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エッセイ 寿命

唐突に寿命について考えたくなった。
ので、着地点がどこになるか分からないけれど書いてみる。

当時25歳の私は地元にいて、漠然と焦っていた。
四半世紀が終わる!!!と。

変身願望のある私は今からでも生まれ変われると本気で信じていた。

逃避行の部分もあったと今だから認めよう。
名前の頭に「New」「改」「新」「真」「シン」そういった類のをつける勢いだった。

それからはあっという間に上京の計画を立てて実行に移した。

この前テレビでおばあさんが
長生きしてるから明日にでも逝きたいよとインタビューに答えてた。

私はどうだろう。
斜に構えていた時はつまらなそうな顔して長生きしたくないとか言ってたけれど、

今率直に思うのが、
人生短くない??
遊び足りなくない??
笑い足りなくない??
美味しいもの食べ足りなくない??
世界のほんの一部しか楽しめてなくない??
生きてるだけで丸儲けなんだけど元取れてなくない??

もう必死です。
必ず死ぬと書いて必死です。

私もおばあさんになったら同じように思えるのかな。
色んなことを許せて
色んなものを愛でて
生まれ変わる必要なんかないくらい謳歌できるだろうか。
その明日が来る日まで。

地元はたまにGoogleマップのストリートビューで帰っている。
その風景は光の当たり加減なんかが当時のままで何の違和感もなく、
明日にでも自転車でこの道を通ってドンキに買い出しでも行きそうな感覚。

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