夢小説 乙骨とアイドル

まず最初に。

アイドルの夢女キャラが呪術廻戦の乙骨くんとイチャイチャしています。
 
嫌悪感を抱かれる方はブラウザバックでお戻り願います。




「乙骨!サイトに誤植があるぞ!ここ!!」

「あっ、すみません!」

「乙骨!コピーがちゃんととれてないぞ!!」

「すっ、すみません!」

「もう、できない仕事は引き受けるなよ!!」

「まあ、いいじゃないか。乙骨は入社1年目だし。」

そう、僕はまだ親米社員。

『JUJU』という芸能事務所で働いている。

中々仕事が軌道に乗らない僕だが希望はあった。

『はるかさん…。』

壁に貼られたポスターを見た。

『JUJU』の看板アイドル、桜海はるかさんの笑顔に癒やされる。

ピンクの無地のフリルのついたビキニがよく似合っている。

「乙骨とアイドル」




「なあ、聞いたか!?」

「聞いた!!今日あのはるかちゃんがここ来るって!!」

「まじかよ!!」

そういう先輩の話を聞いた。

それだけで僕は赤面した。

「何だ?乙骨。顔が真赤だぞ!

熱でもあるのか?」

「いや、何でもありません!!」

僕が顔を手で覆ったその時だった。

「お疲れ様です!!」

「おっ、お疲れ様!はるかちゃん!!」

僕は顔から手を離した。

そこには憧れの天使のような笑顔のはるかさんがいた。

「君が新人社員の乙骨くん!?」

「は、はい!」

「よろしくね!!」

「よ、よろしくお願いします!!」

眩しい笑顔に僕は心臓が止まりそうになった。

「急にすまない!

はるか、乙骨、ちょっと話があるんだけどいいか?」

社長が唐突に言った。

「えっ?僕も?」

「はい!分かりました!!社長!!」

はるかさんは無鉄砲に返事をした。

「分かりました。」

はるかさんと僕は別室へ向かった。





すぐ近くの別室へ行くと僕達は重大なことを聞かされた。

「いきなりすまない、はるかのマネージャーが逮捕された。」

「ええっ!?」

「えっ?」

はるかさんと僕は声を揃え驚いた。

「なぜですか!?社長!」

はるかさんが尋ねると社長は説明した。

「麻薬だ。」

「そんな…。」

はるかさんは涙目だった。

そうだろう、信頼していたマネージャーが逮捕されたのだから。

ぼんやりと立っている訳にはいかないと思った僕ははるかさんに言った。

「大丈夫…じゃないですよね?」

「大丈夫よ、あっ…。」

はるかさんの頬に涙が伝った。

「ごめんなさい…。ひっく。」

「僕こそごめんなさい!」

「悲しんでいるところ申し訳ないが、はるかは麻薬やっていないよな?」

「私そんなことしません!」

「そうですよ!

はるかさんはそんなことしません!

疑っているんですか!?」

咄嗟に僕は口を開いてしまった。

「ならお願いだ。

今からタクシー呼ぶからはるかと乙骨で指定の病院に行って検査してくれ。」

差し出されたスマホの地図アプリに掲載されていたのは精神科のある病院だった。

流石に僕は怒った。

「あの、どれだけ人を馬鹿にし…。」

「分かりました!行きます!!」

「えっ?」

「私、麻薬やっていない自信があるので!

それと、記者会見を開いて検査結果をマスコミに見せて謝罪します!

いいでしょ、それで…。」

社長は気難しい顔をして言った。

「分かった。

その代わり陽性なら解雇だ、いいな?」

「ちょっと社長…!!」

「分かりました!」

先程まで泣いていたはるかさんが今ではすっかり笑顔だ。

流石アイドルだ、芯が強い。

「それと乙骨。」

僕は説教されるかと思った。

「おめでとう、昇格だ。

お前がはるかの2代目のマネージャーだ、いいな?」

「えっ?ええっ!?」

僕は開いた口が塞がらない。

「よろしくね!乙骨くん!!」

はるかさんが赤面する僕を笑顔で見つめた。





「乙骨くん、この仕事慣れた!?」

「はい!

