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2023-24 ブレイブルーパス東京展望③ 新加入選手について

 リッチー・モウンガ選手とシャノン・フリゼル選手の加入に加えて、2度新規加入選手のアナウンスがありました。2人については先日記事にまとめたので、今回はその他の新加入選手についてご紹介します。(私の知りうる限りの情報で恐縮ですが、読んでいただいた方に何か得るものがあれば幸いです…!)


2023年度新加入選手一覧

来季からチームには以下の11人が加わります。今回の記事ではモウンガ選手、フリゼル選手以外の他9人の選手に触れていきたいと思います。

  • SO リッチー・モウンガ選手

  • FL/LO/No.8 シャノン・フリゼル選手

  • HO 林 琉輝 選手

  • PR 葛西 拓斗 選手

  • LO/PR アサエリ・ラウシー選手

  • LO/FL イオセファツ・マレコ選手

  • LO アニセ・サムエラ選手

  • LO/FL PJ・スティーンカンプ選手

  • CTB ロブ・トンプソン選手

  • UTB マイケル・コリンズ選手

  • CTB/WTB 岩渕 誠選手

  • SH 田中 元珠 選手

※チーム公式からのアナウンス順&掲載順

HO 林 琉輝 選手

生年月日:2000年9月29日
身長・体重:171cm 97kg
出身地:神奈川県
経歴:日本大学高校→日本大学
リーグワン登録カテゴリ:A
猛勇狼士チーム分け:勇

 林選手については学生時代のプレーを見たことがなく、また過去の試合記録にもなかなか辿り着けなかったのですが、3年生ですでにリーグ戦の試合に出場していて、4年生ではスタメンHOの座を勝ち取っています。
 3年生の時は大学選手権準々決勝へ進み、ラウシー選手擁する京都産業大学と対戦しその試合にもスタメンで出場しています。
 4年生の時は菊谷監督の厳しい指導を耐え抜いて、晴れてブレイブルーパスに入団したと思うので、大変楽しみです!

 (関連動画)
 トレーニングに励む林選手。大学に入ってから体重を大幅に増やして身体を大きくしたとのこと。根性ナイスです!!

 また林選手のプロフィールについては、日本大学ラグビー部がまとめている以下の記事に詳しく、また分かりやすいです。

 ディズニーに100回以上行っていて、予防美容にも力を入れていて、好きな食べ物はアサイーボウル…と女子力が高すぎる林選手ですが、個人的にはサインが洗練されていてとても好きです!

 またラグビーだけでなく、多趣味で夢が多くて良いですね。トッドHCもラグビー選手だからと言ってラグビーだけに打ち込むよりも、1人の人間としてさまざまなことにチャレンジして人生を豊かにすることがラグビー選手としての成長にとっても大切、と言っていたことがあります。
 縮こまらず様々なチャレンジをしてスケールの大きな選手になって欲しいです!

PR 葛西 拓斗 選手

生年月日:2000年4月9日
身長・体重:184cm 110kg
出身地:東京都
経歴:流経大柏高校→明治大学
リーグワン登録カテゴリ:A
猛勇狼士チーム分け:猛

 流経大柏高校では花園にも出場した葛西選手ですが、明治大学では怪我の影響もあり、あまり出場機会には恵まれなかったようです。苦しい時期も多かったと思いますが、その分ブレイブルーパスでの活躍が楽しみな選手です!
 ブレイブルーパスには学生時代はあまり有名でなかった選手も多いのですが、それでも今は日本代表に召集されるくらいの選手に成長した先輩はたくさんいますし、葛西選手にも後に続いて欲しいですね。将来が楽しみです!

