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昨日の大火事

汗が全く止まらない。拭いては汗かくという、汗腺とのイタチごっこを延々と繰り返している。

もう夏も終わって秋だというのに、どうしてこんなに暑いんだ。

冷房も効かしているのに、同時にストーブでも入れたようだ。

暑すぎて何もやる気が起きない。

暇だから友達にLINEでもするか。。。



アチッ!

火の粉が手に当たった気がした。メラメラと音もする。

間違いない。どこかでなにかが燃えている。火事だ。

どこかで火事が起きている。だからこんなにも暑いんだ。一体どこで燃えているんだ。

早く火元を特定しないと大変なことになる。こっちまで火が移ったら大変だ。自分の身を守らないと。




だが、あたりを見渡しても火事なんて一つも見当たらない。

そんなはずはない。間違いなくどこかで燃えている。メラメラと音がしている。

どこだ。

どこなんだ。

スマホでGoogleで自宅周辺の情報を検索してみた。

火事なんてどこでも起こっていなかった。



幻覚と幻聴か?知らない間にマジックマッシュルームでも食ったのか?

そういえば、思い当たる節がある。いつも藤井はCoCo壱に行ったらきのこカレーのチーズトッピングを頼む。

そういえば、この間食べたきのこカレーはいつもよりもエクスタシーなお味がして、、、、、、、って、んな訳あるかい!

一体なぜこんなにも暑くてメラメラと音が聞こえるんだ。




何が起きているのかがわからなさすぎて、スマホでLINEで誰かに連絡を取ることにした。

すると、火元はすぐに判明した。先程は気づかなかったが、火元はスマホにあった。

燃えている。メラメラと。いや、ギラギラと。いや、ドラドラと。いや、ジュラジュラと。いや、ボゴラボゴラと。

この燃えっぷりを表現するのに最適な擬音語が見当たらない。




燃えていたのは、LINEグループだった。

とある演劇祭に向けてのLINEグループが真っ赤に燃えていた。(良い意味で)

さっき、この演劇祭の作家チームとプロデューサーチームでたくさん打ち合わせをした。

いろんな意見が出て、ようやく意見がまとまった。

こんなにも全員がきちんと自分の意見を発信して、それに全員が耳を傾けて、一つのコンセンサスを形作っていけたことが、今までのYCAの活動で一度でもあっただろうか。

「良い作品を作る」その決意のもとに全員が一致団結していた。

自分たちの作品で「お客さんを感動させてやる。」「一生の思い出にしてやる。」

その決意の炎が大きく真っ赤に燃えていた。




藤井一人ではない。メンバー全員の心に決意の火が灯っていた。

一人一人の心に灯った小さな火は、話し合いを進めるうちに次第にどんどん大きく燃え上がってゆき、やがて互いの炎が重なり合って、一つの大きな聖火のようになっていた。

この火は必ず届けねばならない。オリンピックのように世界の平和を願う火ではない。

この火は自分自身を表現したいという気持ちと、お客さんを感動させてやるという決意の火だ。

絶対に届ける。ランナーなんていらない。俺たちが聖火ランナーだ。最高の作品を届ける。

自分たちが灯す火なんて、吹いたらすぐに掻き消されることぐらいは百も承知だ。

ただ、俺たちは一人ではない。チームだ。仲間がいる。

全員で灯したこの火が簡単に消えることなんてありえない。煉獄さんが17人いると思ってくれたらいい。




だが、気持ちだけではダメなことぐらい全員わかっている。

だから、全員で誓い合った。どんどん意見を出し合っていこう。

少しでも作品の完成度を上げる余地があるならば、その努力は怠らないようにしよう。

お互い改善点があるなら言い合って、譲りたくないところがあるならばもっともっと主張しよう。

そうすることでしか良い作品なんて生まれるはずがない。




もちろんチームで作品を作る上で大切なのは、それぞれが意見をぶつけ合うことだけではない。

忘れてはいけないのは、お互いに思い合う心だ。これだけは絶対に忘れてはならない。

このことを、誰よりも自分自身に口酸っぱく言い聞かせている。

他の誰よりも発言することに対する恐れがないのは藤井の長所でもある。

一方で、他の人を萎縮させてしまったり、傷つけてしまったりしないように細心の注意をしなければならない。

もし、藤井が意見をぶつけ合うことの意味を履き違えて、チームの誰かを傷つけたりした際は、容赦無くネットに顔面を晒していただきたい。




頑張ろうという気持ちを全員と共有することができて、これまで抱いていた不安は少しずつ自信に変わっている。

まだまだ不安なことだらけではあるが、全員で力を合わせて、たくさん頭を使えばきっと良い作品に仕上がるだろう。



みんな、一緒に頑張りましょう!


( 藤井 まだ寝てなかったんかい )

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