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「xxxして欲しかった」問題

仕事でうまく行かなかったとき、「それだったら私に相談して欲しかった」などと言われることがあります。これについて考えてみます。


業務に潜む問題

仕事をしているといろいろな問題に遭遇します。だから問題があったからといってそんなに気にしないで良いと思います。大事なことはその問題の解決と今後の対応です。

トラブル

架空の話と思ってください。
ある部門から検査に使用している測定器が現状の測定に適していないと指摘がありました。何年も前からその機器を使っていたのですが検証する事はありませんでした。調べてみると確かに精度に問題があります。測定機器を管理する部門では適切な計測器を検討し、購入することにしました。
ところが計測器が納品されたら、その機種では不十分、との現場の声。購入する前に相談して欲しかった、そうすれば適切な機種を選定できたのに、とのこと。

選定手順は適切だったか

「事前に相談して欲しかった」というのは正しいことでしょうか? 事前に相談しておけばトラブルは回避できました。だから相談すべきだった。と主張するのは無理があります。そもそも何も検討せずに機種を選定したわけではありません。それなりに検討し、選定した機種について上司に説明し了承を得ていました。闇雲に選定していません。この時点ではトラブルを予想できていません。
もし「事前に相談する」としたら、すべての事柄について事前に相談しなければなりません。後でトラブルが起こることを予測していないことについて相談することはしません。

手順を見直す

機種選定の手順は、検討して、上司に説明し、了承を得た後、発注し、納品されました。手順は適切でした。それでも問題が発生しています。それなら機種選定から決定までの手順に問題があると考えます。そもそもこの測定器の購入プロセスは明確に決まっておらず、予算を扱える人なら良いと思った機種を購入するような手順でした。製品品質を計測する装置がいいかげんに選定され、扱われていたのです。実際に検査を軽視している組織は少なくありません。今後は「あの人」に相談する、ということではなく、どういう手順で計測器を選定するのか、を決めることが必要です。手順に従って計測器を選定すれば良いのです。そこでまた問題が発生したら、手順を見直します。「分かる人に相談する」というスタイルは避けるべきです。

事前に手順を決める

基本的に作業方法は事前に決めておいて、実際の作業は単純に進めていきます。分かりにくい作業は良く知っている人に訊けば良い、なんてことはありません。このスタイルは組織として作業にばらつきを生みやすくなります。分からないこと、分かりにくいことは手順を決めておかないことが原因と考えます。手順を決めるときに必要になるのが「良く知っている人の知識」です。それを手順で作り込み、作業を標準化します。出来る人、出来ない人を作らないようにします。

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