才流(SAIRU)に入ってから1年たったので、面接で言われたパワーワードの答え合わせをしてみようと思う。
1年前、30代妊婦という典型的な「転職無縁層」だった私が、才流への入社をあれよあれよと決めてしまうまでの赤裸々な体験談を多くの方に読んでいただいた。
しかし、一度は転職したことのある方なら身をもって体感されている通り、転職には少なからず入社後ギャップというものがつきものである。
元転職エージェントとしては、転職理由のみの未検証な情報のみを公開し続けていることにずっと引っかかりがあった。
そんな私も入社後1年以上が経過したので、いよいよ責任を持って「入った後」についても赤裸々にしたためてみようと思う。
あらためて自己紹介
妊娠5ヵ月で才流に入社し、出産を経て4月に復職。
リクルートで転職領域→VerticalSaaS→クラウドサイン→現在を通じて、商品企画、営業企画、PMM、アライアンス、CSOpsなど「売る」に関する一連の知識、経験を持つことが特長で、色々な特性をもつ事業会社や部門で働いていたので、「仕組み化」大好き。
現在はコンサルタントとして案件に携わりながら、コンサルティング領域の型化・改善業務にも取り組んでいる。
本題:検証してみた
「年収高いよ」「残業少ないよ」「人事制度ないよ」「マネジメントないよ」etc… 通常とは逆の意味で衝撃的な労働環境を提示してきた才流。
それが実際どうだたったのか、冷静に検証してみようと思う。
※私が1年前に受けた衝撃(=今回の検証対象)についてはこちらのnoteをご覧いただきたい。
それでは、早速はじめていこう。
1. 本当にノルマはなかったのか
なかった。本当になかった。「顧客期待に答えること」は当然の責務として、例えば継続率とか新規案件の紹介数とか、そういう売上関連指標みたいなものは一切なかった。
コンサルタントは色んなしがらみを取っ払って、ただひたすら目の前のお客様に集中できる。
ただし、「案件保有」に関する考え方などは日々進化している。入社時のnoteには「上限3件」と書いてある。これは本当に3件だった。ただ、現在はこの保有量のカウント方法が大きく進化している。新規案件と継続案件、メインとサブで負荷が大きく異なることに着目し、より実態を表すために各項目を負荷度に応じて係数化し、個人のキャパシティを正しく把握する”ポイント制”というシステムに変更されたのだ。
入社後、新規の1件と継続の1件は工数も価格も異なるのに同じ1件としてカウントされる違和感を感じることがあったが、その点も含めキレイに解消された。1年前に感じた組織の柔軟性や合理性は、こういったところにも良く影響していた。
2. 本当に水曜の午後は休みだったのか
本当に休みだった。0歳児の母としてできないことを水曜日に固めることで、チビによる突然の夜泣きや離乳食ストライキ、室内の植木鉢連続なぎ倒し事件についてもにこやかに対応できる精神的余裕が生み出されている。
また、乳児を抱えているとなかなかできないことの個人的トップ3は「ラーメン」「映画」「マンガ喫茶」を満喫することだが、これが水曜午後のわたしの鉄板ルーティーンになっていることは言うまでもない。(ラーメン博物館は行き過ぎてゴールド会員になった)
余談だが、「水曜午後は働かなくてもいい時間です」と言われていたのに、入社後の自身のスケジューラーに「休み」の文字鎮座していることは良い意味での入社後ギャップだった。なんとなく休みづらい、実は社内ミーティングが入る、みたいなことがあるのではと思っていたが、そんなことは一切なかった。「休み」と人から予定を入れられたらもう休むしかない。入社直後だろうが大型休暇明けだろうが、大手を振って休むしかないのだ。
3. 本当に残業時間は短かったのか
本当に短かった。18:00になるとSlackがピタっと止まる。「あー18:00か」と気づく程度には止まる。(最近は時短なので体感したのは産休前だが)
ただ、新規案件の初月はインプットでかなり忙しいので、複数案件の初月が重なると月数時間はむりかな…という印象を受けている。かといって月40時間(1日2時間)残業する印象もないので、世の中的に見て「残業時間は本当に短い」と言い切るのに間違いはなさそうだ。
余談だが、「時短の時間設定って、初めてのことなので未来が見通せなくて難しい…どう考えたらいいですか?」と相談したら
