見出し画像

B’z LIVE-GYM Pleasure2018HINOTORI in 豊田スタジアム2日目

9月6日豊田スタジアム初日で大きな危機に直面したB’z・・・そこから2日後のライブでは、危機に際してのB’zというバンド、それを支えるスタッフ、そして稲葉さんの底力を見ることとなりました。

1日目のライブについてはこちら↓
https://note.com/tenmomo/n/n738d51d59c4d

以下、当時の自分のブログよりー

9月8日。
ライブ前は雨が降ったりやんだり。しばらくザっと降った後、豊田スタジアム上空に大きな虹がかかりました。
これはきっと、良い予兆。

ライブ前に雨はやみ、開演を待つ会場。が、なかなか始まらない。いつもならそんなに遅れないのに、この日は20分以上待ったと思う。9/6のアンコール待ちが嫌でも思い出されて、やはりまだ…と不安が募る。

この日の開演が遅れたのは、実は雨による機材トラブルが原因だったことが後の会報で判明しました。稲葉さんは「開演が遅れてるの、みんなオレのせいだと思ってるよね。オレ、みんなに心配ばっかかけているから」と気にしていたそうで・・・
ごめんなさい!私も完全にこの遅れは稲葉さん待ちでは?と思ってました~

しかし始まってみると順調な滑り出し。
でもまだ前のライブのことがあるからどうしても疑心暗鬼。本当に大丈夫だろうかと、ついいつも以上に注意深く耳を澄ませてしまう・・・
すると聞こえてきたのは、艶やかで、かすれも曇りもない美しい歌声

まだ完全には回復していない、という自覚があったのでしょう。「光芒」は回避。ありとあらゆる安全策が講じられたことが明らかとなりました。
セットリストから3曲削減。エキストラ演出はアンコールから本編ラストに変更。これだけの規模のライブで多くの変更を中1日で遂行した対応力はさすが。そこに全メンバー・スタッフの、このライブを絶対に成功させる、という並々ならぬ決意が感じられました。

セットリストから削除されたのは「光芒」「イチブトゼンブ」及び、前日と同じくアンコール2曲目。本編ラストの「Pleasure」にてエキストラ演出がありました。
「光芒」は素人が聴いても難曲とわかるけれど、定番曲の「イチブトゼンブ」が実は歌いづらい(と稲葉さんが感じている)ことが意外な発見。

そして最後にカギを握るのは、ボーカル稲葉浩志の声の復活です。

30年の経験で培った技術と執念のすべてが注ぎ込まれた歌声。いつもなら勢いに任せて突っ走るところでも、軽くブレーキを踏みつつ、一音一音丁寧に、大切に、心を込めて客席に贈られた美しい歌声。
その歌声を受け取ることができて本当に幸せでした。

きっと自分の喉という楽器でもっとも滑らかにクリーンなトーンが出せる歌い方、そしてできるだけ喉に負担がかからない発声を慎重に探りながらだったのでしょう。
その声は最後まで枯れることなく伸びやかでした。

いつもに比べたら迫力がない、とも言えるし、曲数が減ったことで損した、と思う人もいるようですが、あの日のあのライブでしか聞けない至極の歌声に気付かなかったとすれば、本当に気の毒でなりません。
前のライブの最後、「歌で返します」という約束がまさかこんなに速やかに、こんなにも見事に果たされるとは。

松本さんもこのライブが素晴らしいものとなったことが嬉しかったんでしょう。この日から始まった、最後のグラサンずらし&ウインク!予想外のプレゼントに会場大盛り上がりで幕を閉じたのでした!!

1日目の終わり、稲葉さんは自分の不調を謝りながら「歌で返します」と言ってくれて。まさかそのたった2日後にもうお返しがいただけるとは思ってもみませんでした。

もしこの3日間のライブでどれかひとつだけ音源が聴けるとしたら、私は迷わず2日目を選びます。
この日の歌い方は、1999年からライブに行くようになって初めて耳にしたものでした。年月とともにその歌声自体の記憶はだいぶ薄れてしまっているけれど、そのとき心に刻まれた驚きと感動は今も鮮やかに残っています。

1日目は力んで声を押し出す、がなるような歌い方。そういう感じもワイルドで格好良いんだけど、喉にも体にもとても負担がかかりそうだった。
2日目は真逆で、一音一語を大切に丁寧に歌うきめ細やかな歌唱だった、と当時の自分は強く語っている。

きっと稲葉さんは、いつまた状態が悪化するかわからない中で薄氷を踏むような思いだったはず・・・自分の声と体調に神経を尖らせ、どこまでなら出せるのか、どうすれば最後まで声を維持できるか探りながら。
その状況下で出来る最大限のパフォーマンスを見せてくれて、結果的にそれがかつてないほど細やかで美しい歌声となって心に響いたのだと思います。素人の想像ですが。


稲葉さんの歌以外にも、この日のライブでは個人的にとても印象深いことがありました。

1日目はアリーナ中央の埋もれ席、2日目はスタンド4階、天井に近い席。
豊田はすり鉢状のスタジアムで、スタンドはかなりの急勾配となっています。最上段は5階で、私はそのすぐ下。さすがに今日はハズレ席、と当初は落胆したのですが・・・

歌声に花を添えたのが、スタンド高所から見るすばらしい眺め。

まず上から見るセットとライティングの美しさ。
豊田スタジアムはそのセットの上の壁と屋根の間にかなり広い隙間があって、私の席からだとその隙間から町の夜景と高速が見える。
華麗なステージの輝きと、それを縁取るリアルな町と車の明かり。計算では決して作ることのできないその不可思議で夢のような光景を、おそらく生涯忘れることはないでしょう。

都会の夜景ではなく、普通の家の窓からもれる灯と家路に向かう車列のライト。その下にキラキラとまばゆい翼を広げるHINOTORIのステージセット。陽が落ちるにつれ際立つ、日常と夢まぼろしが同居するシュールな美しさ。今も忘れることはありません。


こうして危機を乗り越えた2日目。豊田でのライブは残り1日となりました。
最終日についてはこちら↓
https://note.com/tenmomo/n/n12cfb90b3361


この記事が気に入ったらサポートをしてみませんか?