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Toddy's Episode スピンオフ編

  ※こちらはToddy's Episode本編では取り上げてこなかったエピソードになります。主にトッド・ブラックアダーHCと繋がりのある方を主人公に取り上げています。見出し画像は最新エピソードに合わせて更新します。また本編はこちらから↓


Spin-Off Episode 1 英国の若き天才

 2016年、クルセイダーズHCを退任したトッド・ブラックアダーHCはイングランドプレミアシップのバースのディレクター・オブ・ラグビーに就任した。
 そこで出会ったイングランドの若き天才SOジョージ・フォード(当時23歳)について以下のように評価している。

He's very much the same as Dan Carter was at this stage of his career. 
When it comes to the technical and tactical side, he just gets it. You come across one or two natural leaders, but he's got it all there.
Not many No 10s are brave when it comes to putting their bodies on the line. George puts his body in some hard places.

彼はダン・カーターの若い頃にとてもよく似ている。テクニック面や戦術面を理解し、人生で1人か2人しか出会うことのないリーダーであり、全てを持っている。ジョージは厳しい局面でも体を張ることができる。体を張ることができる10番は多くはない。

He's very much like Kieran Read - it's like having a conversation with him. He's almost like a professor of the game.
In training he is talking about the games. He understands defence and he understands attack.

彼はキーラン・リードにもよく似ている。まるでリードと話しているようだ。彼は試合の全てに精通したプロフェッサーのようである。
練習中も試合について話していて、攻撃も守備も全てを理解している。

トッドHCのインタビュー
https://www.espn.com/rugby/story/_/id/17395265/player-generation-george-ford-par-dan-carter-todd-blackadder
https://www.skysports.com/amp/rugby-union/news/12321/10568444/todd-blackadder-backs-george-ford-to-be-as-good-as-all-blacks-great-dan-carter

 ジョージ・フォードは1993年生まれ、レスター・タイガースでキャリアをスタートし2013年からバースでプレーしていた。世代を代表する選手の1人であり、現在もイングランド代表としてラグビーW杯2023フランス大会に参加している。2019日本大会にも出場した。
 フォードの能力の高さ、リーダーとしての資質をすぐに見出したトッドHCは彼をバースの副キャプテンに任命することにした。

 低迷した前年からの立て直しを目指した2016-17シーズンは、プレーオフには届かなかったものの、格上と目されていたサラセンズを撃破するなどチームの調子は上向き、最終的に5位でシーズンを終えた。

 だがジョージ・フォードはこのシーズンを最後にバースから去ることになった。

***


 ジョージ・フォードにはマイク・フォードという父親がいる。
 マイク・フォードはラグビーの指導者であり、成績低迷により解任されたバースの前HCであった。

 マイク・フォードが解任される時、息子であるジョージ・フォードは全ての責任が父にあるわけではない、とチームの決定に強く反対した。
 解任前年の2014-15シーズンのバースは決勝に進出するほどの躍進を果たし、優勝は出来なかったものの過去10年間では最高の成績であった。一方2015-16シーズンはケガ人の多発などもあり低迷。オーナーのブルース・クレイグによりマイク・フォードは解任されてしまった。

It was difficult. I'm not going to say it wasn't. I didn't agree with it -- I'd be daft if I did agree with it. The reason I was so upset and disappointed ... well, it's your dad at the end of the day, so you're going to be,

とても難しく、そうでなかったとは言いません。解任に同意できなかった。もし同意していたとしたそんな愚かなことがあるでしょうか。私が動揺し落胆した理由は、結局のところそれが父のことだったからでしょう

ジョージ・フォードのインタビュー
https://www.espn.co.uk/rugby/story/_/id/17998570/england-george-ford-did-not-agree-bath-sacking-father-mike-ford

