オリンピック2030札幌SIDE:α

札幌オリンピックはやるべきだと思っている。
だって、悔しいじゃないですか。
東京オリンピックの開会式があんな体たらくで。世界に恥を晒して。このままでは終われないでしょ。
だから札幌オリンピックの開会式で日本もやれるんだってところを世界にみせつけないと。
だから札幌オリンピックはやるべき。
ただし佐々木宏とその仲間は除外して。
野村萬斎氏を中心とした東京オリンピック開会式チームを復活させて。
それができずまた佐々木宏と電通主導になるなら話はなかったことにしてね。

と、まあ、語気を強めて書いておりますが、じつはわたし、東京オリンピック見てないんです。
東京オリンピックには一貫して反対していたので。しかし開催が決まった以上、わたしの負けなので、負けたら黙するのみだとオリンピックに関する一才を見ず聞かず、情報を遮断しネットニュースも読まずに過ごしておりました。
おかげであの夏はなにがあったのかいまいち記憶がない。
だから、開会式クソだせえとかなんとか言っても、実際のところ本当にダサかったのか、よくわからない部分もある。見たら見たで感動していたのかもしれない。

そんなこともあって、いちおう自分なりに東京オリンピックを総括しないといけないという思いで、去年観に行ったんですよ、『東京2020オリンピックSIDE:A』と『SIDE:B』。
そうしたら『SIDE:A』が無茶苦茶よくて。
去年観た映画の中でTOP3に入る好きな映画ですわ。
観客は私を含めて3人しかおらず、そのうちひとり(最前列にいた初老男性)は上映前から酒盛りをはじめ居眠りをするというすごい状況だったけど。
あれはほんともっと観た方がいいと思うなー。『シン・ウルトラマン』を観てそんなに経ってない頃に観たと記憶してるんですけど、『シン〜』が人類未曾有の危機に際し滅びを受け入れるという姿勢だったことに激しく違和感を覚えていた頃だったので、『SIDE:A』に出てくる「敗れざる人たち」の姿にひどく感動したんですよ。
敗れざる人たちっていうのは、挑戦し続ける人たちです。アスリートに限らず、たとえばサーフィンをオリンピック公式競技にするために長年ロビー活動に尽力し続けてきた人の姿であったりとか。そういう人々の姿がじつに丁寧に描かれていたと思う。
ところがそこにコロナ禍が訪れて世界が一変するというのが『SIDE:A』のラストでね。

『SIDE:B』はコロナとの戦いを軸に、様々な戦いが描かれているわけですけど、野村萬斎氏らオリンピック開会式チームと佐々木宏ら電通との戦いが、まぁー観ていてきつくて。
『SIDE:A』の爽やかさに比べるとだいぶべっとりしていて嫌だっなぁ。単純にスクリーンで観るに耐える顔じゃない人たちがやたら出てくるっていうのもあるけど。
ただ、かつての東京オリンピックの年に生まれ、聖火から聖子と名付けられ、両親からオリンピックに出ることを至上命題と義務付けられて育てられ、自身もオリンピックに出るものと確信して育ち、実際に出場し、最終的にオリンピック組織委員長にまでなるという橋本聖子。そんな人生考えられます?彼女をはじめとして狂気じみた人々のドラマが描かれており、それはそれで圧倒はされた。
まあ、Amazon primeで無料で見られるので、まだ見ていないなら見たほうがいいと思いますよ。

去年の夏、七夕の頃に街を歩いていて、笹に短冊が飾ってあるのをつぶさに眺めていたら、子供の文字で「オリンピックに出たい」と書かれていたものがけっこう多かったんですよ。
それを見た時にね、ああ、オリンピックやってよかったんだな。と思ったんですよね。
こどもたちが喜び夢を持ったなら、それでいいんじゃないかと。
それが今の率直な気持ち。

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