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なにが親のため

小学校からの、長い付き合いの友達の相談された。

内容は、進路に関するもの。


簡単に述べれば、迷っているポイントは次の二点。
①今すぐ就職して、親にお金を返して楽にさせてあげたい。
②学校に通い、自分のなりたい職業を目指す(=親に経済的負担)。


私はその返答として、「5年先ではなくて30年、50年先までを、今考えられるだけ考え悩んで結論を出すのがいいのでは」というものだった。
彼の相談内容にはもっと細かい事情があるものの、親をいち早く経済的に楽にさせてあげたいという気持ちが強いようだった。親は〈②学校に通う〉ことを許してくれているとのこと。
もちろん、彼の気持ちもすごく理解できる。

けれど、30年後に自分のなりたい職業になって、その上で返す選択肢もきっと、親も喜んでくれるのではないか。

彼の優しさには頭が下がる思いだが、本人と親の何が喜びで幸せかを中長期的に眺めたらどうかと、そんな話をした。


私の考えの根底には、親に甘えている部分がある。
けれど。

マズローの5段階欲求みたいな話で、日本で一般的な生活が送れているとき、私は自分のやりたいことをやること、その姿を見せることが親孝行になると考えている。
少なくとも、自分の親は意志を尊重してくれるように、ここまで育ててくれた。進路に関するものから、些細な決断まで意見することがあっても、決定はさせてくれた。

もし自分が親の立場ならと想像すると、ある程度経済的な負担になったとしても、生活水準を落とさなくてはならなくなったとしても、本人の意志がホンモノなら尊重してあげたいと思う。強く。
もちろん、多くの親がそうなのだろうけれど、私はとくにそう思う気がするのだ。

相談してくれた彼のような考え方も、またひとつの正解だと思うが、私は親にそう育てられたと思っている。
だから、返せるものは返したうえで、1番の親孝行は自分の意志で進むことだと思うのだ。