 ジョージ・フォードにとってバースでのラグビーは楽しい思い出でもあったが、父の解任によりオーナーとの信頼関係は完全に崩壊、結局2016-17シーズンを最後にバースから移籍することになった。
 チームとしてこの移籍を認めるかどうか、という議論もあったようだがトッドHCは父を思ったこの若き天才の行動を支持し、その才能を惜しみながらも移籍したいという意思を尊重すべきと発言。最終的にチームもジョージ・フォードの移籍を認めることになった。

If George makes a decision to leave at the end of the year, that will be his decision and it will be one that we will respect.
もしジョージが移籍するという決断をするのなら、それは彼の決意であり我々はそれを尊重する

トッドHCのインタビュー
https://www.independent.co.uk/sport/rugby/rugby-union/club-rugby/bath-allow-george-ford-desire-leave-sale-sharks-england-flyhalf-rugby-a7486446.html


***

 父思いの若き天才は現在30歳となった。
 イングランド代表として、W杯準決勝南アフリカ戦のリザーブメンバーにも入り、今日大一番を迎えようとしている。(2023年10月21日掲載)

*参考:今回参照した記事です

Spin-Off Episode 2 トロフィーまでの10万km

クウェイド・クーパー(左)ウィル・ゲニア(右) 
出典:https://www.espn.com/rugby/story/_/id/31214528/will-genia-quade-cooper-talk-queensland-reds-japanese-rugby-rethinking-their-approach

 2011年2月22日に発生したクライストチャーチ近郊を震源とする地震はNZカンタベリー地方に多大な被害をもたらした。クルセイダーズが本拠地としていたAMIスタジアムも地震被害により使用できなくなってしまったが、逆境のクルセイダーズは各地を転戦してプレーオフに進出、そして決勝に辿り着いた。レギュラーシーズン、プレーオフを通じたチームの総移動距離は10万kmに及んでいた。

 Super Rugby 2011の決勝戦の相手はクイーンズランド・レッズ。決勝戦はレッズの本拠地ブリスベンに行われた。なおクイーンズランドも2010年11月から翌年1月までに、大雨による洪水により甚大な被害を受けている。

 HCとして初の決勝に臨むにトッドHCは、このシーズンのレッズについて次のように振り返っている。特に注目すべき選手はSHウィル・ゲニア選手SOクウェイド・クーパー選手であった。

"Not just last week, it's been all season. I take my hat off to them. Week in, week out, they haven't been rotated, they've fronted for the Reds and [they] have played some brilliant rugby this year.
 準決勝だけでなく、彼らはシーズン通じて素晴らしく脱帽する。彼らはレッズを牽引し今年素晴らしいラグビーを展開してきた。

"Cooper is just sublime. He did things in the semifinal that were just unbelievable. He's certainly going to be a challenge for us."
 クーパーは格別である。準決勝でのパフォーマンスは信じられない。明らかに我々にとって強敵になるだろう

Rugby: Crusaders' emotions on ice for final
https://www.nzherald.co.nz/sport/rugby-crusaders-emotions-on-ice-for-final/ERGOPWSXFLGNGEBONTVYDD7HGQ/

"Quade Cooper has just been in unbelievable form, he is taking on defensive lines and breaking them," Blackadder said. "I think they will just keep playing to their strengths ... a good counter-attack and continuity game and they have got a great launch and they showed that last week when they cut through the Blues."
 クーパーは信じられないくらい調子が良い。(相手の)ディフェンスラインを操りブレイクする。そしてそれは彼ら(レッズ)の強度を維持する。良いカウンターアタックを実行し、継続性を持って試合を行えている。ブルーズ戦は立ち上がりから素晴らしかった。

Quade Cooper's cult grows in Queensland
https://www.stuff.co.nz/the-press/sport/5246089/Quade-Coopers-cult-grows-in-Queensland

"They have got Genia running around the sides of the rucks with their forwards and they can roll out the back to Cooper. When they get on the front foot they have got a lot of threats and we have got to be defensively sound."
ゲニアはFWが形成するラック周辺を駆け回り、後ろにいるクーパーにボールを展開する。彼らが前を向いてプレーする時、我々は大きな脅威にさらされるのでしっかり守備をしないといけない。

