天神会おススメ:絶対に力がつく英語学習法

 天神会、それから れいわ松下村塾のチャンネルをご覧の皆様、こんにちは!塾長の飼い猫、ジェリーです。
本日は、塾長が中高生、受験生、英語の資格に向けて勉強している人におススメする、英語の学習法をお伝えしていきます。もともとは塾長のナマ声の動画、「東大英語で学ぶ絶対に力がつく英語学習法:後半学習法編」という動画で解説したものですが、長くなってしまったので、今回はできるだけ短縮したバージョンでお届けします。

 さて早速、勉強のやり方ですが、まずは入試問題なり問題集なり、演習をします。最初はできるだけ辞書も使わず、もちろん解答・解説も見ずに、自分の力だけで解いてみることがオススメです。この時に、時間はあまり気にしないことがポイントです。納得いくまで徹底的に考えて、自分なりのベストの答案をつくり出すことが大切です。

<STEP①【演習】>:まずは問題をできるだけ自分の力だけで解く。制限時間は気にしなくてよいので、とにかく徹底的に考え、最後まで自分なりにベストの答案をつくる。

 次に、解答を見て採点をします。正解だった場合もいきなり次の復習ステップに進むのではなく、解説をきちんと読んで、自分の解き方と違う点を吸収してください。それから、間違っていた場合は、すぐに解説を読むのではなく、できれば自力で正解にたどり着くまで何度でもやり直して、正解できてから解説を読んでほしいです。これは記号問題だけでなく、記述式の問題でも基本的に同じです。

<STEP②【採点】>:採点をする。間違えがあった場合は、できれば自力で正解するまで繰り返しやり直す。正解出来たら、解説をきちんと読んで、自分の解き方、考え方と違う点を少しでも吸収する。

 そして、ここからが大事なのですが、一度解いたら必ずもう一度解きなおしをします。一回目の記憶が残りすぎず、かと言って完全に忘れているわけでもない、翌日か二日(ふつか)後くらいがいいと思います。この復習をできれば2回行います。つまり同じ問題を3回解くことになります。当然、一回目よりも二回目、二回目よりも三回目のほうが早く解けるはずですから、だんだん解くスピードを上げていけるようにします。

<STEP③【復習(解きなおし)】>一回目の採点が終わったら、翌日が二日後くらいに解きなおしを行い、復習をする。復習もできれば2回行う。同じ問題を3回解くことになるので、徐々に解くスピードを上げていく。

 採点して解きなおしまで終わったら、ここから本番です。まず、解いた問題の英文をノートに書き写します。塾長はこれを「筆写」と呼んでいます。大体3回~5回くらい書くのが理想ですが、時間がなかったり他の科目の宿題が多かったりしたら、回数は調節して下さい。5回より多く書いてももちろんOKです。脳科学的には、人間は7回書くと頭に入るという話もあります。また、文法問題でも長文問題でも同じですが、長文の場合は一度ではなく何日かに分けて書いてOKです。

<STEP④【筆写】>:本文の文構造、文法事項を理解しながらノート(裏紙は非推奨)に筆写する(3~5回程度。それ以上でもOK)。自分で考えても分からないところは先生に質問する。

 筆写は、やってみるとすぐ分かると思いますが、驚くほど理解が深まります。当然、英作文の力も伸びます。筆写するときに、きちんと文構造や本文中の文法事項を理解しながら写すことが大切です。思考停止の「手の運動」になってはいけません。何回か筆写して、よく考えてもわからない箇所があったら、学校や予備校の先生に質問してください。ここでも、必ずある程度きちんと自分で考えてから質問することが思考力を伸ばすポイントです。 それから、たまにエコ的な発想でノートではなく裏紙(うらがみ)などに書いてどんどん捨てていく生徒がいますが、塾長の経験上そういう生徒は不思議と学力の伸びが鈍る傾向がありますから、ケチらずにノートをたくさん買って、ノートに筆写していくのが絶対オススメです。(これは、「電子書籍よりも紙の本を読む生徒の方が、学力が向上する傾向がある」ということと、似た現象だと思います。)

 最後に、最も大切な音読のトレーニングを行います。筆写を終えて、文構造と文法項目が完全に理解できたら、いよいよ音読を繰り返して英文を体にしみこませていきます。音読の回数はできれば20回以上。もちろん一度にやるのではなくて、一日数回ずつ毎日継続して行います。

<STEP⑤【音読】>:英語本文を繰り返し、できれば20回以上音読する。「何を言っているのか」きちんと理解しながら音読すること。最終的に元の英文がスラスラと暗唱できれば完璧。