 ちなみに葛西選手は浦安D-Rocks所属の小西選手とご友人のようです。共に困難を経験した二人がリーグワンのプレイヤーとして対決する日が楽しみですね。

LO/PR アサエリ・ラウシー(Asaeli Lausii)選手

生年月日:2000年1月26日
身長・体重:190cm 111kg
出身地:トンガ
経歴:日本航空石川→京都産業大学
リーグワン登録カテゴリ:B
猛勇狼士チーム分け:勇

 ラウシー選手は昨年の大学選手権を数試合観戦してチェックしたのですが、何よりも巨大なフィジカルを活かした接点の強さが特徴だと考えています。学生レベルだとその強さは群を抜いていて、2022年度大学選手権では京都産業大の準決勝進出にも大きく貢献しました。
 また京都産業大学1回生の時にはブレイブルーパスの伊藤選手と共にLOとして出場していたようです。

2019年12月15日 大学選手権三回戦京都産業大学対日本大学戦メンバー表(抜粋)
伊藤選手は当時主将でした。

 伊藤選手がラウシー選手をブレイブルーパスに勧誘してくれたかは不明ですが、同じ京産大出身の濵田選手、伊藤選手に続いて早く試合に出て欲しいですね。

 ちなみに加入時のポジションはLO/PRということですが、FLでもプレーが出来るようです。先日のフリゼル選手の記事で書いたようにFLでの出場も大いにあり得ると予想しています!

LO/FL イオセファツ・マレコ(Iosefatu Mareko)選手

生年月日:1998年4月30日
身長・体重:189cm 110kg
出身地:サモア
経歴:レウルモエガフォカレッジ→日本大学
リーグワン登録カテゴリ:B
猛勇狼士チーム分け:士

 マレコ選手も学生時代のプレーをほとんど見たことがないのですが、日大4年生時には多くの試合にLOとして出場しています。
 昨季の埼玉ワイルドナイツとの11人制練習試合に出場している姿を見ましたが、雨の中でも機敏に動いていてワークレートの高い選手だな、と思いました。

 また元U-20サモア代表でもあり、当時のU-20の大会でのダイヤの原石となりえる6人のうちの1人にセレクトされています。その時の評価がこちら↓

Iosefatu Mareko, Samoa
A close call, with a more than an honourable mention for Mareko’s partner in the Samoan engine room, Wesley Patu. Similar to Schickerling, Mareko’s natural size has helped him dominate the competition at the Trophy, but that shouldn’t detract from a good all-round skill set and a technical ability that will mean he isn’t a fish out of water when he steps up to the senior level.
In fact, Mareko has already been making an impact at the next level, having represented Samoa A earlier this year in the Pacific Challenge, albeit as a blindside flanker rather than a lock. A member of the Bay of Plenty U19 squad last year and pushing now for further recognition with Samoa, Mareko will be on plenty of teams’ radars.

https://www.rugbypass.com/news/six-diamonds-rough-u20-trophy-dust-off-chequebook/

 この記事をざっくり翻訳しますと「生まれ持っての体格もさることながらオールラウンドなスキルセットや技術を持っていてシニアレベルでも通用するだろうし、LOではなく6番FLとしてだが、すでにサモアA代表に召集されている。NPCのベイ・オブ・プレンティのU-19スカッドにも入っていて、これから多くのチームの注目を集めるだろう」というようなことが書かれています。
 サモア出身のプロスペクトが成長して、日本、そしてブレイブルーパスを選んでくれたのは嬉しいですね!

LO アニセ・サムエラ(Anise Samuela)選手

生年月日:1986年8月30日
身長・体重:198cm 118kg
出身地:フィジー スヴァ
経歴:日野レッドドルフィンズ→横浜キヤノンイーグルス→静岡ブルーレヴズ / サンウルブズ 日本代表(12Caps)
リーグワン登録カテゴリ:A
猛勇狼士チーム分け:猛

 あまりにも頼もしすぎるベテランサムエラ選手の加入。チームとしてはカテゴリの制限がある中でLOは補強が必要なポジションでしたので、カテゴリAで実力・実績共に申し分なしのサムエラ選手の加入は本当に大きいです!
 LOの軸となるディアンズ選手、ピアス選手は実力十分ですがまだ若いので、控えに経験豊富な梶川選手に加えてサムエラ選手が入ってくれたことも非常に大きいですね。
 後進の選手達に自分のスキルや経験を伝えながらチームの成長を支えつつ試合に出たら大いに活躍して欲しいです!

