夜の地面を切り取って食べてみた。湿った土の匂いと月光のスパイスがほんのり効いている。後味は少し薄荷の気配。スースーする。少し歩くと空き地に出た。紺色の屋根の建物が1軒ぽつんと立っていて、入口には「夜屋」と書かれた看板がぶら下がっている。扉の隙間から爛々と光る金色の目が覗いている

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