読書感想文『信長の原理』

病院の屋上に医局を後から増築した建付けの悪い当直室で今日も今日とて当直です。
きわめつけは何とクーラーではなくてスポットクーラーしかない謎の仕様で当直室の隙間も多く、全く冷えません。

結構前に読んだ本(7月10日現在、アマゾンで期間限定キャンペーンをやってます)の下手糞な読書感想文です。

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織田信長をモデルにした小説は非常に多くでてると思いますが、この本は人事面からみた珍しい本と私は読みました。通常戦国武将(他に上杉謙信や武田信玄など)を題材にする場合は戦略面や軍事面をクローズアップして書くことが多いですし、人に注目する場合も人心把握面を強調した作品が多いのですが、この本は現在の銀行の人事みたいに各武将(柴田丹羽滝川羽柴そして明智)を見ていると私は感じました。

そして医局人事と同じで、トップに立たないと使いまわされるし、有能で使い勝手の良い人材ほどワザと競わされます。その辺の『原理』が所謂働かない蟻(あり)の原理として紹介されます。そして労働者(明智代表される武将)は多少偉くなっても、資本家(信長)からみれば蟻なんですよね。
織田軍団で一心不乱に忠義を尽くして偉くなっても、所詮が一回の使用人=労働者で、替わりなんかいくらでもいるのは医師も同じですよね。手術の上手い医師も、論文を量産する医師も所詮は労働者なので、資本家からみれば蟻と同じなんです。蟻が働けなくなれば踏みつぶして次を補充するだけで、多少働きが悪い蟻でも、ケツを叩くか給料を増やせばまた働くはずですし。
余人をもって代えがたい人材なんか居ませんしね(織田家では数万人でトップの武将=蟻すら簡単に他の人材に交代させられてしまいます。)。
我々蟻にも五部の魂がありますし、さぼっても踏みつぶされるの勘弁して頂きたいので日々逃げ道を考えながら働きましょうね。


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