・ 働いただけ払うので、一応決めますが実態さえちゃんと記入してくれたら柔軟で大丈夫ですよ by労務
・案件ふってくんで、無理になりそうなら都度言ってださーい by上長
とのこと。
入社前に感じた懐の深さと柔軟性、 健 在。
社員の時間に対するリスペクトを持ってくれている組織であることを日々ありがたく感じながら仕事をしている。
※もちろん日中は目まぐるしく忙しいし、タイムマネジメントも自己責任なので、決して「楽」とは言えない。その点はぜひご留意いただきたい。
4. 本当にメソッドカンパニーだったのか
本当にメソッドカンパニーだった。現在水曜のAM10:40だが、みんなでZoomをつなぎながら、もくもくと各々のコンテンツを書いている。その名も「もくもく会」である。
毎週みんなでこうして集中してメソッドを生み出している。社内でも「もっとメソッドを生み出すには」という会話が多くなされており、メソッドカンパーニを体現するぞという熱量を日々感じている。
ただ、ただ、ほんとうにただ1点だけあえて言うなら、この「もくもく会
」でカメラもマイクもOFFにした3時間のZoom接続の真価は、未だにわかっていない。
基本的に合理的だが、こういう少しだけ不可思議なポイントがあるところがきゅんのツボを的確についてくる。
5. 本当に面倒見が良かったのか
本当に面倒見が良かった。象徴的な事例がある。
timeline_takedaという個人的なつぶやきスペースに「インタビューの書き起こし作業、現在2本目。すでにつらみ」ということを書いてみた。
これはただのつぶやきであり相談ですらない。もちろんメンションもない。
それに対して5分後には「書き起こさずサマリだけ作る方法で、2倍速でいけるよ」「この自動書き起こしツール契約してるよ」「アウトソースしたら?」など様々な解決方法を投稿してもらった。解決しようとさえ思っていなかった事象に、想定外に解決策が見つかったのだ。
もちろん全てではないが、こういったケースは枚挙にいとまがない。
私は入社前、「才流は相談したら丁寧に答えてくれるから安心だよ」と言われていた。だがしかし実態は、相談より前の段階でさえ拾い上げて積極的に助けてくれる組織だった。
一般的に言われている「面倒見が良い」の次元は、軽く超えていた。
6. 本当にマネジメントはなかったのか
ない。本当にない。みんな大人!最高!!!!
様々な組織で新人教育があり、「メンバーのモチベーション」という言葉と日々戦ってきた私からすると、この環境は中毒性が高い。
ストレスフリーであることはもちろんだが、それ以上に中毒性が高いのは自身の成長スピードの高まりを感じていることである。
マネジメントがないと余計な社内ミーティングや目配りがなくなり、自身が行える価値提供にすべての時間を投下できる。
可処分時間が増えることで明らかにインプット量が増え、熟考できる時間も増え、これによりアウトプットの質の高まりを感じるようになった。
ここにさらにレベルの高い社員からのフィードバックが加わるので、日々脳みそに汗をかくような仕事をしているという体感が生まれるのだ。
マネジメントがないっていいよね♫は当時の私が考えていた「だって楽だから」という小さな話には閉じなかった。その真価は、30代も中盤に差し掛かってなお自身の成長スピードの進化を感じることができる点にあったのだ。これはかなり想定外で、嬉しい入社後ギャップだった。
7. フルリモートで寂しくないのか
思ったより寂しさは感じない。才流はプロフェッショナル集団なので、ドライで端的なコミュニケーションの印象を周りから持たれがちだが、実はそんなことはない。コミュニケーションは非常に活発であり、オープンだ。
SlackChannelでは様々なコミュニケーションが活発になされていて、案件の相談から雑談まで、多くの人が会話をしている姿を常に感じられる。
またテキストコミュニケーションがかなりうまく、その人の声で再生される文体であることはもちろん、思わずくすりとくるスタンプリアクションをくれることもある。出社していた頃よりも、人を近くに感じられているシーンすらあるような気がしている。
参考までに、毎朝行われる朝会での”わいがや”の一部を紹介しておく。
朝会は一人が15分程度話すが、才流では、ミーティングの参加者はSlackのスレッドで思い思いにコメントしながら話を聞く文化がある。これが”わいがや”だ。(わいわいがやがやの略だと信じているが、真実は知らない)
