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人生初のキャンプ 〜趣味に出会った瞬間〜

2015年7月11日
僕が初めてキャンプをした日

2024年6月16日
この思い出を書いている日

「もうそんなに経つんだなぁ」

そんな言葉が脳内から発信されている時点で老いている…そんな風に感じて、遠くにある空を見つめながらキーボードをカタカタしているたいしょうです。

気を取り直して本日のお品書きを発表

キャンプを始めたキッカケ

ある夜のこと、いつものように仕事で疲れた精神を癒すべく、ショットバーへ向かった。
その日は平日で、お客さんは僕だけ。
いつものようにビールを注文。

僕「ごくごくごく・・・くぅぅぅ!あぁぁぁ!うまし!(幸)」

マスター「君は本当においしそうにビールを飲むよね(笑)」

バーでマスターと2人、たわいもない会話でもりあがる時間がたまらなく好きだった。

マスター「ねぇ、たいしょう(僕のあだ名)。俺、この前1人でキャンプに行ってきたんだけど、たいしょうは何か趣味ある?」

僕「1人でキャンプ?キャンプって1人で行くものなんですか!?あ、ちなみに趣味はゲームですね」

当時の僕にとっては衝撃のパワーワード。
1人でキャンプという言葉に、興味が一瞬で沸点に達したことを今でも鮮明に覚えている。

マスターと11時から老舗蕎麦屋で日本酒の図


ソロキャンパーという言葉

当時の僕はキャンプ=みんなでワイワイBBQというイメージしかもっていなかった。現代社会ではソロキャンパーという名称は当たり前になっているが、当時のソロキャンパー人口はかなり少なかったように思える。

マスター「最近、徐々に流行りつつあるみたいで道具買って行ってきたんだよ。自然の中で1人、夕方からお酒とつまみを嗜み、自然音と焚き火を見つめてホットウイスキーでゆっくりと…ゆっくりと沈んでいく…ふぅ」

僕「え、それなんか最高じゃないですか・・・?」

マスター「そうなの、最高だった(笑)。これ見てくれない?」

マスター 3回目のキャンプ
夕方 大人の嗜み


当時はマスターから大人のお酒の楽しみ方を教わり、仕事柄たくさんの人と接する職業についていたので、1人の時間というものに憧れを感じていた。そんな僕に、この写真は心の奥深くまで突き刺さった。

僕「マスター、すげーかっこいいですよ!この空間を1人で過ごしたんでしょ?最高じゃないですか!!」

マスター「君ならそういうリアクションすると思ったよ(笑)おすすめだよ」

2024年6月現在は、僕が地元を離れたからマスターとは約7年会っていない。今は店を閉めて結婚し、会社に勤めて幸せな時間を奥様と過ごしているそうだ。キャンプは今でもたまにやっているらしい。

4日でキャンプ道具準備

マスターとお酒を嗜んだあと、タクシーで自宅へ帰った。その日の夜は1人キャンプという言葉で頭がいっぱいになっていた。翌日の仕事も1人キャンプという言葉のおかげで集中できずにいた。

見せてもらった写真から僕の脳は自然の中でゆっくりと過ぎる時間を何をするわけでもなく過ごすということがとても贅沢に思えた。幸せを実感している自分という絵が鮮明にイメージできた。

そこで僕はあることを閃いた。
日曜日にマスターからキャンプを教えてもらった。今日は月曜日、平日4日で道具を買い揃えて土曜日にキャンプをする。日曜日にバーへ行きマスターに報告しよう。

即キャンプ行ったよ!

というエピソードトークができるじゃないか!

