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天空のストラーダ第二巻…峠の茶屋。

天空のストラーダ第二巻より一文。

快晴の休日。


ぼくらは相模湾を望める峠の駐車場にいた。


激しい荒波がカモメに割って入る。


どっちもどっちで遊んでいる。


ぼくはそれに合わせて、つま先で地面を突ついた。


綾も口を尖らせ口笛吹いた。


海を挟んだ向こうは三浦半島だ。


真んなかあたりに、白いヨットが2隻浮かんでいる。


けれども、綾は、あれは真鶴半島だと言い張った。


手が届きそうに見えるけど、あれは遠い三浦半島と説明した。


綾はそれを聞くと悔しそうな顔をした。


そして、背伸びをしながら手をいっぱいに伸ばした。


それも、何回も三浦半島をつかもうとした。


「そんなに遠くないよ。ホラ、ね」


手のひらには、なんにもありゃしなかった。


その手を引っ張りながら綾をCB550のリアシートに乗せた。


ぼくらは、三浦半島に向かって峠をくだった。


しばらく走ると、
あんなに近くに見えた三浦半島があとずさった。


走れば走るほど遠くになって、しだいに淡く消えた。


<http://tekustrada.jp/・倉嶋>

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