授業料は高額か?
さて、引き続き保護者からの相談内容の多くに、「現在通っている塾・予備校の授業料は高額だと思いますか?」というご質問があります。
その答えは「生徒の学習状況次第です」と答えるしかありません。
そこから具体的に
●塾・予備校の指導内容・授業内容・スケジューリング
●生徒の現在の実力・自習状況
●塾・予備校の雰囲気や自習環境
などを確認しつつ、保護者の方に高額か低額かを判断していただいています。
基本的に、集団授業であれば生徒が現在通っている学校の授業と比較して、個別授業であれば一般的な個別指導の塾の平均的な授業料とを比較して判断していただくことになります。
総じて、大手の予備校の集団授業であれば低額、ほとんどの個別指導は高額との判断になることが多いように思います。
大手予備校が低額である理由は、ほとんどの中学・高校の授業よりは質が高い授業を提供しているからです。
また個別指導が高額である理由は様々ありますが、主な理由の一つに、多くの授業で宿題を忘れた場合、授業の半分が宿題をやらせる時間となるため、実質的には倍の料金になることがあげられます。
さて、以前に書きましたが、個別指導が良いか集団授業が良いかは、究極的には生徒に向いているものを選ぶべきですが、基本的な考慮要素として、
●超難関校、難関校、標準校、どこでもよい
●集団授業、個別指導、映像授業
●受験科目
●記述対策、選択式問題対策
●自習環境
を軸に考えることをお勧めいたします。
例えば、東大・文系志望の現役生(高2)であれば、まずは基本的な学力を身に着けるために、「超難関校・集団授業・必要な科目(基本的には英語と数学)・記述対策」を選択することが標準的な選択です。
上記は一般的な決め方ですが、生徒の性格・タイプによって、必ずしも集団授業が正解とは限りません。
東大文系志望の生徒であっても、習い事や部活で忙しい生徒で曜日固定の予備校に通えない生徒、既に入試の基礎知識が身についている生徒、集団授業では注意力が散漫になるタイプの生徒であれば個別指導のほうが向いているでしょう。ただし、東大志望者であれば個別指導で東大対策を実践できる講師がほとんどいないことがネックです。ここで注意しておきたい点は塾長やチューターなどが「東大受験生指導できます」と言っていたとしても、現実にはただ答えや解説を読み上げるだけだったり、抽象的な解説にとどまったり、あるいはその問題の解説だけで入試問題の傾向や全体的な対策を説明できないなど、指導力不足の講師に当たることが多々あります。
難関大志望者にとっては自学自習もかなり重要です。
家や自分の部屋で勉強できれば問題はないのですが、東大や京大合格者であっても自宅学習ができない人もいます。その場合、学校の教室、学校の図書館、公共の図書館、塾や予備校、喫茶店やカフェなど、自分に合った学習環境を探し、構築する必要があります。保護者の方々は、意外とこの自習環境の大切さを重要視していない方が多いようです。基本的には授業時間よりも自習時間が多くなるため、個人的には自習環境を最優先にして塾・予備校選びをしたほうが良いと思います。難関校や偏差値上位行の対策授業では、授業自体の内容に大きな差がないからです。
塾や予備校に通う場合は、このような自習環境を含めて考えると大きな判断材料になると思います。
最後に、こちらでの授業では、入試問題、あるいは入試問題に類似した問題集・演習問題を使用していますが、必ず授業時間と同程度の予習と指定した基礎問題集の自習、そして授業時間と同程度の復習を指示しており、授業時間の4倍程度は自習よりも密度の濃い勉強内容になっています。自分の方針は他の塾・予備校に所属していたころから変わらないため、授業時間に宿題をやらせ、多田丸を付けて少し開設するだけの講師と、授業料は変わらないのに内容に大きく差が出ていたように思われます。
もちろん、良くも悪くも生徒の実力と問題の相性によってかかる時間は大きく増減しますが、難関校受験生は空いた時間も有効活用する生徒がほとんどであるため、これまでの生徒で授業料を無駄したという生徒はほとんどいなかったようです。
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