初キャンプの準備1日目

計画としては…
①道具(ギア)のリストアップ
②メーカーと値段のリサーチ
③店頭かネットで買う
④土曜日にキャンプする

まず、写真に写っている物がなんなのかリサーチしつつリストアップした。テント、青い日陰を作る物、ランタン、イス、テーブル、道具入れ、クーラーボックスなど。結果はこちら↓

ドームテント 2人用 緑色
ヘキサゴンタープ 縦4m? 青色
オイルランタン
ランタンハンガー
ハードコンテナ
クーラーBOX
レジャーシート 80×120? 黄色
ローチェア
アルミローテーブル
セカンドグリル
ソロストーブ
薪と薪用の木箱

その他に、僕が調べて必要だと思った物がこちら↓

グランドシート
シュラフ(寝袋)
銀マット(敷布団的な)
保冷剤
クッカー
マグ
カトラリー
焚き火台

着火剤
グローブ
新聞紙
ライター
虫除けスプレー
蚊取線香
BOXティッシュ
などなど

初期費用はだいたい2万円に抑えると目標を立てて、仕事帰りにホームセンターに向かった。

初キャンプの準備2日目

とにかく予算が限られているからネットとショップの値段を比較して揃えることにした。最初のキャンプは安い商品でいいから集める、今後継続する趣味になるようなら本当にほしいギアの購入を検討しようと考えていた。

焚き火台 1,000円
クーラーボックス(発泡)1,000円
炭3kg 250円
ブルーシート 800円
レジャーシート 108円 
カトラリー 108円
着火剤 108円
グローブ 108円
虫除けスプレー 108円
保冷剤2個 216円

といった感じで、できるだけ安価な物を買った。当時の100均にはアウトドアグッズはほぼ売られていなかった。安い道具を買いカスタマイズ&リメイクして使う前提で用意した。

2人用ドームテント 3,800円
LEDランタン 2,100円
ベリーローチェア 1,000円

これらは通販サイトで50〜70%OFFの商品を購入。ライター、蚊取線香、ティッシュなどの小物は家にあるものを用意した。仕事柄、外遊びの基本的な知識は持っていたから着火剤はまつぼっくり、グランドシートはブルーシートを切って耐水圧を高める工夫をして代用といった感じでカスタマイズした。

出来上がった商品を買うのも楽しい、けど僕はある種DIY的なことをして道具をカスタマイズする方が愛着が湧き好きなのかもしれない。そして、作ってる時間が何より楽しい。

初キャンプの準備3日目

ここで大きな壁にぶち当たった。予算は20,000円で残金約6,000円。タープ、シュラフ、クッカーなどを用意できるのだろうか。

特にタープというものは画像でしか見ておらず、実際の大きさを自分の目で見ないと…なんか不安!シートとその他材料を買い、手作りしてもいいが、長期期間使うこと前提で考えれば買った方が安いのでは?そもそも質の高い物を作れる自信もそれほどなかったし…。時間もないし。

3日目は近くにアウトドアショップがないかググって終わった。

初キャンプの準備4日目

残る道具はタープ、クッカー、シュラフとなった。アウトドアショップは僕のリサーチスキルが低いからか見つからずにいた。

シュラフとクッカーは代用品を家から持っていける。でもタープなしでキャンプはできるが、当時の僕はタープがなければキャンプではないと思っていた。

というかタープという言葉に惚れた。どうしても持っていきたい。キャンプ場で張ってみたい。

ちなみになぜこんなに急いで準備しているかというと、オススメされて即行動した方がマスターが驚いて喜ぶのでは?と思ったからである。ネタである。将来エピソードトークができるからである。

職場の駐車場で夕陽に照らされた空を眺めながらタープのことを考えていた。

「どうにかして揃えたい…」

夕陽に照らされた空


そのタイミングで友人から電話がかかってきた。

友「明日の予定は?」
僕「キャンプに行く予定」
友「キャンプ!?なんでまたキャンプ?」
僕「いや、かくかくしかじか…」
友「なら明日、朝から中古品が売ってるアウトドアショップ行く?」
僕「え?近くにあったっけ?」
友「隣町にあるの知らない?」
僕「まじ?行こう!ありがとう!」

ギアとの出会い

初キャンプ当日の朝、僕は今までに揃えたキャンプギアを車に積んでいた。その足で友人の自宅へ。そのままアウトドアショップへ直行した。

タープよ売っていてくれ!