下手なオフラインより圧倒的に騒々しく、人を近くに感じられる人が私以外にもいるのではないだろうか。
また余談だが、飲み会も誘えばフットワーク軽く来てくれる印象だ。
「この人と飲むけど来れる人はぜひ」みたいなtimelineも見かけたりすることもある。ウェットもドライも嫌だな、という人にはちょうどいい塩梅かもしれない。
8. みんな怖くないのか
正直に言おう。顔は怖い。わりと怖い。なんせプロフェッショナルなオーラと迫力を兼ね備えたデキる人全開な集団が、8割がた無表情で話を聞いているのだから。
営業が多くいる集団でよくある、ほほえみながらうなずき「聞いてますよ
」「楽しんでますよ」という意思表示をする文化はない。
最初は相当怖かった。え?私すでになんかやらかしてる?と不安になったほどだ。
だが私の不安は、すぐにわいがやが打ち崩してくれた。
無表情と思えた人たちは、無表情のまま「ww」というスタンプを送り、小ボケをかまし、時には口の端で小さく笑っていた。
事業会社の顧客折衝部門で働いていた人にはギャップがあるかもしれないが、入社した際にはぜひお声をかけてほしい。あなたを安心させるわいがやのURLを都度送ることをお約束する。
(表情が薄くてもカメラは常にONなので、カメラOFFでリモート会議をする文化に慣れている人からすると、相当やりやすいとは思う)
9. やりたい仕事はできているのか
ありがたいことに、できている。入社前は、「新規事業系か」「BtoBマーケか」という大きな選択があるのかと思っていた。
だが現在、新規事業側の案件も、BtoBマーケの案件も、新規事業の案件も、営業系の案件にも携わらせてもらっている。やりたいことの詰め合わせである。
また時短という制約条件において、任せてもらえることが狭まるのでは、という心配があったが、これも完全に杞憂だった。
これでもか、というくらいリスクを許容し、機会を作ってくれる組織はそうはないと思う。
与えられてるものが多い分、価値として返すべき総量が大きくなりすぎているのに不安を感じる瞬間さえあるほどだ。なんと贅沢な悩みなんだろう。
1年経って、才流に対して思うこと
入社前に説明されていたことには、嘘がなかった。(すごい)
ただ説明されていたこと以上に色々な特徴があると感じたので、最後に少しに触れていこうと思う。
すごい人に囲まれて仕事することってありがたい
2023年8月時点で、才流には400以上のメソッドがあるらしい。当たり前だがそれらは社員が作っている。世の中に毎週新しいメソッドを提供しているような集団なので、知識の広さも深さも、経験も半端じゃない。
その分野もSEOだったり広告運用だったりはもちろん、セールスイネーブルメントだったりCSだったりと多岐にわたり、少し大げさに言えばたいていの問題や疑問はSlackに投げるだけで解決できる。GhatGPTでまだまだ解決できないことも、SAIRUGPTなら瞬殺なので悩む時間がかからない。
また、このプロフェッショナルが得た最新の情報が社内でつぶやきとして収集できるので、最新の情報に効率良く触れることもできる。
これって、独立したり他社で働く上ではなかなか得られない福利厚生なのではないだろうか。
いわゆるコンサルワークじゃない
新規事業なら「お客様が初受注したー!やったー!!!!!」というコメントが様々なプロジェクトで飛び交う。
マーケプロジェクトなら「リード増えすぎて嬉しい悲鳴だって、よかったー!!!!!」、営業プロジェクトなら….と、とにかく顧客の成果に対して喜んだり、ときに相談したりする発言が多い。それだけ成果に対してコミットしているのだ。
先日のプロジェクトでも「同じ会社でのプロジェクトを見て、今使っているコンサル才流さんは違うなと思って、こっちもやってもらおうと依頼した」とおっしゃっていただいた。
実は転職前に、コンサルワークというものが自分のスタンスにあうのか心配だなと思っていたが、全然大丈夫だった。
思ったより断然価値発揮に集中できる
まずもって、余分な会議がない。毎週水曜日のもくもく会(コンテンツ作成タイム)と毎週金曜のコンサル相談・勉強会2時間以外は何もロックされていない。それ以外はプロジェクトに時間を使うことができる。
