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テニス上達メモ025:できないのは、苦手なのではなく、単に慣れていないだけでは?


バックハンドが苦手って本当?

特にテニス初級者のうちは、バックハンドに苦手意識を持つ人が少なくありません。

いわく「力が入りにくいから」。
いわく「日常生活にない動作だから」。

とはいえテニス上級者になると、「フォアよりもバックのほうが得意」「安定する」という逆転現象がよくささやかれます。

苦手意識の原因は先述したとおり、「バックは力が入りにくいから」が、特に片手打ちだと多そうですけれども、フォアのスイングが「押す」とすれば、バックの「引く」力のほうが、バイオメカニクス的にはよりパワフルです。

学生時代、体力測定の背筋力テストで、200kgとかいったクラスメイトもいました。

ノコギリの刃が押すときよりも、引くときのほうがより切れるようにデザインされているのは、バイメカとしての理にかなっているからでしょう。

単に「慣れていないだけ」 

力は、入るのです。
引く動作は、日常生活にも皆無ではありません。

だとすれば「苦手」というよりも、単に「慣れていない」だけではないか、と疑われます。

「苦手」と「不慣れ」の混同。

大勢の人前で話した経験が少ないなら、それはスピーチが「苦手」というよりも、スピーチに単に「慣れていない」だけ。

料理を数回しか作ったことがないなら、それは料理が「苦手」なのではなく、単に「慣れていない」だけ。

私は基礎的集中力を高めるためによく、「モノを捨ててみては?」と提案します。

そうすると「私、捨てるのが『苦手』なんです」と返ってくるケースが少なくありません。

よくよく聞くとそういう人は、捨てるのが「苦手」というよりも、自ら積極的に捨てるという経験をあまりしてこなかったのであり、単に「慣れていない」だけだったりするのです。

本当の苦手は?

本当の苦手というのは反対に、経験をすればするほど、下手になったり苦しくなったりすること。

たとえば会えば会うほど嫌になる人がいるとすれば、それは本当の苦手なので、距離を置くのが無難です。

あるいはテニスでは、フォアハンドを打てば打つほど苦しくなるイップスは、本当の苦手でしょう。

「苦手」なのか「不慣れ」なのかを峻別して、取り組み方を工夫する必要があります。

これでデフォルトの集中力が上がる

ところで話が逸れますが、「捨てと基礎的集中?」「何の関係があるの?」といぶかる向きもあるかもしれません。

それについても付言しておきますと、目に入るモノが多ければ多いほど、認識するための脳のメモリが費やされます。

考え事も始まります。
「賞味期限が近い……」だとか、「この服はずいぶん着ていない……」だとか「この部分が汚れている……」だとか。

この、意識があちらこちらへ移ろう無知の煩悩こそ「集中の対局」なわけですね。

「モノが目に入るくらいどうということはない」と思う人もいるかもしれませんけれども、さにあらず。

その逆で、捨ててモノを少なくすると、脳のメモリを浪費せず、考え事に意識もさまよわせずに済むから、基礎的な、デフォルトの集中力が上がるのです。 

「平床寝台」効果

捨てるのに慣れていないうちは、抵抗感を覚えるかもしれません。

私はほとんどモノを持っていませんが、それでもゴミではなくまだ使えるものを捨てるシーンでは、抵抗感にさいなまれるときもあります。

それでも思い切って捨ててみる。

その効果は、単にモノがなくなって片付くだけではありません。
先述したとおり、デフォルトの集中力が上がるのです。

捨ててしまえばほとんどの場合、「何であんなモノを持っていたのだろう」という思いに至る。

私はベッドはもちろん、布団やマットレスなどの寝具も持っていません。

寝るのは、いつもよく磨き上げている床。
年齢や体格など人によるでしょうけれども、私は「平床寝台」効果で背筋が伸び、おかげさまで健康です。

アラフィフにありがちな腰痛や肩こりなどとも、一切無縁です。
 

「それってフォアよりたくさん打ちましたか?」

冗長になりました。
話をもとに戻しますと、苦手だと思っている物事のなかには、単に「慣れていない」だけ、という経験不足が少なくありません。

初級者であれば「バックハンドが苦手」、中級者であれば「スマッシュが苦手」「ドロップショットが苦手」とは言うかもしれないけれど、「それってフォアよりたくさん打ちましたか?」というお話。

単に慣れていないだけであれば、フォアの乱打の数や時間は減らして、バックハンドやスマッシュ、ドロップショットの経験を増やす。

繰り返しになりますが、重たくて移動できないとか、書類の内容が理解できなくて処分できないとかでなければ、「捨てる」なんて、本当は誰でもできます。

単に慣れていないだけ。

それと同じようにテニスのショットも、「苦手」なのではなく、単に「慣れていない」だけなのかもしれません。

苦手意識と捉えると気が重くなりますが、単に経験不足でできないのであれば誰でもそうなので、ならば、経験を積めばいいだけの話です。

即効テニス上達のコツ TENNIS ZERO
(テニスゼロ)
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スポーツ教育にはびこる「フォーム指導」のあり方を是正し、「イメージ」と「集中力」を以ってドラマチックな上達を図る情報提供。従来のウェブ版を改め、最新の研究成果を大幅に加筆した「note版アップデートエディション」です 。https://twitter.com/tenniszero