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次元

バスケは「陣取り」であると主顧問の先生から教わった。ボールを運ぶため・奪うためにいかに良いポジションにいるか、それがオフェンス時もディフェンス時も最重要事項だと。

多分それはウチのチームのスタイルに帰属する部分もある。ウチはあんまりガンガン攻めない。静かで堅実なバスケ。必要な場所に立ち、必要なパスをし、攻めるべき所で打つ。理屈を理解した上で子供達が的確な動きをする。いつも感心しながら試合を見ている。

他のチームの試合を見てて、パッションと勢いでガンガン行く学校もある。が、ファール貰ったり怪我したりしてるチームが多い。ウチは割と無傷。ドラマチックではないかもだけど、僕は良いスタイルだと思う。

冒頭の「陣取り」は2次元的に行われる。人間は空を飛べない訳で、バスケにおいても選手同士は上下に重なったりはほぼ無い。しかしボールの軌道は3次元だ。オーバーヘッドパスしたりレッグスルーしたり、陣取った人の上下も行き交う。つまり2次元の陣取りを制した上で3次元的にボールの軌道を計算し尽くす必要がある。理屈がわかっても考え切れない戦略の数々。いやぁ奥が深いね。

ここからが本題なのだが、この2次元と3次元の理屈が、美術-立体作品の制作プロセスに似ているのだ。

僕は作品をつくるにあたって、先ずスケッチをする。特に気合いは入れずにダラダラと何枚も描く。その中からこれかな〜と思ったものをイメージに合う木に描き写し、彫り起こす。2次元のスケッチを3次元の木に展開している訳だ。スケッチを怠ったら作品の形は見えない。3次元の目的の為に、2次元を大切にする。

バスケで言う2次元のフットワーク、3次元のボールワーク。フットワーク疎かにしたら確かにどこかでプレーに綻びが生まれる。

改めてスケッチって大事だと、バスケの試合見て感じたのだった。そして生徒達に、基礎の重要性を説く初心者なのであった。

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