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改めて「メンタルを病むまで」

 メンヘラになる前からすぐ泣く人間だったけど、去年から本当によく泣くようになった。涙もろくなったというと語弊があるかもしれない。泣かずにはいられない、の方が正しいかもしれない。

 30になる年に地元を離れて、ひとり暮らしを始めて3年目。いろんなことがあった。自分のメンタルの世話で精一杯な人間が、仕事やら恋愛やら、少なからず人間との関わりが発生することを器用にこなせるはずがなかった。
 うつ病になる前から自分のことはキライだった。好きだと思えるときは躁状態のときだけだった。
 こころがどこかマヒしたような感覚が、高校1年生のころからずっとあって。けど、それがふつうなんだって思ってた。
 ふつうじゃなかったんだって、31年間生きてきてようやく気づいた。
「こんなふうに抑圧されているような感覚の中、みんな生きてるんだな、えらいなぁ、私にはムリだなぁ、なんでそんなに頑張れるの?」って思ってた。
 ちがうんだよ。頑張れるみんなは、そもそも抑圧感なんか抱えてないの。

 私は本当にずっと働きたくなくて、だけど働かなきゃいけないから仕方なく働いて、モチベーションなんか全然なくて、こころの中ではひとつも納得なんかしてないのに、現実の自分はしたくもない仕事をするしかなくて。
 20代前半までそんなふうに生きてきたもんだから、当然何もひとつも成長する要素なんかない。だって、「やりたくないことをイヤイヤやらされてる」精神状態で、建設的な生き方なんてできるか?
 とにかく労働がストレスで、ストレスで、ストレスでたまらなくて、絶賛抑うつ状態な上に、特大級のニキビが常に2,3個あって、絶えず肌荒れしていた。声も出づらかった。「みんなこういう精神状態の中でよく仕事できるな」と思ってたけど、ちがうぞ!おまえだけだからな!
 行き場のないストレスがどこへ向かうかというと、過食と2次元とカラオケである。過食といっても、ゴハンのあとにおかしを食べるとか、間食をしまくるとか、その程度のものだったが。まだ若かったからな。先のことを考えなかったし、考えたところで「まぁなんとかなるっしょ」の精神だったから、(※なんともなりません)目下のストレスは日々の労働のみであった。

 雲行きがあやしくなってきたのは20代後半に差しかかってからである。25,26,27の3年間で、なんと4回も職場が変わっている。しかも合間にもれなくニートを2〜3ヶ月している。この時期が後のうつ病発症に大きく貢献した。(最悪)
 働きたくない、しかし金がないから働くしかない、けどやっぱり働きたくない。毎日楽しくない。年齢の割に誇れるスキルがひとつもない。死ぬしかない。
 そう、このころから「将来を悲観して死にたくなる」という症状がいよいよ出だす。金が減るのに仕事が決まらない焦燥感はハンパじゃなく精神を蝕んだ。履歴書を書くたび、面接の対策をするたび、いかに自分が何もしてこなかったかを突きつけられて気が狂いそうだった。いやもうすでに狂い始めていた。

 その後、なんとか決まった職場で一念発起して頑張っていたが、それが躁によるエネルギーの前借りだとわからず、気づいたときには働けなくなり、「うつ病です」という診断を受けるに至ったというワケ。
 精神科医による診断は「うつ病」だから、オフィシャルにはうつ病ということになっているけど、医者に今までのことを全部話したわけではないし、なんなら直近の職場の話しかしてないし、(そもそも体系立てて話すということが難しかったし、全部自分が悪いせいだと思っていたから、最低限聞かれたことにしか答えていない。)20代に入ってから、躁とうつの波を4度繰り返していることから、双極性障害II型だと考えている。
 この病気が問題なのは、躁のときに躁である自覚がないことにある。むしろ、「調子がいい、これが本来の自分だ」とさえ思っている。ちがうぞ!
 そして、そのあと必ずうつに転じるのだ。躁の波が大きければ大きいほど、うつの波もまたデカくなる。
 まぁあくまで自己診断だから、医者からすれば、「いやいや、うつ病ですよ。あなたは、ただ単に波のある性格なだけですよ。」という診断になるのかもしれないが。

 ただ、自らの実体験からわかったことだが、精神疾患というものは、それまでの生き方ぜんぶが病気に結びついてるなってこと。
 そもそも精神疾患にかかりやすい遺伝子を持って生まれただとか、そういう説もあるらしいが、その辺はもはや運だのガチャだの、本人としてはどうしようもない問題につながってしまうので、深掘りはしない。
 ただもう、病気になるべくしてなったということ。「今までのおまえの生き方では、もうこれ以上ムリですよ」という脳からの悲鳴ともいえる。
 わかりやすい理由としては、うつ発症時の職場で受けたストレスかもしれない。しかし、その職場で病んだのは私だけなのだから、病むような生き方をしてしまっている自分に少なからず原因があったということ。
 要するに、おまえさぁ、メンヘラの素質あるよ(笑)という話である。ホンモノの精神疾患の診断が下る程度にはガチモンのメンヘラってこと。

 最後にまじめにまとめるとするならば、「自分自身が苦しくなるような生き方はやめなさい」ということ。
 他人軸をやめて、自分軸で生きていい。他人はそれほど私に興味がないのだから、好きに生きればいい。もうだれも私を見張ってないのに、いつまで子どものころの自分を引きずり続けるワケ?いつまで過去のイヤなことに引っ張られ続けるの?

 もう自由なんだよ。

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