僕「これがアウトドアショップか…ずっといられるな(ワクワク)」
友「ねぇこれ、タープじゃない?しかも安いよ!」
僕「ホンマや!大きさも申し分ない、ポール・ガイロープ・ペグ・ハンマー付きだと!?セットで3,000円!掘り出し物きたー!」
友「クッカーはこれでいいんじゃない?900円で皿2枚にマグ2つに鍋とフライパン、収納袋あり。シュラフは夏用でいいのでは?冬は行かないでしょ?しかも990円、中古だとしてもキャンプ道具ってこんな安いん?」
僕「買います!あ、今日キャンプいく?」
友「ん?いいよ。ならテント買わなきゃ…あ、たいしょうと同じやつ80%OFFだ、買おう。じゃ、行こうか」

あれよあれよという間に必要な道具がすべて揃い、友人もその場で道具を揃えて、2人仲良く初キャンプに出かけることとなった。

人生初キャンプ

スーパーに行き食材を購入、事前にマスターから聞いていた「素敵な滝と川があるキャンプ場」へ車を走らせた。道中では本日のキャンプのテーマについて話し合った。

「スマホの電源OFF、時間という概念を忘れる」

今思い返してみれば、心の底からワクワクしていたな。

現地に到着し受付をすませて、まずはキャンプ場を散策。滝の迫力ある音、小川のせせらぎ、鳥のさえずり、風で揺れる木々、砂利を歩く足音、すべてが心地よいリラックスサウンドのように聴こえた。

「タープの立て方」については動画で予習をしていたが、まったくうまくいかず、2人がかりで1時間30分ほどかかった。だけど、この苦悩する時間が楽しかった。汗だくになりながら結局、設営に3時間かかった。

滝のような汗をかいたあと、川でキンキンに冷やしたビールを友と飲み交わした。

キンキンに冷えてやがる

マスターと友、画像や動画をネット上にアップしてくださっている方のおかげで素敵な初キャンプとなりました。

振り返って写真を見るとかなりショボいと感じてしまう。だけど、ここから僕のキャンプ人生がスタートした、逆に今のキャンプスタイルと比較するとエモいソロキャンパーという言葉が世の中に知れ渡っていない時代でしたし。

少し暗くなるまでは散歩したり、読書したり…スマホの電源をOFFにして過ごしたのは正解だった。デジタルデトックスである。数字で示す時間ではなく、太陽の位置と空の明るさで過ごす時間というものに感動した。

空が茜色になる頃、小さな焚き火の準備をして刺身とビールで乾杯。夜はもう1人の友が燻製機を持って合流し、貸切状態のキャンプ場でウイスキーとスモーク料理に舌鼓である。

後日ショットバーへ行き、マスターにキャンプを教えてもらった5日後にキャンプしたと伝えたら行動力お化けと言われた。これは褒め言葉である。そして、すごく喜んでくれた。

自分がオススメしたことを、すぐやって最高でした!の感想は嬉しいですよね。キャンプという趣味をプレゼントしてくれたマスターに初キャンプの写真とエピソードをお返しでプレゼント。

その日も店は僕とマスターの2人。

初キャンプ設営後

終わり

正確には幼少期の頃1度キャンプをしたことがあるけど、まあ細かいことはいいじゃないですかということで、僕の初キャンプのお話でした。

2024年6月現在では、グルキャンやグランピングという言葉が当たり前で、流行りの後半でもうすぐゴールかな?ってくらい馴染んでいますが、当時のキャンプは夏に家族で安く旅行しようというイメージの方が多数派。1人でキャンプはまだまだ少数派でこれから流行るというタイミングだった。

あのタイミングでキッカケをくれたマスターに感謝だ。

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