営業や提案活動に時間を使うこともない。コンサルタント自身が自分を社内外に売り込んでプロジェクトに入る、というよく聞く活動は全く必要がない。ただアサインされた案件に、持ちうる時間を集中投下して全力で価値提供をするだけだ。発揮された価値は事例になり、メソッドになって社外に出ていき、勝手に自分の価値を高めてくれる。
様々な面で、この価値発揮に集中できる環境はメリットが多いと感じる。
…さてここまで、どうにも才流の魅力が溢れすぎてしまった。入社後ギャップについての報告としては、ちゃんとネガティブな部分にも言及しておく必要があるので、念の為現実的なしんどさについても言及しておこうと思う。
知識の引き出しがあり、かつ構造化が得意でないと息切れがすごい
当たり前だが踏み込んだ提案には「なぜそうなのか」の説明が必要だ。これが感覚優位な人間がやると「え、そういうもんじゃん」となるし、私のような経験優位な人間がやると「だってそうだったんだもん」となる。原理を知り、経験を当てはめ、その融合と抽象化によってメソッドに昇華させ、顧客に合わせて提案を行う。これは構造化が得意ではない人にとっては相当しんどいだろうと思う。私も得意であると胸を張れるレベルではないので、毎回生みの苦しみがある。
ただし、大概のものは既にメソッドがあるので安心してほしい。本当に8割のことは「ここに書いてあります、才流メソッドです」で解決できる。頑張る必要があるのは一部のプロジェクトの一部だが、その一部のアウトプットが日常乱用している才流メソッドのクオリティと比較されるため、構造化ができないとちょっとしんどいよ、という話だ。
人の顔色が気になる人にはちょっとつらい
テキストコミュニケーションはうまいが、表情が豊かな方ではない。というより、相手のために笑顔をつくって相槌をうってあげよう、という文化はない。断言する。ないのだ。
また「みんなが納得できるように」という概念的な顔色の伺い方をする人にも才流という環境はしんどい可能性が高い。なぜならみんな、言いたいことを言う。何かを相談しても、もはや相談しなくても、その時思う自分の考え、知っている情報を惜しみなく提供してくれる。だから、すべてを真摯に受け取って、さらにはその行間を気にする人は無駄に消耗してしまうだろう。たいがい、そこに行間…その発言に込められた強い意図やねらいは存在しないのに。(狙いがある場合は明確にかかれている、それはもう明確に。)
例えばだが、「インタビューの書き起こしがしんどい」と呟いたとする。その返信に「インタビューって30分じゃないの?」という返信がきたとする。ここには「まさか60分やってないよね?」という意図はない。ただ30分でしんどいのか、それ以上だからしんどいのかを確認したうえで想定できる解決策を提示しようとしてくれているだけだ。
こういった感じで、2つの意味で「人の顔色がきになる」というタイプには、才流は少ししんどいかもしれない。
インプット得意じゃないとしんどい
いわずもがなだがAIしかり、世の中の動きはどんどん加速している。才流に依頼をくださる顧客も、当然多くの知識と経験を持たれていて、そんな方に対して才流のコンサルタントは価値を発揮していかなくてはいけない。
当然だが才流のコンサルタントは顧客が浴びている以上の情報をあび、思考を巡らせる必要がある。このしんどさを助長させているのが、残業はしない社風というところだ。量・質に加えてスピードまで要求されている。そもそも読書家でない私にとって、これはもうめちゃくちゃにハードルが高い。才流の先輩陣が提供してくれている質の高い最新情報にくらいついていくのも正直精一杯であることは、この後入ってくる人のために正直に公開しておこうと思う。
と、色々書いてみたが、正直にいえばかなりひねり出したものだ。
1年前に聞いた、なかなか悪いところがみつかりづらいというのは本当のことだった。
おわりに
本当にだめなところは「ボケが少なくツッコミが弱い」だけなのか
確かに1年前、私が知る限りボケているのは2人だけだった。
が、この1年で多くの方に入社をいただいた才流。
当然ボケ担当も微増し、朝会のたびに爆笑させてもらっている。
1年前に言われていた唯一の課題も現状は解消方向に向かっている様相なのでご安心いただきたい。
timelineの様子↓
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