Quade Cooper's cult grows in Queensland
https://www.stuff.co.nz/the-press/sport/5246089/Quade-Coopers-cult-grows-in-Queensland

 またクーパーはスクラム時には後方フルバックの位置に立つことが多く、先行してプレッシャーをかけるにしても遠い位置にいるために、それも容易でないという特徴があった。

 決勝に臨むにあたりトッドHCは以下のように述べている。

"There's a lot of emotion there, but these games aren't won purely on emotion. There's motivation, but we've got to be clinical when it comes to executing the game plan and delivering a performance on the field," Blackadder said.
 多くの感情が去来するが、純粋に思いだけで勝てる試合はない。モチベーションはあるが、ゲームプランを遂行しピッチでパフォーマンスを発揮するために冷静な分析が必要である。

"We need to put the emotion behind us, and we have done so this week, so we can focus on putting a performance on the track."
 我々はその感情を忘れる必要があり、今週そのように過ごしてきた。なのでパフォーマンスを発揮することに集中できる。

"We're not getting ahead of ourselves. We haven't done anything yet," Blackadder said.
(決勝に進出したが)我々は先に進んではいない、まだ何も成し遂げていない

Rugby: Crusaders' emotions on ice for final
https://www.nzherald.co.nz/sport/rugby-crusaders-emotions-on-ice-for-final/ERGOPWSXFLGNGEBONTVYDD7HGQ/

 2011年7月9日に行われた決勝戦でクルセイダーズは、ゲニアとクーパーのハーフバックスを中心にレッズに対して強烈なプレッシャーをかけプレーを制限する戦術を取った。レッズのユアン・マッケンジーHCもそれを承知でゲニアとクーパーを軸としてチーム全体をコントロールする戦術を取りこれを迎え撃った。

(参考:Super Rugby 2011 Final)

 レッズサポーターが埋め尽くすサンコープスタジアムにおいて、試合は両軍による激しい肉弾戦、一進一退の好ゲームとなった。クルセイダーズのダン・カーターがトライを決めれば、クーパーは反撃のPGを決めた。
 試合中盤まで13-13のイーブンで試合が進んだ。

 均衡を破ったのはウィル・ゲニアであった。クルセイダーズの包囲網の中、自身がボールをキープすることで生じた一瞬のギャップを突いて自陣10mライン付近から一気にゲインし、自らトライラインまでボールを運んだ。
 5点リードしたレッズの防御陣を突き崩す術はクルセイダーズには残されていなかった。厳しく統率されたレッズDFはクルセイダーズの侵入を寄せ付けずそのままタイムアップ。レッズが見事に優勝を果たした。

 当時のメディアやラグビー関係者はクルセイダーズの敗因を長距離移動による疲労によるものとする論調も多かった。当時ワラビーズHCであったロビー・ディーンズ氏でさえ「準決勝を南アフリカで行って戻ってきてブリスベンで決勝を戦うことは大きな難題だ(it would be a massive challenge for the Crusaders to go to South Africa for a semifinal then come all the way back to Brisbane for the final.)」と述べている。
 決勝戦後のメディアも、来シーズンクライストチャーチで試合をすることが出来れば新たな結末があるはずだ、とするものが多かった。

 しかしトッドHCはこの状況を決してネガティブなものとして捉えていなかった。決勝戦の前にこのシーズンを以下のように振り返っている。

Blackadder said the time on the road had had one big advantage.
"Adversity brings people together. We all share a common bond and have had to get on with it. It's probably worked for us."
 逆境は人を団結させる。我々は絆で結ばれ、それ(置かれた状況)を乗り越えねばならなかった。おそらくそれは我々に取ってうまく行ったはずだ。
As to any lingering suspicion that the wearying travel schedule might finally take its toll, Blackadder dismissed it.
"We're physically fit and mentally strong so we're good to go."
私たちはフィジカルもフィットしているし、精神的にも強いから大丈夫さ

