人生の観光、始めました~in 大津
「観光の哲学」について書いたnoteで宣言しておりました
父と大津(滋賀県)に行き、分散型ホテルに滞在する旅
父の日に繋がる先週末に行ってまいりました
予約してあった商店街ツアーの1時間前に、JR大津駅に到着した父が
LINEで「歩いていける」というので
先にチェックインしていたHOTEL講さんのご好意でPC作業をさせてもらっていた私も、早々にきりあげ
”ぼくも途中まで迎えにいくわ”と、ホテル目の前の旧東海道に出て
駅(山側)に向かって緩やかな登坂を歩き始めると、
琵琶湖の方へ下ってきた父より「いま京町3丁目」とLINE
昨年末に、不整脈の手術をした父なので、いくら歩けるようになったとはいえ、もう少しゆっくりかなとおもっていたところ、意外に速い!
”一旦とまって”
とLINEしつつ、標識をみると、じぶんは京町2丁目にいるらしく
”そこ左に曲がって、ゆっくり歩いてきて”
「わかった」
しばらく行くと、パディントンが被るようなバケツハットを頭に
1泊旅行とはいえ、驚くほど身軽な小ぶりのリュック1つで
こちらに向かってくる父の姿がみえてきました
控えめな自己主張、が訪れる人の心をつつむ商店街
父を連れてHOTELに戻ると、お気遣いくださったコンシェルジュの方のおかげで、宿泊予約してあった萬屋さん(分散型なので、泊まる古民家も商店街のなかに分散しているのです!!)に、もう入っていただけますよと嬉しいお知らせ!
”ありがとうございます。助かります”
ホテルの方に重い荷物を運んでもらうことなく、ここが今晩泊まるところかぁ、と感慨深く部屋をひとしきり眺めて、一息つくと
父と2人で、商店街ツアーの集合場所の近江屋さんへ向かいます
ツアー参加は、わたしたち父子を含めた3組
案内してくださるガイドさんが、まずは大津の歴史と
町のつくりや、地域性、人となり、について
分かりやすく本や小物を使って説明してくださいました
江戸時代には、北前船を中心とした海上物流が経済を支えていたため
京都へ向かう東海道と
福井へ向かう若狭街道(鯖街道)の合流する大津は、
なんと、1日18万人もの方が往来したとか
そのため、東西いずれのお国の人でも、気持ちよく迎え入れるような話し方や接し方が、地域性として育まれたとのこと
京都に対しては、ちょっと遠慮するところもありつつ
長い歴史を経てきている街にいるというアイデンティティは細やかに表現してくれるので
”旅に来たなぁ~ここは本当にいい所だ”と、おのずと気分が上がります
迷い込みたい、路地の先へと招かれて
商店街ツアーは、欲張ってガシガシ歩くようなことはせず、ゆったり進んでくれる、とっても安心な構成
さいしょは、一番近くで、こだわりの陶器をつかった和食カフェへと
アジサイやくちなしの花が咲き誇る路地を
案内してもらいました
カフェは2階もあり、ご主人自らが私たち3組を案内してくださいました。 欄間は、京都の美意識そのままに、ミニマムなストロークで琵琶湖の湖面を舞う浜千鳥を情緒豊かに表現されており、木目は湖面のさざ波のよう
静かに見ているうちに、自分の内側にも深く水が蓄えられるよう
喧噪から距離をおいて時をすごす豊かさに
ひさしぶりに接することができました
こちら1件目の和食カフェは、うつくしい陶器と美味しいごはんをセットにした旅をしている横浜からお越しの1組のために、ガイドさんからの粋な計らいでお連れいただいたのですが
2件目は、見るからに吞みそうな私たち父子のためのガイドさんチョイス♡
いまも実地で、酒米を蒸して、酒を醸している蔵元をご案内いただきました
百人一首#あさぢふの をののしのはら しのぶれど~
をテーマにした看板商品
みているだけで、旅情がかき立てられます
商店街を歩くと、地元の方とお知り合いのガイドさんはいろいろ話しかけながら前に進んでいきます
途中、”お、これは!?”と気になってしまう路地がいくつもありますが
