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栗駒山

 今年も残すところ僅かになりました。歳を重ねるごとに時間の経つのが早く感じられます。
 新海誠監督のアニメ「すずめの戸締まり」をみてきました。主人公のすずめが宮崎、愛媛、神戸、東京、そして北に向かって原発で帰還困難区域の看板を横に北上、最後にたどり着く被災地はすずめの生まれ故郷。後ろに座っていた方がすすり泣くのが聞こえました。私たちもボランティアで被災地に入りました。そこで目にしたあの光景は決して忘れることはできません。
 東日本大震災から11年、泰が急性リンパ性白血病を発症してから今年で10年、亡くなってから2年と5ヶ月が過ぎました。すずめと共に旅をする椅子になった草太が「生きたい、死にたくない」と言うのを聞いた時、泰が何度かつぶやいた言葉と重なり涙がこぼれました。

 仙台も時折り雪が舞い、庭を歩くと霜柱がジャリジャリと音を立てて崩れる季節になりました。日本海沿岸部は豪雪です。仙台は積もるほどの雪はほとんど降ることはありません。うっすらと白くなっても陽が昇るとすぐに解けてしまいます。それでも朝晩の冷え込みはかなり厳しくなり、遠くに望む蔵王連山の頂は真っ白になりました。

蔵王連山  2022年12月

 自然が色鮮やかだった季節はとうに過ぎてしまい今年ももう終わりですが、身近なところで歩いた秋を振り返ってみました。このシリーズでは次の順序で12の見所を紹介します:
①栗駒山 ②二口渓谷 ③泉ヶ岳 ④紅葉川渓谷 ⑤山寺立石寺 ⑥近所の紅葉 ⑦磊々峡 ⑧定義山 ⑨只見線 ⑩柳津虚空蔵尊 ⑪塔のへつり ⑫猫駅長のいる駅

 紅葉の名峰、栗駒山
 
仙台から東北自動車道で北上、広々とした大崎平野を過ぎる頃、朝日が昇って間もない東の空にガンの群れ、日本国内で2番目にラムサール条約に登録された伊豆沼が近くです。

栗駒山

 紅葉の時期、栗駒山の登山客は驚くほど多く、中央コースはマイカー規制があり登山口のイワカガミ平へはシャトルバスに乗り換えなければなりません。
 あいにく雲が多く風の強い日でしたが、神の絨毯と称される紅葉はやはり見事でした。

栗駒山

 標高1,627mの山頂付近は既に紅葉は終わり、中腹辺りが見頃でした。登山者はみな強い風を避け僅かな窪地で思い思いの昼食をとっています。
 もちろん私たち(4人の年齢総計285才の昔の山ガール)も少しでも風を避けておにぎりを頬張りました。中には強風にもめげず、コッヘルでお湯を沸かしカップラーメンを食べている若者たちもいました。

栗駒山を背景に

 野鳥の会、ブナを守る会のメンバーもいて、山好きはやっぱり同じように自然を求めて歩くようで、途中でバッタリお仲間に会ったりして情報交換していました。

(株)YAS

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