だいたい、命の素を楕円や真円に縮めた果実というものがまともな代物であるはずがない。青果店でプラムを求め、その瑞々しい薄皮に噛りつきながらそんなことを改めて思った。下町の商店街は茜色に暮れなずみ、生臭い空気が淀んでいる。生首はいらんかえ、と首売の屋台がラッパを鳴らして行き過ぎていく

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