 さっきの筆写パートと同じで、思考が止まって口だけが動いているのは意味がないですから、頭を使ってちゃんと「何を言っているのか」を理解しながら読むことが肝心です。最初はゆっくり読まないと理解できないですが、だんだん早く読んでも理解ができるようになってきます。それを繰り返していくと、ものすごいスピードで英文が読めるようになります。

 これは野球や剣道の素振り、柔道の打ち込みと全く一緒です。意識すべきポイントをきちんと意識して、「同じことを反復して訓練する」ということが何より大事です。文法とか文構造は「意識をすべきこと」です。それを「意識しながら」英文を読んでいるようではスピードが遅いので、「意識をしなくてもわかる」ようになるまで反復訓練をしなければいけません。最終的に、日本語の訳を見ながら、元の英文の本文が書けて、英文をソラで暗唱できるようになれば完璧です。英作文力もスピーキング力もブチ上がりますから、一石二鳥・三鳥(さんちょう)です。

 この、「同じ英文を繰り返し読む」訓練を継続していくと、不思議なことに、初見の英文でも爆発的に読むスピードが上がるのです。このことは理屈が通らないような気がしますが、騙(だま)されたと思ってやっていただきたいです。
先日の塾長の生声動画でも言っていることですが、少なくとも塾長本人は、リスニングの点数を上げようと思っていくらリスニングの練習をしても効果はありませんでした。同じように、初見の英文を早く読めるようになりたいと思っていくら「初見の英文を早く読む」練習を重ねても、まったく効果はありませんでした。「同じ英文を」「時間をかけて理解してから」「繰り返し読む」ことを続けていると、みるみる読むスピードは上がりました。信じられないかもしれませんが、これは、「同時通訳の神様」と言われ、アポロ11号の月面着陸の際の同時通訳も務(つと)めた國弘正雄(くにひろまさお)先生が提唱した「只管朗読(しかんろうどく)」という勉強法を、受験生でもやりやすいようにアレンジしたものです。詳しいことは、國弘先生の「國弘流 英語の話しかた」という本をぜひお読みください。

※只管朗読(しかんろうどく)…鎌倉仏教の一つ、曹洞宗(そうとうしゅう)の道元禅師が説いた、「只管打坐(しかんたざ:邪念を捨ててひたすら座禅に打ち込むこと)」のもじり。要するにひたすら音読をしろ、ということ。

 塾長は教え子全員にこの勉強法を薦(すす)めるのですが、「入試本番では初見の英文を読むわけなので、同じ英文を何度も繰り返しても意味がないのでは?」と疑って、なかなか信じてくれない生徒もいます。実際に塾長もはじめて「英語の話しかた」を読んだときは、正直、「只管朗読」なんて泥臭くてバカバカしいと思っていました。が、なんやかんやで社会人になってから翻訳学校に留学することになったので、イチかバチか「只管朗読」を信じてやってみました。結果、留学先での成績はずっとトップでした。帰国後に英検1級以上、TOEIC900点以上が応募条件で、合格率は5%~10%以下の国際特許事務所になんとか合格して、入所のときに所長に呼ばれて「君がここ数年間でトップの成績だったよ」と言われました。音読を、只管朗読を、信じてやってみて本当に良かったと思っています。

 ……ですが!同時に、「もっと早く音読をやっていれば…」という思いもとても強いです。「音読をやるかやらないか」で英語ができるかどうかが決まると言っても過言ではありません。全ての英語教師が生徒に音読を強く勧めるべきだと思います。「受験生でもやりやすいように」ということで、音読の回数は20回とましたが、いろいろな先生の本を読むと、やはり20回を超えないとあまり効果が上がらないようです。ちなみに國弘先生ご本人は中学生の時、学校の英語の教科書を、なんと一章あたり500回から1000回音読したそうですよ!!

 國弘先生は、上智大学で教えていたこともあって、その時の教え子の一人が、日本一有名な英語講師と言っていい、東進ハイスクールの安河内哲也(やすこうち・てつや)先生です。だから安河内先生も音読推しなんですね。学生時代の安河内先生が、英文について國弘先生に質問に行くと、決まって「100回音読したか?100回読んでから来い」と言われ、結局質問には何も答えてくれなかった、というエピソードもあります。この「國弘ー安河内ライン」(くにひろ・やすこうちライン)は、現在大手予備校で活躍している英語講師のほとんどに影響を与えていると言っていいと思います。

