網織師の仕事についた。空の底に張っている網を修理するのだが、なにせ空は広大だ。穴を探すところから始まって、見つけ次第すみやかに七つ道具を広げて塞ぎにかかる。日中は暑いし暮れ方からは寒いしで、背中の羽根もぱさぱさになる。裁縫は得意な方だが複雑怪奇な糸の軌跡を操るのは至難の業だ

この記事が気に入ったらサポートをしてみませんか?