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Netflixで『虐体の証明』観ましたー。


はじめに

 Netflixで『虐体の証明』鑑賞完了しました。本作はタイトルどおり、児童虐待とその連鎖という社会問題をテーマにしています。 

 2018年の東京国際映画祭で「ミス・ペク」の原題で上映され、日本では2020年1月3日に一般公開されました。主演のハン・ジミンさんは、第38回韓国映画評論家協会賞主演女優賞と第39回青龍映画賞主演女優賞を受賞しています。韓国で実際に起きた児童虐待事件を基に、親から虐待を受ける少女とかつて自分も虐待を受けていた女性との交流と、虐待の連鎖を止める葛藤を描いた社会派サスペンスとなっています。

 観ていて大変苦しい映画でしたが、心に残りましたので記録したいと思います。

個人的な評価

ストーリー  B
脚本     A+
構成・演出  A-
俳優     A
思想     A+
音楽     A
バランス   B+
総合     A-

S→人生に深く刻まれる満足
A→大変に感動した
B→よかった
C→個人的にイマイチ

内容のあらすじ

 ”生まれて来て、ごめんなさい”と、親に謝罪させられる子供”

 主人公のペク・サンアは、母親から虐待され捨てられて施設で育ち、心に傷を抱えたまま生きています。刑事のチャン・ソプはサンアを気にかけますが、出所後も荒んだ生活を送り、周囲からは「ミス・ペク」と呼ばれ揶揄されています。
 そんなある日、サンアは道路の片隅で震えている少女ジウンと出会います。ジウンは父親とその内縁の妻から虐待され、あざだらけになりながらも逃げ出せずにいました。サンアはジウンと過去の自分を重ね合わせ、彼女を助けようと手を差し伸べるのでした。

 虐待に苦しむ子供を助けることで、誰も助けてくれなかった過去の自分を救うことができるのでしょうか。

感想

 鬼滅の刃など家族愛を至高の価値とし、家族こそ人生のすべてであり宝という思想の作品に触れるたびにそれは素晴らしいのだけど、「家族に恵まれなかった人は、家族の無償の愛を当然のことのように見せられ、どう感じるんだろう?」という思念が心に浮かぶことがあります。
 自分にとっての当たり前は誰かにとっては奇跡かもしれず、また逆に、自分にとっての奇跡は他人からしたら自明の理に過ぎないのかもしれない、と。

 絶対的な真理は存在せず、そんなものを標榜する言説は例外なく嘘で、自分で掴み取った真実こそが真理なのだと思います。この世にあって当然のものなど何もなく、ゆえに感謝の気持ちを持って接していかなければならないと反省させられる作品でした。
 また、子が親から受け継ぐのは肉体的形質や経済的な財産だけではなく、精神的な遺伝と因縁(カルマ)が確実に存在していると思われます。
 仮に親や環境に恵まれなかったとしても、負の遺産を次の世代に繰り越してはいけないなと思いました。

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