 ここで、とっても大事な補足をします。おそらく英語の学習法に関する本として、日本最高峰に位置する「國弘流 英語の話しかた」の内容を一言(ひとこと)でまとめると、「中学校の英語教科書を、完全に理解したうえで何百回も読め」ということなのですが、これは「國弘先生が中学生時代の中学校の教科書」ということで、今でいえば高校3年生の教科書、あるいは難関大の入試問題のレベルの英文ですから、「高校の英語教科書」と脳内変換して読んでくださいね。実際、数十年前の中学校の英語の教科書というのは、ラフカディオ・ハーンの英文が原文で載っていたようなレベルだったようです。今の教科書のほうがウンと簡単になっているんですね。学力低下も当然だと思います。何とかして、日本人の知的レベルを復活させたいですね。

※「國弘流 英語の話しかた」を読むときは
”中学校の英語教科書” ⇒ ”高校の英語教科書” に脳内変換!!

※ラフカディオ・ハーン(「怪談」の作者。日本名小泉八雲。夏目漱石赴任前の東大の英語の教授。)

 さて、今はやや下火になってしまった感がありますが、日本でも空前の「音読ブーム」がありました。本屋さんの英語コーナーに、「音読」の文字が入っていないタイトルの本が無いくらいでした。塾長が一番尊敬している渡部昇一(わたなべしょういち)先生も、暇さえあれば英語を音読していたそうですし、「英語の学習には音読が必要である」と著作にはっきり書いてあります。これからどんなに英語教育法や指導法が研究されても、音読が最強の勉強法であることは、おそらくずっと変わらないと思います。音読をどれだけやり込めるかで、英語力の伸びは決定されるといっても過言ではないです。

 ……ところが皆やらないんです。その理由は簡単で、「メンドくさい」からです。これが音読の唯一最大の欠点です!一人でモクモクと音読するのはなかなかの意志力が必要になってしまいますから、塾長は、新型感染症が終息したら、皆で一緒にひたすら音読しまくる英語塾を開きたいと思っています。視聴者の皆さんは、ぜひご家族やお友達と、一日20分とか30分とか時間を決めて、一緒に音読する習慣をつけることをおススメします。一人でやろうとすると99%続きません!

 それでは、ここで今まで説明してきた学習方法についてまとめておきます。

<STEP①【演習】>:まずは問題をできるだけ自分の力だけで解く。制限時間は気にしなくてよいので、とにかく徹底的に考え、最後まで自分なりにベストの答案をつくる。

<STEP②【採点】>:採点をする。間違えがあった場合は、できれば自力で正解するまで繰り返しやり直す。正解出来たら、解説をきちんと読んで、自分の解き方、考え方と違う点を少しでも吸収する。

<STEP③【復習(解きなおし)】>一回目の採点が終わったら、翌日が二日後くらいに解きなおしを行い、復習をする。復習もできれば2回行う。同じ問題を3回解くことになるので、徐々に解くスピードを上げていく。

<STEP④【筆写】>:本文の文構造、文法事項を理解しながらノート(裏紙は非推奨)に筆写する(3~5回程度。それ以上でもOK)。自分で考えても分からないところは先生に質問する。

<STEP⑤【音読】>:英語本文を繰り返し、できれば20回以上音読する。「何を言っているのか」きちんと理解しながら音読すること。最終的に元の英文がスラスラと暗唱できれば完璧。

 天神会オススメの英語学習法はどうだったでしょうか?予想以上に「地味でしんどい」と感じた人が多いんじゃないかと思います。その通り、英語の勉強は「地道」以外の何物でもないのです。だからこそ、読む教材はできるだけ面白く、繰り返し読むに足る(たる)英文のほうがいいと塾長は考えています。一回読んだだけではわからない英文のほうが、音読しても飽きません。このチャンネルでも、できるだけそういう英文を解説していきたいです。

 今回紹介した学習法を実行すれば、絶対に英語力が伸びることは保証できます。「きちんと頭を使うこと」が何より大切ですから、音読や筆者が思考停止の「作業」にならないよう、くれぐれも注意して下さいね。

 もちろん、並行して、単語や熟語をコツコツと覚える努力をする必要があることは言うまでもありません。その際にはぜひ、何度も言うように、できる範囲で語源による理解も深めていってください。一時的に勉強量が増えてしまうけど、長い目で見た時の定着度が全然違いますし、何より単語の勉強が楽しくなること請け合い(うけあい)です。

 それでは、塾長オススメの英語勉強法の解説は、これにておしまいです。チャンネル登録と高評価をぜひお願いします。コメントもしてくれるととっても嬉しいです。最後までご覧いただき、ありがとうございました!!

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