LO/FL PJ・スティーンカンプ(Peter-John Steenkamp)選手

生年月日:1998年3月1日(1月3日説もある?)
身長・体重:198cm 112kg
出身地:南アフリカ ベルビル
経歴:ライオンズ
リーグワン登録カテゴリ:B?
猛勇狼士チーム分け:狼

 プレトリアでラグビーを始めてユース世代の時から頭角を表し、南アフリカの強豪ライオンズに所属していたスティーンカンプ選手。彼は将来スプリングボクスに選ばれるポテンシャルもある楽しみな選手です。以下のサイトに経歴が詳しく載っていたので引用します。

Peter-John Steenkamp, born on January 3, 1998, is a talented South African rugby union player who currently represents the Lions in Super Rugby, the Golden Lions in the Currie Cup, and the Golden Lions XV in the Rugby Challenge. His regular positions on the field are lock and flank, where he showcases his versatility and skill set.

Standing at an impressive height of 6 feet 5 inches, Steenkamp's towering presence adds value to his team's lineouts and set-piece play. His athleticism and physicality make him a valuable asset in the forward pack, capable of making powerful carries, winning crucial turnovers, and providing defensive strength.

As Steenkamp's career progresses, he aims to establish himself as a key figure in the Lions' forward pack and further elevate his game to reach greater heights in South African rugby. With his talent, work ethic, and determination, he is well-positioned to make a lasting impact on the field and contribute to the success of his team in Super Rugby, the Currie Cup, and the Rugby Challenge.

https://www.ultimaterugby.com/peter-john-steenkamp

 この記事をざっくり翻訳すると、スティーンカンプ選手の特徴は多様なLOとFLでプレーできる多様なユーティリティ性とスキルセット、そしてラインアウトとセットプレーの質の高さが挙げられています。ボールキャリーも強く、また決定的なターンオーバーを決められるので攻守の活躍が期待できるとのこと。
 南アフリカラグビーの次世代を担うであろうということも書かれてますが、そんな選手獲っちゃったの?今季の加入メンバーエグすぎない?って感じですね🥹笑

 なおライオンズでは4番LOと7番FL(オープンサイド・フランカー)で出場経験があるようです。上記のサイトには6番FL(ブラインドサイド・フランカー)も出来ると書いてあるので4,5,6,7番で高い質でプレー出来るとなると、カテゴリBでも出場する可能性も高そうです!

(PJ・スティーンカンプ選手参考動画:ライオンズの4番がスティーンカンプ選手です)

CTB ロブ・トンプソン(Rob Thompson)選手

生年月日:1991年8月29日
身長・体重:184cm 103kg
出身地:ニュージーランド パヒアトゥア
経歴:NPCカンタベリー、マヌワツ/SRクルセイダーズ、ハイランダーズ/トヨタヴェルブリッツ/Maori All Blacks
リーグワン登録カテゴリ:B
猛勇狼士チーム分け:猛

 ロブ・トンプソン選手はヴェルブリッツの選手として覚えている人も多いと思いますが、経歴から見てみるとクルセイダーズでトッドHCの下でSRデビューし、その後ハイランダーズへ移籍しフリゼル選手、またNPCカンタベリーではモウンガ選手と同じチームに所属していました。そのような縁もあって今回ブレイブルーパスに加入してくれて嬉しい限りです!

 起用方法としてはモウンガ選手の記事で書いたように13番CTBでの起用が中心になると思います。加えて12番CTBもできますし、WTBも出来るので広くBK陣を支えてくれると思います。
 プレーの特徴としては、加速が早く緩急を活かした鋭いランが得意でよくラインブレイクを決めている印象です。トップスピードになった時の足もかなり速いです。モウンガ選手や他のBK陣とのコンビネーションでガンガン突破して欲しいですね。体が大きいので当たりも強く、守備での貢献も期待できます。

(ロブ・トンプソン選手参考動画)

UTB マイケル・コリンズ(Michael Collins)選手

生年月日:1993年6月2日
身長・体重:187cm 94kg
出身地:ニュージーランド クイーンズタウン
経歴:NPCオタゴ/SRブルーズ、ハイランダーズ/URCスカーレッツ、オスプリーズ
リーグワン登録カテゴリ:B?
猛勇狼士チーム分け:士

 マイケル・コリンズ選手もオタゴやハイランダーズにいたので、フリゼル選手やトンプソン選手と同じチームだったことがあります。またブルーズ在籍時にはジェイコブ・ピアス選手とも同じチームでした。トンプソン選手同様、縁があってブレイブルーパスに加入してくれて嬉しい限りです!

