用したことから、狂牛病を発症する危険性を危惧されていました。

しかし数年のうちに急激に普及してきました。

ただ副作用に苦しむ患者も多く万能薬ではありませんでした。

また使われてから20年ほどになる近年では、副作用がない患者さんでもいつの間にか臓器に重篤な疾患が現れると警告され始めました。

免疫異常で起こる病気は多い

免疫は人間が備えるシステムの中では複雑でかつ重要なものです。

病名としては様々に呼ばれますが、膠原病の属する病名や、アレルギー疾患の類、さらに最近イスラエルの研究者が発表した、老化が早まったり認知症になったりする原因にも上げられています。

難病に上げられている病気の多くが免疫と関係する病気です。

免疫異常を治すには自分の身体で

先程の「人体シリーズ」で取り上げられた中に、人間の身体にはウイルスを取り込んだことで、内臓が変化または進化したと解説されています。

胎児と母体とを結ぶ胎盤なども、ウイルス感染によって新しく備わった臓器だそうです。

我々の細胞に含まれエネルギー変換で働くミトコンドリアは外界から取り込んだものです。

ミトコンドリアが酸素を取り込んでエネルギーを作り出しているものです。

このように人類は悠久の時間の中で、様々な臓器・器官・システムを作り上げてきました。

その中では作り上げる中にそれが故障したり狂い始めたら、それを修正できるフェールセーフのような装置を備えてきたはずです。

鍼灸の技術には補瀉とういう修正スイッチがある

鍼治療には補と寫と言う技術があります。

どうして二千年も前にこのようなことが分かったのか、今は分かりませんがとても理にかなった方法です。

1本の気の流れに対し、上向きに鍼を刺しもう一本を下向きに刺すことで、なぜ鍼の効果を出せるのかは当然のように治療に使っていますが不思議なことです。

免疫を整える場合私はそれぞれの進化の時代に現れた免疫調整のツボに、鍼を刺す方向を変えることで免疫は活性化したり抑制されたりしています。

この手法は今まで述べてきた人間が進化してきた時間に沿って、免疫システムも進化してきたが何か支障が起きた時に修正する装置であると考えています。

鍼治療って面白いでしょう?

私が行っている「手のひら先生の高麗手指鍼療法」は案外古くて新しい治療法なのかもしれませんね。


まとめ

1、何億年もかかって備わったシステムは治す方法も備わっている
2、薬では治せない
3、正常にできないので免疫を働かなくする生物的製剤が出来た
4、自律神経の働きも重要である
5、免疫を正常にすることは認知症予防にも働く
6、鍼灸は古くて新しい治療法か?


私のホームページはこちらです。「手のひら先生のリウマチ相談室」


次の本は「手のひら先生スタイルの高麗手指鍼療法」がどのようにして生まれたのかを書いたものです。
他の鍼灸書のようにこのツボを使えば治るというような本ではありません。手のひらのツボのことや治療法については
「高麗手指鍼講座」柳泰佑著 たにぐち書店 刊 日本語訳がありますのでご覧ください。鍼灸は見たり読んだりしても身につくものではありません。

一般の方には病気を治す鍼治療とはどういうものか理解できるように書いてあります。さらに私なりの簡単自律神経調整法を図解しております。

最後まで拙い文章をお読みいただきありがとうございました。感謝です!!

サポート頂いたら最先端の医学雑誌と、最先端の進化論本を購入し難病治療研究に役立てる予定です。