概日リズムから知る睡眠の重要性
概日リズムをご存知でしょうか。
聞き慣れない言葉かと思いますが、簡単に言うと生活リズムになります。
よく昼夜逆転すると言いますがこれは身体の中で出てくるホルモンのリズムが乱れてしまっている事が原因です。
この概日リズムは睡眠とも関係がありスポーツに関わらず、とても大切なので本日は概日リズムから考える睡眠についてアウトプットしていきたいと思います。
恒常性(ホメオスタシス)
概日リズムと睡眠について説明する前に知って頂きたい言葉として恒常性(こうじょうせい)
別名ホメオスタシスという言葉があります。
恒常性とは
" 身体の環境を一定に保つ"
という仕組みがあります。
例えるとしたら平均体温をイメージして頂けるとわかりやすいかもしれません。
平均体温が37度の方がいたとします。
その方の体温が38度になった場合、身体が汗をかいて熱を外に追い出し、元の37度に戻そうと頑張ります。
また逆も一緒で36度になった場合は鳥肌を立てて熱を身体の中に留めようとしたり、ブルブルと震えることで筋肉を使って身体を37度に温めよう頑張ります。
このように、身体が自分にとって適切な環境に保つ仕組みの事を恒常性と呼びます。
内分泌系(ホルモン)
こちらは概日リズムと睡眠を考えて頂く上で必要な知識になりますので、しっかりと覚えていきましょう。
ホルモンは先程の恒常性を維持する為の道具のようなものになります。
例えば先程の体温の話でいくと、体温が下がった場合には甲状腺と呼ばれる喉周辺の器官から甲状腺ホルモンを出します。
この甲状腺ホルモンが出ると身体の代謝を促進させて熱を生み出し、体温を上げてくれます。
この様に身体の環境の変化に対して一定に戻す為に使う道具の様なものが身体の中には複数あります。
そして、中でも概日リズムで重要なホルモンを紹介させて頂きたいとおもいます。
成長ホルモン
成長ホルモンは下垂体前葉と呼ばれる場所から出るホルモンで血糖値を上げてくれる等の複数の働きがありますが、主な働きとしては身体を作ってくれる骨組み建築作業をより促進させる事です。
メラトニン
メラトニンは松果体と言われる場所から出るホルモンで、このメラトニンが出る事で概日リズムである生活リズムを調節しています。
糖質コルチコイド
糖質コルチコイドは副腎皮質から出てくるホルモンで身体の中のタンパク質や脂肪を糖に変化させる働きを促進させて血糖値を上げる働きや胃酸の分泌を促進される働きがあります。また糖質コルチコイドはストレスとも関係がありとても重要です。
概日リズムとホルモンの関係
先程ホルモンは
恒常性を一定に保つ為の道具と説明しましたが、実はホルモンには1日のうち分泌する時間帯がある程度決まっています。
それぞれ分泌するホルモンの時間帯は異なりますが一定なリズムがあるため、専門用語では概日リズムと呼んでいます。
概日リズムでの睡眠のメカニズム
上記の図は先程あげたホルモンが就寝の間に分泌が行われる時間帯をグラフにしたものです。
よく見てみると、
深部体温(ピンク線)
↓
メラトニン(緑線)
↓
成長ホルモン(赤線)
↓
コルチゾル: 別名 糖質コルチコイド(青線)
の順番で上昇しいる事がわかります。
詳しく書くと
先ず深部体温は日中は高く就寝にかけて下がっていく傾向があります。
そして就寝後にメラトニンの分泌が高まります。
(ここで概日リズムを調節を行なって生活リズムを整えています。)
その後、成長ホルモンの分泌が高まります。
(この時タンパク質を作ったりを促進させて身体の骨組みとなる部分を整えます。)
※また成長ホルモンは22時頃から分泌が上がると考えられています。
そして就寝中の後半に糖質コルチコイドの分泌が高まります。
グラフをよく見ると、実はこの時に糖質コルチコイドの分泌が高まると同時に、成長ホルモンの分泌と体温がかなり低下しています。
体温が低下しているということは、
身体に送る血液も低下している事になります。
血液は身体の栄養である糖を運ぶ働きがありますが、就寝中は体温が下がり上手く身体に栄養が運べません。
このまま朝起きてしまうと低血圧や貧血になってしまうリスクがあがってしまいます。
その為、糖質コルチコイドが分泌され、血糖値の上昇を促進される事でそれらのリスクを防いでます。
これらの大まかなメカニズムで普段の睡眠中の概日リズムは行われています。
概日リズムの重要性
これらの概日リズムはとても重要だと僕は思っています。
例えば、夜更かしをして、成長ホルモンの分泌が低下すれば、身体の骨組みは弱っていきやすくなっていきますし、糖質コルチコイドの分泌は胃酸の分泌を促進させ、胃潰瘍にも繋がっていく可能性があります。
概日リズムを整えるには
概日リズムはメラトニンが調節をしてくれています。
このメラトニンは太陽によって分泌が低下すると言われています。
裏を返せば太陽の光を受けない状況では分泌しやすい事になります。
つまり就寝の際に電気をしっかりと消して携帯電話の使用を無くす環境を作れると概日リズムが整いやすい事となります。
まとめ
概日リズムを上手く調節する事ができればテニスでのコンディションを整えるベースが作りやすくなると思います。
また一般の方々にとっても、身体の調子を良くしていく上で大切な部分になっていくかと思います。
僕もそうですが、やはりその日のスケジュールによってはなかなか生活リズムを整える事は大変ですが、出来るだけベストな状態には近づける工夫は必要かなと感じます。
出来るだけ自身にあったベストな状態に近づく為に一緒に頑張っていきましょう。
そんな記事を書いてるのが夜中の3時頃です。。
頑張ります!!笑