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『拡張する脳』(藤井直敬、2013)を読んだあと、色々調べてみた。難しいけど、勉強になった。

SRシステム(代替現実システム)というものを知っていますか?
これは、バーチャルリアリティー(VR)に用いられてきた技術を応用し、予め用意された「過去」の世界を「現実」と差し替え、被験者に過去を現実と区別無く体験させる実験装置です。

理科学研究所HPより

この本を読んだのが、SRシステムを知るきっかけでした。以下、本の中で興味を抱いた部分。

  • 細分化を突き詰めて考え、「社会脳」という研究テーマを立てる。(P.8)

  • 「再現性」を追求し「人生に同じことは二度と起こらないという常識」を覆そうとし、研究を進める。(P.65)

  • 社会性の基本は「母子関係」(P.105)→フリードリヒ2世の研究

  • マスオさんを例に社会脳を考える(P.127)→家族団欒・夫婦・アナゴさんとの晩酌で異なるキャラクター

  • 「我慢」が社会性の基本(P.187)

一読後、著者の藤井さんを調べると、面白い人だなと。

考えてみてください、現実を操作しているのは「誰か」です。そして、「誰か」に操作されている現実の中でどのように生活するか。選択肢としては2つです――操作する側に立つか、操作される側に立つか。当然ながら操作する側に立たない限り、何がどこまで操作されているのかを理解することはできません。操作する側に立たないとしても、すくなくともどのような操作が可能で、実際に何が行われているかを知っている方が良いでしょう。

現実が操作されるということは、脳が認知できる世界が自由に操作されてしまうということに他なりません。誰かに操作された世界で生きるということは脳を操作されるということです。そう考えるとあまり気持ちの良いものではありませんね。

これから5~20年以内に、多様な人工的な情報が現実に重ねられた「新しい現実」の世界がやって来るでしょう。その過渡期にある現在、「ヒトの脳がどのような情報提示手法に騙されやすく、現実と勘違いしてしまうのか」を理解することは重要です。テクノロジーがどのような形で脳に介入できるのか、その結果介入のない状態と比較して生活をより豊かにする方法は何か、より幸せになる方法は無いのかを考えるべきです。

https://www.moguravr.com/science-to-reality-2-2/

これまでヒトは、天然の環境に最適化して作り上げられた、主観的な「ヒトの環世界」の中で生きてきました。その制限の中で、哲学者や科学者は「ヒトとはなにか」を考え続けてきましたが、環世界の中に閉じ込められたわたしたちにとって、主観的な世界から出ることは不可能でした。意識や無意識に関する考察も堂々巡りです。

しかし、これからは違います。現実と区別することができない操作可能な「新しい現実」を手に入れることで、ヒトは主観世界の外部に共通基準となる環境を持つことができるのです。その操作された空間はまるで“自然な”現実の一部であるように感じられますが、ヒトの意思によって定量的に操作可能なものです。

https://www.moguravr.com/science-to-reality-2-2/

この動画も面白い。
「現実とは何か?」について、これから考えていきたい。

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