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質問046:「絶対に勝つ」っていう気持ちは大事?

コーチに、「絶対に勝つっていう気持ちが大事だ」と言われます。
そういうのはまずいのでしょうか?

回答
「絶対に勝つ」っていうのは、「やっつける」思いです。
「勝つ!」「勝たなきゃ!」「負けられない!」

どこか、悲壮感、切迫感が漂うのです。
つまり広義では「怒り」の感情です。
「怖れている」とも言い換えられます。

ゆえに、「絶対に勝つ!」と奮い立つ人の体内では、ストレスホルモンのコルチゾールやノルアドレナリンが過剰分泌。
脳波は、落ち着きのないベータ波支配です。

これでは、ベストパフォーマンスを引き出すのは難しいのです。

ベストパフォーマンスというのは案外、「感謝の気持ち」や「穏やかな心」「対戦相手との仲間意識」「敬う姿勢」「慈しみ」「楽しみ」「充実感」といった、「戦い」からは関連づけにくい要素から生まれます。

放出されるホルモンは、幸せを司るセロトニンやオキシトシン。
脳波は、集中力の高まるアルファ波支配です。

この心と脳の、一般的な印象とは反対の働きにより、多くの人々が勘違いをし、ベストパフォーマンスを発揮できずにいます。

絶対に試験に受かる!」と意気込んだところで、受かるわけではありません。

むしろ複雑な計算式の問題を解いている最中に、もしもそんな考えが一瞬でもよぎったら、1からやり直しにもなりかねず、かえって受からないのです。
また不安だから、よぎるのです。

テニスも同じです。
ボールに集中している最中に、一瞬でも「絶対に勝つ!」、そんな思考がよぎったら……。

こちらで話題にしました青山学院大学陸上競技部・原晋監督の「ワクワク大作戦」、そして2023年今夏の甲子園を制した慶應義塾高校野球部・森林貴彦監督による「エンジョイ・ベースボール」。
 
どこに、悲壮感、切迫感が漂うでしょう?
勝つという「結果」ではなく、競い合う「プロセス」そのものを、心から楽しんでいる印象です。

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(テニスゼロ)
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