君の名前が呼ばれる。ゆっくりと。誰にとも無く 呼んだ声は君の懐かしい明日を呼び出してる声。 響き。はじめて呼ばれた声を君は聞く。 それは君を願い君の誕生を祝福し限りない愛情を かけた君の母の声。
暗闇に気づくには光がなければならない。 光を知っていなければならない。 悲しみも喜びを知らなければ悲しいことには 気づかないだろう。
知られない事に愛。気づかれない事に愛。 観ようとしなければ見えず 考えなければ 気づけない。そんな優しさ。
色を書く 不都合が自由になる日を 現実とイメージと塗りつぶせぬものはない 夢を見る 消しては書き 消しては書き 色を塗る あなたはどの輪郭から描き始めるのだろう…
望む時、それは消え失せるだろう。気づくとき それは見えなく盲目になるだろう。近づく時 それは遠ざかり発見する時には何が何だかわからない。正しく判断するが確率の計算も難しい。 いつも今より先の少しの未来は予期せぬ状態に 置かれ置き去りにされてしまう。
杖を突く音。君は若がえる 永遠と記憶の狭間。 何を知り得よう。 同じ事を繰り返す気か? 今ある事だけに満足しろよ。 明日がない明日がない言う前に 今ある足で一歩を踏み出せ。
人の脳の制約 気づかないのは思い込みのせい 技術の進歩と共に見落とし見逃された 大事なものが直線上に並ぶ過去に未来に 今に、昔に散りばめられている 今の思考では無理だと今の観念では無理だと 樹形図的な選び取られなかった無数の枝葉の なかで孤独にただずむ人間の姿よ
一つ一つそれは知るのだろう 可能な限り知るのだろう 生命一つさえ1から創り出す事はできない。 自然には負ける人間の愚かさのなかに 一筋の希望を見いだせるなら 生命を愛せる姿だけだろうに…
私に内在化する何か。私の脳機能に依存する世界。 価値と本能における耽溺。生き残るためにこしらえた正当化の倫理と普遍。混じり合う理性と感情。 掴みきれない生存のための欲求。普遍のなかの個。 すべては考えすぎのオマージュ。デフォルメされた意識は自然な状態に恋焦がれる。
自然なもの 理の中 続くべきところに何も見えず応えもしない。 あるがままの自然 気づくか気づかされるべきか 緩やかな感性の中 君は音もせずその場所に佇むだけ。
あるなしで捧げる今日の事。思い出は今を掴み過去を掴む。泣いたことも笑ったことも記憶の深みに落ちてゆくけども思いだす事に力。未来は果てしなくいつまでもいつまでも変わらない今を見つめている。
無意識の構造に流れる精神の分岐点。 精神と呼ぶ観念。 あまりにこじつけされようと 信じる器官。 強と弱の精神構造。 君はいつその世界にはまってゆく。 人間が人間であるがゆえ。 意識を伴う自我は今日も確実性を探し求める。
内部での反応あるなし。君は言葉を発する。 どれだけ感じてるかは分からない。 思いと強烈な感情との解離。 見いだせず。 働きの違いのなかでいつしか同じ温度を 求めあう。知ろうとする眼差しが今日も心に 残る日々。
思考の様式。こだわりの罠。君と結びついた一編の詩。逃れる必要があるのだろうか。君はそれで生き延びてきた。手放すことの恐れ。最低限度の生存欲求。変わり映えしない明日に君はもがき君は焦る。
賄賂の罠。たまたま偶然に引き合わせた二人の駆け引き。君は折れる、折れない。 さしせまる欲求の海のなかで君はどちらかを選ばないといけない。頼るのは自分の直感だけ。
クオリアの密約。誰とつながるかは分からない。 細胞の微細な揺らぎ。君を選べない。 可能性の束に確率の選択しかない。 今日も日々新しく存在の内では感知できない ミクロのレベルで必死に今日もつながる相手を探している。