はるかさんは?」

「私は今までアイドルしかしたことないからキーボード打つの下手だよ!!」

はるかさんと僕は隣同士でパソコン事務作業をしていた。

あれから、はるかさんは病院で検査を受けたが陰性だった。

そのため、解雇は免れた。

そしてJUJU所属のタレント達、僕達スタッフも念のため検査を受け陰性だった。

しかし現実はそう甘くない。

はるかさんをはじめJUJUの芸能人達はワイドショーや週刊誌でバッシングを受けた。

そしてはるかさんは仕事のオファーが来なくなったのだ。

はるかさんは今は事務を手伝ってくれている。

アイドル活動しかしたことのないはるかさんにとってそれは怪我するくらい大変なことだろう。

しかしはるかさんはあれ以来ずっと涙を見せない。

逆に笑って気遣ってくれる。

今でも僕にとってはるかさんはアイドルだ。





『プルルルル…。』

僕は事務所の受話器を手にした。

「えっ?

そうなんですか!?

分かりました!

ありがとうございます!!」

電話を切った。

「どうしたの、乙骨くん!?」

隣でサイトを更新していたはるかさんが声をかけてきた。

「久々にはるかさんに仕事が舞い込んで来ましたよ!」

「本当に!?」

「はい!

ドラマ主演ではるかさんは人魚役で決定しています!」

「えっ、オーディションは!?」

「オファーなのでないかと!」

「嬉しい…!

ありがとう、乙骨くん!!」

はるかさんが笑顔の花を咲かせた。

まるでそれは事務内が花畑になるようだった。






そこは辺り一面広い青緑の海。

そしてそれを果てしない青空とベージュの浜辺が挟んでいた。

「桜海はるかです、よろしくお願いします!!」

はるかさんは髪にピンクの花飾り、水色のビキニを着用していた。

人魚の尾鰭はCGで合成するらしい。

「じゃあ、海に潜るシーンから始めます!!」

「よーい、はじめ!!」

はるかさんは次々と演技を熟していった。

水に濡れながら、時々監督に叱責を受けながら…。

そして撮影はクライマックスへと入った。

まさかそこでああなるとは張本人の僕も予想がつかなかった…。





「おい、乙骨!!」

僕は監督に呼ばれた。

「はい、何でしょう…?」 

「お前、泳げるか!?」

「クロールなら…。」

「ならお前が少し人魚の恋人役やってくれないか!?」

「ええっ!?

僕なんかにできませんよ!!」

「大丈夫!!

ほんの少し、エキストラ的な感じだから…!!」

「やっちゃいなよ!

乙骨くん!!」

はるかさんが話に割り込んで来た。

「でも…。」

「私がサポートしてあげるからさ!!」

「…分かりました、ありがとうございます!!」

こうして僕達は初共演且つ僕の初出演となった。





さっきまで黒いスーツに白いクロックスだった僕。

今はダイビングスーツにシュノーケルを身に着けている。

「乙骨、お願いだが、はるかに水中でキスしてくれないか?」

「ええっ?」

「いいですよ!

私達恋人みたいなものだし!

ね、乙骨くん!」

僕は赤面した。

「キスしないとギャラないぞ!」

「わっ、分かりました!」

僕は撮影に臨むことにした。




「よーい!スタート!!」

話によるとはるかさんは水泳は僕より得意らしい。

幼少時代から水泳教室へ通っていたから。

はるかさんは先に潜っていた。

『ここかな…?

あっ、いた!!』

はるかさんがいるところまで泳いだ。

僕は口からシュノーケルを外した。

そして僕達はキスをした。




はるかさんが先に水中から顔を出した。

そこへ僕が追っていった。

「カットー!

二人とも良かったよ!」

撮影が終わり一斉に拍手をした。










「うわー!!

これママ!?

これパパ!?」

「そうよ、ゆうか。」

「キスしてるー!!」

私は憂太との長女、ゆうかと昔録画しておいたドラマを鑑賞している。

あれから5年後、私は憂太と結婚した。

そして私は芸能界を引退した。

今は主婦業に専念している。

憂太はというと、あれからJUJUで俳優としてスカウトされ今ではベテランだ。

忙しくて中々帰って来ないけどそれでも幸せである。

『ピンポーン』

インターホンが鳴った。

「あっ、帰ってきた!

ゆうか、ここで待ってなさいね!!」

「はーい、ママ!!」

私は玄関のドアを開けた。

「おかえりなさい、憂太!!」

「ただいま、はるか!!」


fin






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