Rugby: Crusaders' emotions on ice for final
https://www.nzherald.co.nz/sport/rugby-crusaders-emotions-on-ice-for-final/ERGOPWSXFLGNGEBONTVYDD7HGQ/


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 今回は2024年3月2日に行われるブレイブルーパス東京対花園ライナーズ戦に先立ち、トッドHCとウィル・ゲニア選手&クウェイド・クーパー選手のエピソードを記載しました。

 この試合から13年経っても第一線で活躍するゲニアとクーパーが共にメンバー入りしているライナーズに対して、トッドHCは油断することなく臨むと思います。きっと素晴らしい試合になるはずです🐺🔥

(2024年2月29日掲載)

*参考:今回参照した記事です

Spin-Off Episode 3 レジェンド達の明暗

 2014年8月2日、オーストラリアのシドニーで行われたSuper Rugby決勝ではレギュラーシーズン首位のワラターズと2位のクルセイダーズが激突した。トッドHCにとって2度目の決勝である。
 当日は当時スーパーラグビー史上最多動員となる61,823人がシドニーのANZスタジアムに集まった。過去7回優勝経験があるクルセイダーズに対して、優勝経験がないワラターズであったが、試合はワラターズの優勢で進んだ。

(参考:Super Rugby 2014 Final)

 試合開始早々のアダム・アシュリー・クーパーのトライと3つのPGを決めてワラターズが14点をリードした。クルセイダーズの反撃は18分、カウンターの応酬から展開し大外にいたマット・トッドがトライを決めて14-7とスコアを戻した。
 だがそのトライの数分後、CTBとして出場していたダン・カーターが負傷によりトム・テイラーとの交代を余儀なくされる。それでも後半開始早々にナドロのトライでワラターズに追いつくと、その後のPGにより一時クルセイダーズが逆転した。

 しかしホームの大声援を受けるワラターズは62分に再びアダム・アシュリー・クーパーのトライで30-26と再逆転に成功。対するクルセイダーズもこの後2本のPGを決めて30-32とクルセイダーズ2点リードで試合は最終盤に入った。


リッチー・マコウ
出典:https://www.sbs.com.au/news/article/mccaw-says-he-should-have-done-better/pfiaagpib

 最後の最後でこの試合の運命を分けたのはリッチー・マコウが犯したミスであった。78分、ブレイクダウンに対してサイドエントリー気味にアプローチしたマコウに対しレフリーは注意をしたが、マコウはそのままラックから脱出できず、それでペナルティを取られてしまった。
 ゴールのほぼ正面、距離は44mの位置であった。


バーナード・フォーリー
出典:https://www.couriermail.com.au/sport/rugby/nsw-waratahs/bernard-foley-pushes-limit-to-land-44metre-penalty-goal-that-wins-super-rugby-title-for-waratahs/news-story/39e701f6f006f73e011c45e8a635e994

 残り時間を考えると決めれば優勝、外せば準優勝となる可能性が極めて高い運命のPGを蹴ったのは当時25歳のバーナード・フォーリーであった。

 フォーリーの蹴ったロングショットは、ゴールのバーをわずかではあったが超えていきワラターズが79分30秒で逆転した。すぐにリスタートしたクルセイダーズであったが逆転するための時間はもはや残されておらず、そのまま試合は終了した。
 1882年に創設されたワラターズが132年の歴史を経てSuper Rugby初優勝のタイトルを掴んだのである。

 優勝の立役者になったフォーリーであったが、この年フォーリーらワラターズの選手達にキックを指導したのはトッドHCの長年の戦友でもある元クルセイダーズ&All BlacksのFHアンドリュー・マーテンスであった。
 本来のキック距離が約40mのフォーリーはマーテンスと共に飛距離を伸ばすためのトレーニングを積んだ。フォーリーは長年、練習後のキック練習を誰よりも遅くまで続けてきた。彼のその努力が最後の最後で結実したのであった。