すかさず「ここはですね…」と解説
ちなみに、この路地は行き止まりだそう
(1人で来たら、間違いなく迷い込んで、しょんぼり引き返してるな…)
新旧の織り成す、魅力のタペストリー
ご覧いただきますとおり、古い建物と、あたらしい建物が
緩やかに編み込まれて、違和感なく街並みを形成しています
地域によっては、街並みを崩さないように
あたらしい建築や改修そのものに制約を設けていますが
ここでは
オーナーが大切にするものに文化財指定をしつつ
あらたに経済的な持続性を追求する別のオーナーの営みは妨げない
という合理性があります
商店街ができたばかりのときも、アーケードが風洞のようになる構造なので火災を増長しかねないため、木造の民家でも、アーケード側には、防火性能のある建材を被せてね!という施策で、実現にこぎつけたとのこと
今回の旅を思いつく、きっかけを与えてくれた本で取材の中心となっていた
イタリアの分散型ホテルは
外から来た青年が、仲間とともに時間をかけて地元の方が価値に気づけるよう経済活動により促していく必要があったのに対し
大津の分散型ホテルは
現代の要請にコンテンツ(建物×サービス)をアップデートすることでしなやかに応じながら、今まで継続してこれた地元の魅力をつなげて、
”会いに来れる街”というストーリーをつくっていました
日本の魅力、近畿地方の魅力、大津の魅力に
手応えを感じられたひとときでした
地域を満喫する、という旅のカタチ
楽しい商店街ツアーはまだまだ続いたのですが、全ては書ききれませんので
終点近くの写真を何枚か
ホテルのコンシェルジュさんにお薦めいただいた地元食材を使ったイタリアンのレストランで、運よくディナーの予約に滑り込めた私たち父子
ガイドさんが、その入り口まで行ってみましょう~と絶妙なコース取りで
ツアーを締めくくってくださいました♡
ガイドさんと、ツアーをご一緒した素敵な2組にも御礼を申し上げお別れし
父と入ったレストランでは
葡萄の蔦が、窓の外を優しく縁取るように生い茂り
夕暮れの光のなかで、特別な時間を盛り上げます
(”お父さん、10代20代にめっちゃ反抗してばかりで、ゴメンね”)
地元食材がふんだんに盛り込まれた前菜の1皿
魚介のジュレと、サルサヴェルデ(バジルのソース)で
元気になってもらいました(夕食代は父が払ってくれました;ごちそうさまでした)
おいしい夕食をたべて、父には宿で休んでもらいながら
すこし街を散歩してみました
商店街への曲がり角の教会には
ステンドグラスが!!
母屋(チェックイン棟の近江屋さん)のラウンジまで足を延ばすと
さきほどツアーご一緒した横浜からの1組の素敵なお2人に合流
名刺交換をしたら、おどろきのご縁が発覚
それについては、また機会を改めて書きます
来るたびに発見がありそうな 大津
ところで、冒頭の写真の ”飛び出し小僧”
滋賀県が発祥ってご存知でしたか?
しかも、お店ごとに
その特徴が、小物などで表現されているらしく
写真の小僧は、手になにか持ってますね
これは、、、うなぎ です!~~~~!
そう、商店街をあるくと
魚屋さんから、とても香ばしい蒲焼きの代わりがしてきます
とくに土日は、屋台もでて、活気がでるそうです
毎回行くたびに発見がありそうな街
父がしきりに、連泊プランの価格設計について私に尋ねてきましたので
きっと母と行くつもりなのかな(それならよかった)
大津祭りの時期も賑わいそうですが
わたしは、近江八幡に住む友達を誘って
湖の西側につづくメタセコイア並木を
晩秋に訪れたく、そのときに大津にも再訪しようとおもっております
もしも 人生が観光だったら
という仮定から出発した わたしの新たな道
まだまだ始まったばかりですが
とても楽しい旅路になりそうです
みなさまの旅の
ご参考にしていただけましたら幸いです
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