見出し画像

ミュージカル『モンパルナスの奇跡』

先日、ミュージカル「モンパルナスの奇跡」を観劇
その個人的な感想を記録したいと思い書いていく。


<ミュージカル「モンパルナスの奇跡」について①>

本作は20世紀初頭のパリ・モンパルナスを舞台に孤高の画家モディリアーニに焦点をあてた作品で新作オリジナルのミュージカル


個人的に、美術や芸術に触れる機会と言えば学生時代の美術の授業と過去にコナンの影響でゴッホのひまわりがみたいという家族と美術館にいったことがあるくらい。

モディリアーニの作品は知らないと思ってたけど、教科書に載ってる絵だけ見たことあるくらいの知識で観劇した。

今回の作品はよみうり大手町ホールで上演。
はじめましてのホールで駅直結でアクセスよしでとても綺麗、トイレが他と比べ少ない印象


〈ミュージカル「モンパルナスの奇跡」について②あらすじ〉

モディリアーニの絵に魅了されたズボロフスキーはモディ専属画商としての道を歩みだす。
次第にモディの絵の値段が上がり始めるが、戦争や病の影が忍び寄る。

「絵の値段は画家の死後上がる」

自分が死ぬまで絵を売るな。と恋人のジャンヌとそのお腹の子が生きていけるようにズボに頼むモディ。
画商としての前に友人として戸惑うズボ。ジャンヌとの愛。衝撃のラスト。


<全体的な感想>

モディの絵を大きく使うセットや額縁、椅子を使いキャスト8人がテンポよくほぼ舞台から捌けず少人数とは思えない。あっという間に一幕が終わり気づけばカテコになっているくらい物語に入り込んでしまった。

モディの人生は途中から最後涙なしでは見れず、ジャンヌとの愛と絆よりズボとの友情にスポットライトを当てている印象
楽曲と浦井さんをはじめとするキャストの歌声が美しい。
DVDを購入したためまだ12月まで届かないが届いたら何度も見返そうと思う。

戦争と病気、やはりピリッとした空気になるのを肌で感じた。まさに生で見るならではの感覚。

私も心にうまく言えないのがもどかしいが心にズーンとくるものがあった。

また、大体の舞台は「あのシーン良かったよね。」とか友人と共有したりするのだが、

モンパルナスに関しては、「なんかすごいよかった。でも何がすごいのか説明できないけど、すごい」と言うような感情を抱いた。こんなペラペラな感想でいいのかと思ったがパンフレットでの座談会でまさにそんな作品にしたいとG2さんが仰っていたのを見て、これにもまた「すごい」となる自分だった。


<アメデオ・モディリアーニ役:浦井健治さん>

序盤はなんか不機嫌で怒鳴る印象で少し怖さを感じた。女たらしの酒浸り、でもカフェのマスターや常連さん?とは仲良さそうにしてたり、ズボやルニアに最初は悪態ついていたけど最後はズボのことを信頼して死んだ後のことを頼んだ。自分を受け入れてくれた人たちには心を開く優しい人なんだなって感じた。
彼の天性の才能や魅力に周りの人が自然と集まってくるところは浦井さんに通じるものがあるなと。

<ズボロフスキー役:稲葉友さん>

昔から好きなのだが稲葉さんはとにかく目の演技が好き。
表現が合っているかわからないが、目のハイライトを入れたり消したりというあの目。
妻にモデルをなぜ受けてしまったのか問う顔、断りを入れるためにモディに会いにいったのに絵を見て感動する顔、モディが描く妻の絵を見たいと気持ちが高まる顔、画商になると決意した顔、画商の前に友人だと戸惑う顔、悲痛に叫ぶ顔
全部全部良い。

<ルニア役:秋本奈緒美さん>

モディはルニアを特別な女性として初めは見ていたのにジャンヌと出会ってからは友人として変わっていく関係性や
夫を待つ妻として美しく魅力的な女性でズボの背中を押したり芯があるところが好き。
秋元さんの声のトーンや表情に自分も魅了された。

「絶対に嫌」と強く発声するけど品のある雰囲気や「止めてもくれないのね」とかのあの儚い表情

この前の20世紀号に乗っての珠城さんのように女性が憧れる女性だった。


最後に、作品の内容とは関係のない全く個人的な感情を書くと
ミュージカルに出会って数年、それまでミュージカルというと敷居が高そうな大人のイメージだったため、その場所に踏み入ることができなかった自分がミュージカル好きになるきっかけの人が浦井健治さん
学校のとても仲の良い友人からのおすすめで沼に。
ドラマや映画といった映像作品とは全く違う肌で感じる生の舞台、ミュージカルの魅力を教えてくれた。

そして稲葉友さんは最も尊敬する人。
稲葉さんに初めて会ったのはある作品の舞台挨拶で一目見たときなぜか涙が溢れた。こんなこと人生で初めてで、たぶん一目惚れ。
その舞台挨拶には、主人公の俳優さんを目当てに来たつもりだったのにその日は稲葉さんから目が離せなくなっていた。
主人公役の俳優さんはまだその頃は新人で舞台挨拶も慣れていなくてマイクを持つ手が震えていたけど、終始和やかに進んだのは、その俳優さんの一生懸命質疑応答に答えようという真っ直ぐな人柄と隣ですぐフォローやツッコミを入れたり答えやすいように誘導していた稲葉さんとの信頼関係があったからこそだと思う。

舞台挨拶を見にいったその作品の中では敵にやられて死んでしまう役。
歴史が改ざんされて悪を倒した後、元の平和な世界に戻ったのに死だけは修正されない衝撃のラストシーン。
あの目は忘れられない。


だからこそ、ミュージカル俳優さんの中で1番好きなのが浦井健治さん。また俳優さんとして、そして人として1番尊敬しているのが稲葉友さん。
この2人が共演することをずっとずっと個人的に望んでいてついに今回共演の話を知ったときは嬉しくてすぐ友人に連絡して喜びを伝えた。

初ミュージカルな稲葉友さんをこの目で観ることができたこと、あの日あの場所で一緒の空間にいたこと素晴らしい機会に恵まれて幸せ

またいつの日か浦井健治×稲葉友の共演、モンパルナスの奇跡の再演があることを願って。

ミュージカル『モンパルナスの奇跡』大好きな作品
6/28まで配信があるのでぜひ1人でも多くの方に見てもらいたい。

この作品の感想を終了したいと思う。

この記事が気に入ったらサポートをしてみませんか?