***

 レジェンド選手達の明暗が分かれたこの試合について、トッドHCは次のように振り返っている。

Blackadder said he would have liked another look at referee Craig Joubert's fateful decision.
"It was 50-50 I thought, it could have gone either way," Blackadder said.
 (リッチー・マコウのペナルティの判定について)フィフティ・フィフティでどちらに転んでもおかしくない判断だったと思う。

"It comes down to those moments doesn't it? There was nothing between the sides.I was really proud of the way our guys fought back.
 その(判定の)瞬間が全てだったのではないか。両チームにはほとんど差がなかったと思う。(当初14点リードされてからの)選手達の反撃を本当に誇りに思っている。

"NSW have been the best team all season and they showed that tonight at the end didn't they, so that's a credit to them.
 ワラターズは最高のシーズンを過ごしてきて、今夜もそれを示した。その功績に値すると思う。

"Coming second is not much fun, I can tell you that," Blackadder said.
 でも2位に甘んじることに良い気はしない。それははっきり言える。

"It wasn't great losing him so early, but that's just life.
(ダン・カーターの負傷交代について)彼をあんなに早く失うのは良くないことだ。だがそれも人生だ。

"I thought the guys that went out there did a pretty good job and Sladey (five-eighth Colin Slade) stepped up and kicked the goals that he needed to and Tom Taylor ran bloody well.But you don't like to lose those influential players."
 出場していた選手達はとても良くやったと思う。コリン・スレイドはステップアップしてショットを決めたし、トム・テイラーは必死に走ってくれた。だがダン・カーターのような影響力のある選手を失うのは痛手だったよ。

Blackadder laments last-minute 50-50 call
https://www.stuff.co.nz/sport/10341879/Blackadder-laments-last-minute-50-50-call


 リッチー・マコウは優勝を逃したことに落胆し、以下のようにコメントしている。

"It's pretty disappointing really but at least you rolled the dice and that's what can happen and I'm pretty gutted mate," a dejected McCaw said.
 本当に残念だ。だが賽を振った以上起こり得ることだし、とてもがっかりしているよ。

"Yeah, but 50-50, those moments I probably should have known better really.
 (ペナルティの判断は)フィフティ・フィフティだったが、おそらく私はもっと良く理解するべきだったと思う。

"I guess that's what pressure and those sort of moments come down to, being able to back your D and perhaps I opened the door for the ref to make a decision and whether you agree or disagree that's the way it was and unfortunately he kicked the goal.
 おそらく感じていたプレッシャーがあり、その瞬間に出てしまったのだと思う。多分私がレフリーが決断するドアを開けてしまった。そして不運なことに彼(バーナード・フォーリー)がキックを蹴った。

"I'm pretty annoyed, but I can't do much about it now. It's one of those things you've just got to live with."
 かなりイラつくが、どうすることもできない。こういうことも受け止めて生きていくしかないんだ。

McCaw added: "There's been a lot of hard work go into getting to here and to trip up like we did is pretty frustrating.
 決勝に来るために本当にハードワークしてきたんだ。ここでつまづいてしまったことは本当に悔しい。

"But you look at the game, we did bloody well to get back into it and I think that's the most disappointing part, that we got ourselves back and gave ourselves a chance and one or two moments are the difference in big games and that's the way it is."
 我々は試合を取り戻すために必死にプレーしたと思う。だからこそとても落胆しているんだ。自分たちで取り返しチャンスも掴んだが、ほんの少しの違いがビッグマッチにはあり、今回もそうだったのだと思う。

McCaw says he should have done better
https://www.sbs.com.au/news/article/mccaw-says-he-should-have-done-better/pfiaagpib


 一方、優勝を手繰り寄せる値千金のショットを含む8回のゴールを決めたバーナード・フォーリーは次のように振り返った。

“Mehrts has been good this year, I’ve had a fair bit to do with Mehrts and we’ve sort of worked on putting a bit more length in the kick, and it proved a bit tonight,” Foley said.

