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B’z LIVE-GYM Pleasure2018HINOTORI in 豊田スタジアム1日目

2017年末に引き続き、2018年9月地元愛知公演の直前にまたもや異変が起こったことで、さらなる凄絶な復活劇を目の当たりにしてしまった・・・というお話。

2017年DINOSAURツアーについてはこちらhttps://note.com/tenmomo/n/nae021d01a4ef

B’z30周年を祝す LIVE-GYM Pleasure2018HINOTORIは7月からスタート。
終盤に入る9/1福岡ヤフオクドームで稲葉さんの喉の不調により一時中断という事態が発生。しかし再開したライブは最後までやり遂げられた。この模様はライブ映像のドキュメンタリー盤で見ることができます。
つづく9/2の公演は中止も中断もなく無事終了。

その4日後の9/6(木)が豊田スタジアム3daysの初日でした。

私はこの地元ライブ3日間に参加したのですが・・・あまりに衝撃を受けて、その時の出来事や自分の気持ちをブログに書き殴ること計1万語ほど。吐き出さずにはいられない思いがあふれかえって止まらなかったようです。

以下、当時の自分のブログよりー

またすごいものを見てしまった。見せられてしまった。
レディクレ後のナゴヤドームといい、今回の福岡後の豊田スタジアムといい、どうして名古屋(愛知県)に来るときはこんなとんでもないドラマが起こってしまうのか!?

福岡1日目で稲葉さんの喉が絶不調だった件はネットで把握。
「歌いたい、でも自信はない」「皆さんには頼りません」「厳しい目で見てください」。赤裸々に観客に語り掛け、その後は調子を上げて最後まで歌い切ったこと。「すごいね」という松本さんの賞賛の言葉。2日目はだいぶ復調していたこと。

そのことを知ってもちろん心配はしたけれど、それほど動揺はしなかった。昨年末、たった中1日であそこまでの復活劇を見せてくれたことは記憶に新しい。彼らがやると決めた以上、B’zを信じて、素直に思いきり楽しむ心構えだけしていけばいい。

そして迎えた9月6日。天候は曇天。夏の野外ライブとしては絶好の日和です。

ライブ開始。
稲葉さん、ちゃんと声出てる!よしっ、今日はもう大丈夫なんだ。
そして6曲目。福岡ではカットされた「光芒」のイントロが流れた瞬間、「ああ、この曲を歌い切る自信があるんだな」とさらに安心した。

ところが後半から徐々に様子がおかしくなる。声がかすれたり、出しづらそうだったり、水を飲む回数が増えたり。咳き込む音がマイクに入らないように必死に顔を背ける姿も。
それでも何とか持ちこたえて、最後は笑顔で終わってくれるだろうと思っていたのです。その時が来るまでは。

状況が一変したのは本編ラスト曲の前のMC。
しゃべりだしから声が出しづらそうでたどたどしい。いや、MCがたどたどしいのはいつものことだけど(←オイ)いつもと違うのは、言葉が出てこないというより、咳き込みそうでしゃべれないという感じ。

そして突然稲葉さんの口から出た言葉。
「万全じゃなくてごめんなさい」

その瞬間、エンターテイメントショーが終わり、ドキュメンタリーの幕が切って落とされたのでした。
「Pleasure」を歌い終わってステージを後にする時の、笑顔の消えた稲葉さんの厳しい横顔が忘れられない。これはただ事ではない、と感じた。

今でもはっきり覚えています。本編が終了してステージ袖に向かう時、一瞬スクリーンに稲葉さんの横顔が大きく映し出されて・・・
忘れることのできない厳しい表情。単に悔しい・つらいという以上に「自分のことをものすごく責めてる顔」だ、と思いました。

そしていつまで待っても始まらないアンコール。
ウェーブがひとしきり終わって、場内では拍手の音が鳴り響く。稲葉さんが休んで回復するものならせかしたくはない。けれど会場が静まってしまったら、数万人の観客の不安が暗闇の中で膨れ上がっていくに違いない。揺れる心で手拍子をしたりしなかったり。

長いインターバルの後、ついに2人が姿を見せた。

稲葉さんはやはりしゃべりづらそう。「Brotherhood」は本当にきつそうで、いつもは力強いサビの部分で全然声が出ない。
2コーラス目のサビでは私もできるだけ大きな声で歌った。いつもだったらサビで大声で歌うやつ最低、と思うところだけど、今回は特別。おそらく多くの人が同じ気持ちだったのでしょう。みんなのコーラスが下支えとなって、それはそれで感動的なBrotherhoodになった。

サブステージからメインステージへの移動の時、稲葉さんが少し足を引きずっているように見えてぎょっとした。階段を上るのもつらそう。ライブ中にそんな弱々しい姿の稲葉さんを初めて見た。

