球春到来

プロ野球がキャンプインしてペナントへ向けて動き出す一方で,プロレス界は2/21ドーム大会へ向け風雲急を告げるという,この2つの業界が交錯する感じがファンとしてはたまりません。ここで両者の組織,構造の共通点について考えてみます。セリーグとパリーグ,これは全日本・新日本のような団体に当たります。そのうちジャイアンツ,タイガースといった球団は,団体内勢力に当たります。1980年代初頭にはまさに全日本・新日本の2団体しかなかったので比較が容易でした。今は何十あるかわからない乱立状態で,選手の貸し借りも多いため,各団体が各球団に該当するという考えが妥当かもしれません。「職場に野球を持ち込むな」とよく言われるように議論が炎上に発展しやすいのは,リーグ間,球団間にイデオロギーの違いがあるためで,プロレスも同様です。
そして一昨年の村上選手のサイン盗み暴露を思い起こさせる事件がプロレス界でも発生し,議論が沸騰しています。1月の新日本横浜大会でノアの清宮選手がオカダ選手の顔面を蹴り上げ,乱闘-無効試合となった蹴撃事件です。2000年代から業界全体でスタイルの融合が進んだためファン同士の対立はかなり緩和されましたが,やはり新旧ファンが混在しているためか,新日ファンからは社会常識を振りかざす形での清宮選手への激しい糾弾が続いています。しかし事の本質は両団体間の交渉においてレールから逸脱したトラブルが発生しているという点で,なぜノア側の選手個人またはフロントが憤慨し強行突破を図る事態となったのかという背景をまず考えてみなければなりません。


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