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「準備」の仕方

学習でも仕事でも「準備」は大事なことです。ところが私たちは「準備」の方法をあまり知りません。

準備が大事

私たちは小さい頃から「準備」をしてきました。
学校の授業で体育があれば体操着が必要です。体操着を用意してください、と言われて体操着を準備しておきます。
多くの準備は、他の人に言われて何かを用意します。しかし、自分で「準備」を計画することはほとんどありません。そういう教育も受けていません。繰り返し行うことについては、失敗したり、経験したことから次はこういうことを準備しておくと良い、と思います。ところが初回のことについては何をしたら良いのか分からず、「準備」が出来ていないことがあります。ほとんどのことは何とかなりますが、自らが中心になって未知のことに挑むときは準備不足は致命的になります。

準備を計画しよう

何かをする「準備」の計画を立てましょう。準備することを決めて、準備する時期が来たら準備をします。旅行、仕事、勉強、試験など、何をするにしても事前の計画、準備があればやらなきゃいけないこと、持っていくものなどの見落としがなくなり、効率は良くなります。
ここでは仕事の準備について考えます。

顧客からクレームがあり、ある機械部品の大きさを測定することになりました。
実際の測定にあたって準備をします。
・部品形状の確認
・部品用途の確認
・不具合状況の確認
・測定位置の決定
・交差(規格値)の確認
・測定精度の検討
・測定器具の決定
・測定結果記録書式の作成
・評価方法の検討

クレーム品が届いたら測定しよう、と考えていると、
・適切な測定位置が不明、無意味なところを測定してしまう
・測定結果を見て、当該品が正常かどうか判断出来ない
・測定精度が悪くてデータが使えない
・測定精度を上げ過ぎて、測定時間、コストがかかり過ぎる
・どこの何を測定したものか分からない

早く取り掛かることが良い仕事ではありません。何のためにその作業を行うのか。そのために何が必要か。結果をどう評価するのか。そして評価を元に改善を行います。

主に仕事のこととしての話をしていますが、学生さんの学習でも同様です。何かを学んで身につけよう、資格取得をしよう、というときは十分な準備が必要です。学校の教科書で十分か、もっと自分に合う参考書は無いか、予備知識は必要か、試験の合格基準は何か、学習時間はどうするか、学習方法はどうするか。闇雲に頑張るだけではとても非効率です。いくら頑張っても時間は有限です。毎日学習に8時間を費やすにしても、身につける量が異なります。

指示・確認

ほとんど準備無しに作業を始めてしまうことは、故意に準備を怠っているわけではありません。何か問題があって調査をやってもらうとき、適切に指示を出しているでしょうか?
指示をするにも適切に準備をすべきです。
最終的に解決すべき問題は何か?
何を調べるのか?
何を作るのか?
記録はどうするか?
指示は口頭だけで説明すべきではありません。言い間違えるし、聞き間違えるし、言い忘れたり、聞き逃したり、忘れたりします。指示する内容は文書で作成して、それを一緒に見ながら説明すると良いです。指示するからメモして、なんてのはいかにもダメなスタイルです。
組織で仕事を進めるときは、組織としての能力が重要です。あの人に頼めば何とかしてくれる、というのはやめるべきです。
指示をしていないことについて、「言われなくてもやっておくんだよ」なんて言っちゃいけません。実際に言う人はいます。そういう人はほぼ結果を見て言っているだけです。もし言われていないことをやって失敗をしたら、そのことを褒めることができるでしょうか? 指示した以外のことをやらせる、ということはその結果にも責任を持つことです。それが自分の期待した結果であっても、そうでなくても。
指示する時間ももったいない、と思っているのかもしれませんが、その代償は指示された側の失敗につながります。指示をする責任は大きいので

準備の計画は大事

何かをする前に準備しよう、と思うことはあります。何を準備すれば良いのかを十分に計画することは、その時は時間がかかっても、作業の品質を向上させることができます。今までは準備の計画を綿密に立てることはなかったかもしれませんが、ぜひ準備を計画することに慣れていきましょう。

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