 マーツ(キッキングコーチのアンドリュー・マーテンスの愛称)は今年よくやってくれたよ。マーツとはキックの飛距離を伸ばすために取り組んできたんだ。今夜それを証明することが出来たね。

“It’s probably my maximum range, normally I let KB (Kurtley Beale) take the longer ones but I’d been hitting them well tonight and I thought it would be my responsibility,” Foley said.
“That’s why you kick goals, is to take that extra responsibility. To do it out here on this stage is something very special.

 おそらく(最後のPGは)自分の最長レンジだし、いつもはカートリー・ビールに蹴らせるのだけど、今夜の自分は当たっていたし自分が決める責任があると思ったんだ。
 キックを蹴ることはさらなる責任を担うためだよ。それをこの舞台で披露できるのはとても特別なことだね。

“The rugby gods were smiling, it just snuck over.
“It was just reward for what the team had done this year, we’ve fought very hard all year.
“To win like that is a dream come true.”

 ラグビーの神様が微笑んでいて、寄り添ってくれたんだ。それは今年チームが成し遂げたことへのご褒美だったかもしれないね。私たちは本当に一年を通して闘ってきたんだ。
 あのような形で勝つことができて、ついに夢が叶ったんだ。

“I was fine, I try not to get too carried away with those things,” he said.
“A few players came up and tried to say something, I tried to brush them off because you don’t want to get caught up in it.
“You want to go through your normal routine, your normal kick, and live with the consequences after.

(最後のPGを蹴ることについて)私は大丈夫だったよ、あまり重く受け止めすぎないようにしているんだ。(蹴る前に)何人かが寄ってきて何かを言おうとしていたけど、気が散るから払い除けようとしたよ。通常のルーティンでいつものキックを行って、それによって起こった結果を受け入れて生きるべきと思っていたからね。

“It was lucky it went over.
“(It is) surreal, definitely a dream come true, and a relief for the amount of work we’ve put in this year.
“You don’t deserve anything, but I thought we’d earned it. It’s a testament to the team for how hard they’ve worked for the last 18 months.

 幸運にもボールはバーを超えてくれた。
 現実とは思えないような、最高の夢が実現し、この年の多くの仕事が報われた安堵感を感じたよ。他の人には価値がないかもしれないけど、私たちはその安堵感を獲得することができた。それは過去18ヶ月間、チームがどれほどの懸命に仕事をしてきたかを証明するものだと思う。

“And for the Waratahs, the amount of history, so much pride in this jersey and this club, to do it for them was very special.
“It’s in your wildest dreams to win a thing like this.”
 そして歴史あるワラターズにとって、このクラブとジャージに存在するプライドにとって、優勝することができたのはとても特別なことだよ。
 このように優勝することになるなんて夢にも思っていなかったね。

Bernard Foley pushes limit to land 44-metre penalty goal that wins Super Rugby title for Waratahs
https://www.couriermail.com.au/sport/rugby/nsw-waratahs/bernard-foley-pushes-limit-to-land-44metre-penalty-goal-that-wins-super-rugby-title-for-waratahs/news-story/39e701f6f006f73e011c45e8a635e994


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 今回は2024年4月7日に行われるクボタスピアーズ船橋・東京ベイ対ブレイブルーパス東京の試合に先立ち、スピアーズに所属するバーナード・フォーリー選手のエピソードを記載しました。
 今季負傷離脱しているフォーリー選手ですが、長年鎬を削ってきたモウンガ選手とマッチアップする日が来るのが大変待ち遠しいですね🔥

(2024年4月1日掲載)

*参考:今回参照した記事です


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