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インタビュー010 小原泰子様

まだまだ迷走中と
たくさんの絵本に囲まれながら
よりよい場所を目指す小原泰子さん。

絵本処…
移動絵本屋てくてく…
明るく楽しく軽やかに
絵本と人とを結ぶてくてくさんこと小原さんです。

戸田)いろいろな絵本協会がありますが、
てくてくさんは絵本セラピスト協会のセラピストですよね。

小原)そうです。
大人の方に絵本を通して個々の価値観の違いを
認識してもらうワークなどを行っています。
2011年3月11日東日本大震災の日
絵本セラピスト協会の代表の本の出版日だったのです。
ちょうどそのころ学校などで読み聞かせをしている時期で
子どもが中学生の頃不登校になったとき
絵本が心の拠りどころになったこともあって
その力は小さな子どもだけのものではないと気づきました。

戸田)そうだったのですね…

小原)絵本の力を目の当たりにして
もう一度関連書籍を読んでいましたら
絵本セラピスト協会代表が書いた
「絵本は心の処方箋」という本に出会って感銘を受け
2015年にセラピストになろうと思い
2019年に受講しました。
子育てサークルで読み聞かせをしながら
これをどうにかしてお母さんにできないかなと思っていました。
自分も元気がないときは絵本を開きたくなるし
子どもも絵本から離れることはなく
お勧めの本などを教えてくれたりもしました。

戸田)ちなみにお子さんが心の拠り所としていた絵本は
どんな絵本ですか?

小原)「ラチとライオン(戸田もチェックしてみましたが、泣きました)」です。
子どもたちに長く読み継がれている、ハンガリーの絵本です。
子どもの読み聞かせは10年ほど続けました。

戸田)そんなに長くされていたのですね。
私もしていたことがありますが
子どもが学校を卒業するころ4~5年で辞めてしまいました。

小原)私も子どもが卒業するまでですよ。
ただ自分の子どもたちは絵本に関する思い出話などをしてくれるので
読み聞かせしてよかったなぁと思っています。

戸田)ご自身が気に入っている絵本ってありますか?

小原)いっぱいあり過ぎて(笑)
ちょっと前までは「今日はパン焼き」という
読むと気持ちが晴れやかになる本が好きでよく読んでいたのですが
絵本セラピーを習いに行ったところで読み聞かせてもらった
「しあわせになあれ」と「ネコリンピック」かな。
このネコリンピックはうちで一番売れている絵本です。
自由な猫たちの
大人が言ってもらいたいキーワード満載の絵本。

戸田)チェックしてみますね。
私は「ちいさなくれよん」が心に残っています。
自分が小さくなっても人のためになるならいいやと
身を粉にして働いて最後に星に向かって飛んでいくという(笑)
私も何か人のためになることが出来たらいいなと思っていて
このてんこ盛り倶楽部も自分が何かをしたいというより
人と人とのつながりが出来て
そこから何か生まれたらいいなという思いから作りました。
私自身もいろいろな方の力を借りて生きているので…。

小原)うんうん、そうですね。
 
戸田)さて、絵本セラピストよりも前に
保育士や介護福祉士の資格を取られていたということですが
そういうお仕事をされていたのですか?
 
小原)毛呂山の社会福祉法人で働いていました。
ハンディキャップのある方々のお世話で
閉鎖的でなかなか衝撃的な現場ですけれども。
同じ世代の利用者さんのお世話をしていると
もしかしたら逆の立場だったかもしれないという感覚になり
粗雑にはできないと切なく思いました。
 
戸田)また年配の方の介護とは違う切なさがありますね。
そもそもどうしてその道に進んだのですか?
 
小原)高校進学の時に友人と一緒に直感で(笑)
本当は保育に進みたかったのですが
介護士をすすめられて「いい」と!
 
戸田)お給料も高くないし大変な職場だと思います。
志がないと続かないかと…。
それを経て絵本セラピストを取って
福祉の方は辞められたのですか?
 
