茂魚若狭焼【料理】【ワイン】【ペアリング】3点に分けてこだわりを解説します
【料理】
7月 懐石のテーマ
［星に願いを］
七夕のはじまりは中国です
物語を少しずつ変化させながら
日本に定着したのは江戸時代でした
神を迎える為に
家の屋根に竹を立てて
文芸上達を願い詩歌を短冊に
書き飾ったのが現在のカタチに
なったとされています
七夕に食べる縁起物として
素麺、オクラ、茄子、胡瓜を食べ
無病息災を祈りつつ穢れを祓い
盆へ向け準備する事柄です
⚫︎焼物
・茂魚若狭焼
・北広島産鹿ロースト
・帆立変わり揚げ
・山桃 万願寺
・茂魚若狭焼
茂魚は夏でもしっかりと脂が
のっています、そして一夜干しに
する事で旨味が倍増されます
焼いた際には鱗の質感がよく
パリパリと口に全く残りません
身は密度が高く、焼くと弾力が増し
ていきます
茂魚の良さが際立つ逸品です
・北広島産鹿ロースト
鹿は北広島の伝説のハンター
古門さんからご厚意で特別に
仕入れさせて頂いてます
小さな、メス鹿
限定のフィレ肉です
小さく筋肉が発達する前であり
メスですので肉質は非常に柔らかい
臭みは全くなく、食感、味、どれを
とっても別格です
そして鹿の旨味は血液にあります
素晴らしい状態の血液ですので
低温調理で火入れし表面を焼く事で
旨味をしっかりと閉じこめられます
柔らかく凝縮した溢れる旨味
シンプルな塩で召し上がって
頂きます
素晴らしいです
・帆立変わり揚げ
帆立はピスタチオ天粉を使用し揚げ
ています
ピスタチオの重厚感のあるコクと
帆立のコクの相性は抜群です
揚げる事で、この合わさったコクを
一切逃さずに閉じこめています
天盛に肝とヒモ、葱、茗荷を
塩レモンとオリーブで
・山桃 万願寺
酸味や甘味、彩りと
箸休めの役割で添えています
個性豊かなメインをより際立たせ
まとめてくれます
【ワイン】
ノベル・アブル 2020
（産地）デンマーク
（品種) ベル・ド・ボスコープ林檎
「美食」先進国デンマークワイン
「完璧な酸」と「グリーンな果汁分」
があり、世界クラスのワインを造る
ことができると確信して
ワイン造りをはじめたワイナリー
食事との相性を「遊ぶように」
試して欲しいと造りあげています
このワインも貴重で年産2046本
ステンレスタンクで
8ヶ月シュールリー
その後、
フランス産の樽で12ヶ月熟成
更に、瓶内で8ヶ月熟成
【ペアリング】
これだけ味わいの幅があり
個性のある3品にワインを合わす
のはかなり頭を悩ませました💦
いろいろと試しましたが
このワインだけは
それぞれの個性に寄り添い
様々な顔を見せてくれました
それは
無難に合わせるではなく
この造り手の方の言葉にあるように
「遊ぶように」料理もワインも
たくさんの表情を嬉しげに見せて
くれました
ワインには
柔らかくローストした樽の
雰囲気があり
焦がした香ばしい焼き林檎の香りが
あります
その香りは、葡萄では表現できない
優しさと強さを纏い
料理の邪魔をする事なく
それぞれの個性に合わせて
調和してくれます
味わいは
綺麗でシャープな酸味と
フレッシュでドライな果実味の
奥に深い旨味と複雑味が
同居しています
この幅のある味わいが
それぞれの料理の旨味やコクに
反応し楽しませてくれてるのだと
納得しました