 ポジションとしてはFBを中心に13番CTBやウイングもこなすことが出来ます。トンプソン選手同様推進力と決定力がありますが、加えてキックによるゲームコントロールやハイボールの処理などFBに求められるスキルも高いレベルで兼ね備えています。
 昨季はセタ選手、ジョネ選手が不在の時にどうしても攻撃のモメンタムや推進力を失ってしまっていましたが、モウンガ選手、トンプソン選手、コリンズ選手の加入によってBKの層は一気に厚くなったと思います。様々なアタックプランが用意されると思うので大変楽しみです!

(マイケル・コリンズ選手参考動画)


CTB/WTB 岩渕 誠選手

生年月日:2000年4月20日
身長・体重:182cm 90kg
出身地:?
経歴:防衛大学校
リーグワン登録カテゴリ:A
猛勇狼士チーム分け:狼?

 関東大学リーグ戦第3部に所属する防衛大学校から初のリーグワン選手となった岩渕選手。昨季終盤戦はファミリーロードにも参加していましたし、ファン感謝祭やシーズン報告会で実際に会ったことがある方も多いのではないでしょうか。

 プレーは全く資料がなく特徴は不明なのですが、13番CTBとWTBでプレーができるユーティリティプレイヤーとのことです。シーズン報告会の時にご本人とお話させていただいた時には、今はウイングで練習を頑張っている、と仰っていました。BKの新加入選手は外国人選手が多いので、学生から新人選手で入ってくれて嬉しいですね。
 関東大学リーグ第3部とリーグワンディヴィジョン1ではプレー強度も大きく異なると思うので、まずは焦らず身体を作りながら慣れていって欲しいですね。


 新加入選手の紹介は以上の通りです。新シーズンに向けた陣容が確定しましたし、頂点を目指す新生ブレイブルーパスのラグビーが早く観たいですね!!

SH 田中 元珠 選手 (2023/10/11追加)

生年月日:2001年4月18日
身長・体重:180cm 86kg
出身地:神奈川県
経歴:オタゴボーイズ高校→オタゴ大学/NPCオタゴU-18/SRハイランダーズU-20/日野レッドドルフィンズ
リーグワン登録カテゴリ:A
猛勇狼士チーム分け:?

 2023年10月11日追加の選手加入が発表があり、田中元珠選手が新たにブレイブルーパス東京に加わりました。

 田中選手は180cmと日本人としては大型のSHで、中学卒業と同時にニュージーランドに留学し、オタゴやハイランダーズといった名門チームのユースカテゴリを経験した有望な若手選手です。
 ハイランダーズでは姫野選手の通訳も務めていたので見たことがある、という方もいるのではないでしょうか?

 ハイランダーズではAll Blacksのアーロン・スミスのプレーを間近で見て、そのスキルの高さやプロとしての姿勢に感銘を受けた上に、トニー・ブラウンやジェイミー・ジョセフらの薫陶も受けるという、日本国内では得難い経験をされています。日本代表を目指して帰国されレッドドルフィンズに入団、そして今回ブレイブルーパスに加入することになりました。
 プレーそのものは不勉強でわからないのですが、一流を体感していること・英語ができること・情熱があることなどから大変楽しみな選手です!
 シャノン・フリゼルやマイケル・コリンズらとはハイランダーズからのつながりもあり、彼らにとっても頼もしい日本人選手だと思います😊
 ブレイブルーパスは相変わらず良い人材を発掘したな、と思います。プレーを見る日が楽しみです!

参考:もっと田中選手を知りたい人へ


おまけ:ロブ・トンプソン選手、マイケル・コリンズ選手とブレイブルーパス関係者の関係図

 テキストだけでは表現しづらいので、今回加入するトンプソン選手とコリンズ選手とブレイブルーパス関係者の関係図を作成してみました。

ロブ・トンプソン選手とマイケル・コリンズ選手を中心としたブレイブルーパス関係者の関係図
(miz_sue作成)

 図にしてみて改めて思いますが、フリゼル選手にとってもハイランダーズ時代のチームメイト2人の加入は大きそうですね。
 皆が早くチームにフィットしてその高いポテンシャルを発揮してくれるのが楽しみでなりません😊

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