小原)中途半端で辞めたくなくて
少しだけお手伝いはしていますが
絵本セラピストの方を取りました。
ときがわにある起業支援センターで
お仕事しながら小さく起業している方が他にもいるので
その方にいろいろ聞いてみたらとアドバイスいただきました。
フルに働きながら本業が休みの日に本屋を開いている方です。
こんな働き方がOKなら自分にもできると思いました。
 
戸田)スキを仕事にする…。
いろいろな働き方がありますね。
 
小原)ただ絵本屋を開くにしても物件を借りると家賃がかかるし
絵本がそんなにバンバン売れるとは思わなかったので
どうしようかと思っていたら夫が
「車で移動しながら本を売っている人いるよ」と
ブックトラックの記事をネットで拾ってくれて「コレだ!」と。
キッチンカーをどこかで見て
絵本だけでなくハーブティーを提供できればいいなと
そのスタイルに落ち着きました。
起業相談に行ってから半年くらいの話です。
 
戸田)流れに乗ったのですね。
資金はどうされましたか?
 
小原)私の退職金です。
 
戸田)おぉ~!
それで夢を叶えたのですね。
旦那さんも同意してくれてよかったですね。
 
小原)いつもは反対するのに(笑)
この年はなぜか「いいよ」と言ってくれました。
子どもたちの巣立ちもありましたし
結局実店舗も借りましたし。
 
戸田)え~っ。スゴイ!
タイミングですね~。共時性。
ますますやりたいことができるようになったのですね。
これからのてくてくさんに注目です。


 
ここまでが2021年の小原さんでした。
ちょうど一年後の2022年3月のインタビューです。
 
 
戸田)ときがわ町西平に実店舗を構えて
どのくらいになりましたか?
 
小原)次の7月に2年になるので
今後どうしようか考えています。
イベントがないとほとんど人出がなくて…
2Fも使えてとてもいい場所なのですけど。
 
戸田)更新。考え時ですね。
 
小原)この場所があったからこそのご縁もあるのですが
イベントにも出ているし
誰も来ない店舗がこのままどうしたらいいかと。
 
戸田)わかります。
北坂戸の駅前でさえイベントがないと誰も来ませんから(笑)
あの場所もカフェだけではやっていけません。
本業のデザインのお仕事があるから続けていけるのです。
 
小原)コンセプトとしては大人の方に絵本を手に取って
ゆっくり選んでもらう場所ということでピッタリなのですが
そんなにたくさん売れるわけではないし
利益を考えると実店舗はやはり…。
 
戸田)わかります~。
物販はお店だけじゃなくてイベント時やネット通販などで
どんどん売れるような工夫をしたり
レンタルスペースももっとイベントを行うように
せねばということなのでしょうが波もありますしね。
 
小原)でも絵本を手に取ったら買わなきゃいけないとか
そもそも店に入ったら何か買わなきゃいけないとかいう先入観も
払拭したいですね。
癒されたい方が来る場所にしたいのですがジレンマがあります。
迷走しています(笑)
 
戸田)絵本セラピストによるカウンセリング込みのお値段で
絵本を売るとか…。
もしくはカウンセリング料いただいて
絵本は買っても買わなくてもいいよとか。
 
小原)メモメモ…
話を聞いてもらいたくて来る方もいますしね。
傾聴とハーブティーセットとかね。
 
戸田)それだとわざわざ来る方いるかも。
何かあったときに来る場所があるというのは
利用者にとって必要なことなのでしょうけど。
 
小原)年会費1万円で本とハーブティーセットが
定期的に届くサービスの要望もあります。
してみる価値ありますね。
お店をやるってホント大変なんだなぁって。
 
戸田)絵本セラピストの聖地として
完全予約制の予約の取れない絵本屋さんを目指すとか(笑)
いずれにせよやってみて続けることが大事ですね。
最後に今後の野望を教えてください。
 
小原)ときがわで絵本と言ったら小原さんという位置付けにいたいです。
皆さんの心により添えるような自分の一冊を
普通に見つけられたらいいなと思います。
 
戸田)自分の一冊の見つけ方ってどうしたらいいですか?
 
小原)感情に沿うこと(悲しい・楽しい・イライラなど)でしょうか。
大人向けの読み聞かせ会の中から見つけてもらってもいいですね。
 
戸田)私も向き合ってみます。
自分だけの一冊欲しいです!


 
インタビューから2カ月…
てくてくさんは迷走から抜け出し移転されました。
新天地は明覚駅のそばデイリーヤマザキさんのお隣だそうです。
共有ということで淋しさからも解放されたてくてくさん。
絵本やハーブティー、イベントのご用命は
ぜひ下記からコンタクトを取ってみてください。
 
 
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(文責 戸田雅子)


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