それでも何とか「RUN」を歌い切りライブは終わった。首に金テープを巻いた瞬間ちらりとほほ笑んだけれど、稲葉さんにいつもの笑顔はなかった。

そんな中でも、普段と変わらぬ柔らかな笑顔を観客に投げかけていた松本さん。サングラスの奥にはどんな眼差しが隠れていたかわからないけれど、ひとかけらの不安も漏らさない堂々たる演奏と姿に観客の気持ち、そして稲葉さんも支えられていたと思う。

B’zのライブの帰り道をあんなにもやもやした気持ちで過ごしたのははじめてだった。いつもなら台風一過の青空のように清々しく晴れやかな心で辿る家路。それなのに…大好きな人のつらい顔・苦しそうな姿ばかりが浮かんで胸が締め付けられる。

冷静に振り返れば、本編に関しては十分楽しめるレベル。明らかにまったく声が出てなかったのはアンコールの2曲のみ。スタジアム初日だった私にはエキストラ曲が切られたこともその時点ではよくわからなかった。

周りでは、すごく良かった!楽しかった!という声もたくさん聞かれたし、決してダメなライブということはできないと思う。
それでも、個人的な印象としてはどうしても、DINOSAURの時のように尻上がりに良くなるのと、今回のように最後に失速するのではまるで違う。それまでの楽しさが最後のもやもやで埋め尽くされてしまった。

そんな気持ちのまま帰宅して、ふと思い出したのはアンコール後の稲葉さんの言葉。
「皆さんのエネルギーに甘えさせてもらいました」って。
そうか、私、稲葉さんに甘えられちゃったのか(何万人のうちの一人だけど)。なんか悪い気はしない。これはなかなかないことだよね、となぜかニヤニヤしてきた。

次のライブ、もしまた助けが必要なら全力で応援するし、厳しい目で見ろというなら最後までしっかり見届けよう。最終的にそのような心持ちで2日後のライブを待つこととなりました。

このツアーでエキストラ参加曲があることは事前にファンクラブで告知され、希望する会員は参加したい公演に応募するというシステムでした。
私は応募しなかったので詳しくはわかりませんが、ライブを見ることはできず舞台裏で待機、その曲の時だけステージに上がって盛り上げる、という段取りだったようです。

当日どれくらいの人が集まっていたかわからないけれど、他の日を見る限りかなりの人数だったことは確か。本来ならアンコール2曲目(「愛のバクダン」または「ギリギリchop」)で登場するはずだったのに。
すでにエキストラが待機している状態でその曲を断念し、アンコールはBrotherhood、RUNの2曲のみ・・・この決断をせざるを得ないほどの異常事態であったことは明らかです。

のちにこの公演のエキストラ参加者のはなしをネットで読みました。

エキストラ参加曲がなくなったことを告げられらた参加者は、落胆しながらもそのまま静かに解散していったとのこと。
遠方からわざわざ来た人もいたと思われますが特に混乱はなかったようです。少なくとも私のような一般の観客が不審に思うようなことはありませんでした。
やるせない気持ちを飲み込んで静かにその場を去った方々に、いち観客として心から感謝したい思いです。

ファンクラブからこの件についての言及はありませんでしたが、この方々には翌年のWhole Lotta NEW LOVEツアーチケット抽選時にメールが届き優遇措置があったそう。それをSNSで知ってすごく嬉しかったです。


では、実際にこのライブで何が起こっていたのか。
レディクレの時と同様、ツアー終了後の会報119号インタビューで稲葉さん自身が語ってくれています。

福岡2日目でも十分には復調せず「気管支に炎症があるみたいな感じで」東京に戻って病院受診、炎症を抑える処置をした。そして・・・
「名古屋の初日に、前半で呼吸困難みたいになって、酸欠ですよ」
「その日最後までやって本当にもう倒れそうになっちゃったから」
「またすぐ名古屋でも病院に行ったら、喘息の発作が出てるって言われて」
「その時点で、土日公演もあったから、厳しいんじゃないかみたいな話をスタッフともしていて」

私が異変を感じはじめたのはライブ後半からでしたが、すでに前半からかなりギリギリの状態だった!というのは驚き。おそらく技術・体力・精神力すべてを振り絞ってなんとか本編終盤まで持ちこたえていたのでしょう。

そして豊田初日の直後、それまではっきりわからなかった不調の原因が明らかになった。
この時点では土日公演は中止もやむなし、というところまで・・・

しかし喘息の処置をして「薬が効いてきた兆しがあったので」、なか1日で豊田スタジアム2日目のライブは決行されることになったのです。


2日目のライブについてはこちら↓
https://note.com/tenmomo/n/n9ee225d764da

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